実は今回のアンプ製作を思い立った理由はもう一つあって、それは、性能の割に人気の無い水平出力管
を使ってスマートなアンプを組んでみたい、という少々邪道的な思いもあったのです。水平出力管が敬遠
される一番の原因はトッププレートですが、配線が面倒というより、プレートキャップが視覚的に目障り
と思われているようなので、この辺りのデザイン的な事にも配慮して、何とか格好の良い水平出力管アン
プを組んでみたいと思ったのでした。
回路は基本的にはテクニクス40Aの回路を参考にしようと思ったのですが、オリジナル回路は難易度
の高い高利得アンプなので、全体の利得を下げるようにアレンジする事としました。最近のソースはCD
プレーヤーとする人が多く私もCD専門なので、入力1V程度でフルパワーとなるように設計した方が、
実際に使いやすいし、作るのも楽だろうと考えたのです。同機は初段に6267、カソード結合式の位相
反転段に12AT7A、出力段に50HB26という構成で、入力0.2V以下で30W近いフルパワー
を得るというものでしたが、本機では初段に6AQ8、位相反転に6211、出力段に25E5を使う事
としました。
またテクニクス40Aにはダンピング・ファクター・コントロール回路(以下DFC回路)が付いてい
る事も大きな特徴でしたが、これまた難易度が高いので後回しにする事として、今回は増幅回路を先行し
て組み立てる事としました。
という事で以下のような回路になりました。
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