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2000年5月28日更新

『D9 RECORD』 古川 益三

これは惑星D9(ディーナイン)の歴史である。物語は各時代がある秩序で語られながら展開する。

という惹句とともにはじまった物語。

週刊モーニング(講談社)で、毎号四ページの「オール・カラー・コミックシリーズ」として1987年夏に5回連載されたきりです。
想像力を刺激してくれる絵と語りで、楽しみにしていた作品でした。

その後、作者が経営する「まんだらけ」のカタログに連載されていたのを見つけました。 まんだらけのサイトや店舗にも D9 と名づけたコーナーがあることといい、作者にとって愛着のある題材のようです。

目次

作者紹介

作者の古川 益三(ふるかわ ますぞう)は、一般の人の間ではTV番組「開運何でも鑑定団」の鑑定士で、詳しい人の間では漫画古本専門店まんだらけの社長で、通の間では月刊漫画ガロなどで活躍したまんが家なのでしょうが、遅れたSFファンの私にとっては、この『D9 RECORD』を発表した人なのです。


更新履歴(または、わたしはいかにしてこのリストを作ったか)

2000年5月28日
今まで手をつけていなかったリスト整形をすませ、Web サイトへアップロード。
2000年4月末〜5月初旬
懐具合に余裕ができたので、まんだらけマンガ目録を買おうとまんだらけ渋谷店へ行く。作品が掲載されているバックナンバー(4〜9号)を再度チェックして全号を頼んだら、8、9号しか在庫がないとのこと。予想していなければいけなかった。思わず他の号を調べさせてほしいと頼みこみ、1日30分以内、混んでいる時は遠慮して欲しいという条件で許しをいただく。(まんだらけ渋谷店さんありがとうございました)
5月の連休の数日、客が減ってくる閉店間際をみはからって(1日様子を見たが、昼間の混みようはすごかった)店へ通う。目録をめくって作品を探し出しては、急いでメモをとることの繰り返し。
というわけで、やっと連載目録を完了することができたと思う。阿呆なことをやった気もする。
2000年
まんだらけ渋谷店を覗く機会があり、レジにまんだらけマンガ目録のバックナンバーが並べられているのを見つける。めぼしい号をめくり、未記録の連載が載っているのを確認。バックナンバーも販売可能らしいが、一冊数千円という値段に懐具合が太刀打ちできず、断念。
1999年頃
まんだらけ版のリスト作りを進めようと思い、中野ブロードウェイ本店で店員にまんだらけカタログのバックナンバーがあるかどうか聞いてみる。ないとのこと、残念。
連載目録に記録しているまんだらけ版は、まったく存在を知らず、岸大武郎作品を調べに行った現代マンガ図書館で雑誌索引をめくっていた時に見つけたもの。こういうふうに、ふとした拍子で手がかりが見つかることがある。現代マンガ図書館に収蔵されていたバックナンバーは抜けが多く、全ての連載を確認することはできず。後に国立国会図書館で調べてみたが、こちらも収蔵されていたのは8号以降。
モーニング版は、連載時に切り抜いてとってあった。
1998年3月
本ページを作成。

連載目録

モーニング版

週刊コミックモーニング講談社)で、毎号四ページの「オール・カラー・コミックシリーズ」として1987年 No.38 〜 No.42 まで連載。
第1話「59期」
導入部。探検隊は惑星のヘソともいえる大空洞を降下していく。
第2話「31期」
人口希薄時代。少年が旅人を目にしたのはただ一度、5歳の時。
第3話「20期」
黎明期。惑星に海があった頃、海に住まうは人の骸と魂を糧とする巨大生物たち。
第4話「58期」
異常乾期時代。地下へ水源を求めていった人々が見たものは。
第5話「41期」
運河時代。運河の発達とともに花開く橋上文化。「近々、シリーズ連載で再度登場予定!!」とあるもモーニングでは見ず。この頃、江川達也「BE FREE!」が連載中。

まんだらけ版

モーニング版の後も描き続けられていた原稿のうち、完成分をとりあえず発表するとの名目で、まんだらけマンガ目録4号(1993) 〜 9号(1995)まで連載。うち一部は、モーニング版の加筆再録。これ以降は掲載されていないようです。

作者の解説によると、惑星D9の設定はフリーマン・ダイソンのダイソン球(つまりD)に触発されたものだそうです。

「れんさいのごあいさつ」
モーニング版が中断した経緯など。
『D9 RECORD』
6話「34期」
  • まんだらけマンガ目録, 4号. 株式会社まんだらけ, 1993年7月1日. p.265-268 (4色カラー). B5判.
8話「13期」
  • まんだらけマンガ目録, 4号. 株式会社まんだらけ, 1993年7月1日. p.269-272 (4色カラー). B5判.
「D9 READING」
『D9 RECORD』
4話「58期」
  • まんだらけマンガ目録, 5号. 株式会社まんだらけ, 1993年12月1日. p.329-332 (4色カラー). B5判.
10話「59期」
  • まんだらけマンガ目録, 5号. 株式会社まんだらけ, 1993年12月1日. p.333-336 (4色カラー). B5判.
「D9 READING」
『D9 RECORD』
13話「32期」
  • まんだらけマンガ目録, 6号. 株式会社まんだらけ, 1994年7月1日. p.437-440 (4色カラー). B5判.
15話「27期」
  • まんだらけマンガ目録, 6号. 株式会社まんだらけ, 1994年7月1日. p.433-436 (4色カラー). B5判.
「D9 READING」
『D9 RECORD』
1話
  • まんだらけマンガ目録, 7号. 株式会社まんだらけ, 1994年11月27日. p.281-286 (4色カラー). B5判.
「D9 READING」
エッセイ。偶然と必然
『D9 RECORD』
第2話「1期」
D9が形状を確定した時。樹とブラックホールの間の内部に、樹の有機物質が半幽質化したゲル状の広大な空間、樹の意志から生まれた、生物の原型の線状生命(ミミズ)。
  • まんだらけマンガ目録, 8. 株式会社まんだらけ, 1995年3月21日. p.289-292 (4色カラー). B5判, 税込2500円(本体2427円).
第3話「2期」
線状生物(ミミズ)の時代とそれによってD9の時空が固定されていく。
  • まんだらけマンガ目録, 8. 株式会社まんだらけ, 1995年3月21日. p.293-296 (4色カラー). B5判, 税込2500円(本体2427円).
「D9 READING」
エッセイ。本作品のテーマの一つは“時間”。「D9というブラックホールのできそこないのような特殊な惑星を舞台に繰り広げられるドラマの中で、我々生命体の意識−−いや存在そのものの謎もできるだけ解き明かして行きたいと思っている。」
『D9 RECORD』
第4話「3期」
D9 の「自己を見る」意志から生まれた原始生命たち。
  • まんだらけ, 9. 株式会社まんだらけ, 1995年6月11日. p.289-296 (4色カラー). B5判, 税込2500円(本体2427円).

その他

ここに載っていない作品や関連サイトなどをご存じでしたら、メールなりで情報提供いただけると幸いです。

メールの場合、CI5M-NMR@asahi-net.or.jp まで。


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1998年3月作成