東急世田谷線


 地下鉄半蔵門線は、渋谷から東急新玉川線になります。
この新玉川線、その新の名の通り、ここは昭和44(1969)年まで、通称 玉電といわれ
親しまれていた、路面電車が走っていました。
都電と同様にモータリゼーションの波に追いやられ、姿を消し、今は地下鉄道に生まれ
変わりましたが、その名残りがまだ残っています。
それがこの東急世田谷線です。


東急世田谷線は、実体は路面電車そのもので、渋谷から新玉川線で2駅目の、三軒茶屋と、
京王線の下高井戸の間を結んでいます。
この線の開業は明治44年、玉電といわれた前身の玉川電気軌道が、多摩川の砂利を運ぶために
運転された頃と同時期の開業です。大正時代には都電・京王線と相互運転が出来るようになって
いました。(京王線は、前身がやはり路面電車でしたので軌間・線路幅が今でも都電やこの
世田谷線と同じで、JR(狭)・京浜急行(標)・新幹線などとも異なる特殊な幅です。)
現在は、専用の軌道を走っており環状7号線の踏切等はありますが、
肩身が狭いわけではありません。
全線約15分、料金は均一で130円です。日中は8分間隔で運転されています。
現在、始発駅の三軒茶屋駅は、駅前の再開発事業の工事中で、徒歩5分ぐらいの所に移動して
います。この駅のホームは一つ、折り返してすぐ発車です。
濃い緑色の2両編成の電車は、モーターの音をうならせながら、世田谷の住宅地の中を
くねくねと進みます。三軒茶屋から西太子堂を過ぎ、2駅目、若林駅の手前で環状7号線の
踏切にさしかかります。ここは道路優先の踏切で、電車は必ず一旦停止し、その後で、
道路側の信号が赤になり、いよいよ電車の出発です。
そのあと神社前・世田谷・上町(ここには車庫があります。)・宮ノ坂と過ぎて小田急線の
豪徳寺駅と連絡する、山下、松原と過ぎ、終点下高井戸に到着です。


沿線には、特にこれといった見所はありませんが(強いて言えば、世田谷ボロ市があります。)、
渋谷・下北沢に出掛けた折りなど、一度訪ねてみてはいかがでしょうか。
東急・小田急・京王と、各線に連絡していますので、なかなか便利ですよ。
いつもとちょっと違った世田谷の紹介でした。




東京小さな旅