くだらな日記(2005年12月)


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12月31日(土)
 「あなたの精子を採取させてもらえないでしょうか」というメールが来た。
 今までは無精子の夫をもつ不妊に悩む人妻からという設定だったが、今回は医学生の論文用にということで、年齢も大学二年生と、十歳くらい若返っている。
 「採取方法は主に手や口を使う」って、あんた、どこの大学がそんな方法やんねん(ふつう精液採取は本人の手によって行うはず。「出ません」と言ったら看護婦や女医がしてくれるなどと甘ったれた考えは持たないほうがいい。ヘタすると睾丸に針刺されて吸いだされるぞ。ナチス収容所での医学実験では、ガラス棒を肛門に挿入し、前立腺を刺激する方法を採用していたらしい。そういう方法のほうが口や手より好きな人もいるかもしれんが)。
 「精嚢分泌液、つまり精液に関する実地的な知識に乏しいのです」という言葉もすごいな。するってえとなにかい、医者になるにはセックスの経験が必要ってことなのかい?
 だいたい医学部の大学二年生って、まだ教養課程で、解析とか幾何とかドイツ語とかそんな授業しかないと思うぞ。
 「精嚢分泌液」でぐぐると、ほとんどこのメールについての文章なので面白い。
 やっぱりこれ、黄教授が研究に研究チームの女学生の卵細胞を使って問題になった事件をふまえて作ったメールなのだろうか。そうだとしたら、かなり時事に敏感ですな。

 しかし今年最後の日記が下ネタスパムメールかよ。

 大晦日の番組で一番の真剣勝負は、NHK教育でやってた海軍当局と零戦設計者とのガチンコバトルだったな。
 K1とPRIDEは、ますますお祭り感を強めつつある。祭りの奉納相撲で「なぜいつも豊作側の力士が勝つんだ?」と怒る人がいないように、「なぜいつもプロレスラーと柔道選手の試合だと柔道に有利な判定なんだ?」と怒る人もいない。あれは、日本古来の伝統を守る日本人の格闘家が、外国人だとか、毛唐に心を売ったプロレスラーに完勝することにより、日本人のチンケな誇りを確認するお祭りなのです。それに協力してテレビ局も、外国人やプロレスラーが有利なラウンドは放映しない。そのことは夏にさいたまアリーナのPRIDEを見に行ってよくわかりました。そういう裏工作しても、どうにも勝てない外国人に対しては、「侍の心をもつ」とか「武士道ファイター」とか「日本人が教えたブラジリアン柔術」だとかいって和魂洋身であることを強調し、むりやり日本側に組みこんでしまう。あれは、外国からやってきた荒ぶる神に、大明神とか大菩薩とか神仏の位を与えて日本化するのとまったく同じ現象です。毎回、巨大な豚のような物体が屠殺されるようにしてみじめに負けるのは、「はふり」という日本古来の神道の言葉の原点に還るものとして評価できます。だから小池栄子は「すごいですねー」「ふるえちゃいますねー」「こわいくらいっすねー」「かんどーしちゃいましたー」「がんばれー」「うわぉぅ」とワンパターンのコメントなんか喋る暇があったらアメノウズメのようにリングでストリップでもしやがれコノヤロウ。


12月30日(金)
 東宝のゴジラシリーズと新日本プロレスは、共通するものが多かったような気がする。
 どちらも過去の栄光はどこへやら、ジリ貧をとっくに通り越して最底辺に落ちぶれているのに昔の夢を捨てきれないところが似ている。ゴジラの脚本のダメダメっぷりは新日本のブックのダメダメっぷりといい勝負だし、ゴジラの俳優のヘタクソな演技は、「オラエー」「ブッ潰す」「いいんだね、殺っちゃって?」などという寒いマイクアピールしかできない新日本のレスラーに通じるものがある。過去のシリーズはおろか他の映画までパクっているがパクリがヘタクソでどうにもならないゴジラは、永田さんの技パクリ劣化コピーを彷彿とさせる。エビラを地上で戦わせるようなキャラクターをまったく活かせていない演出は、たしか長州軍と藤波軍の戦いだったはずのタッグマッチに、縁もゆかりもない他団体のレスラーを平気で混ぜてしまう無神経さと同じだ。唐突に光線を吹いてそれで終わりというゴジラの戦いかたは、試合の流れもなんもなしに関節技で終わらせちゃう棚橋・中邑のつまらないファイトスタイルと一緒だ。とりあえずツノとか棍棒とかつけときゃ強く見えるだろうという小学生並のリメイクガイガンのデザインは、ツノが増えるたびに試合がつまらなくなっていく天山やライガーの同類かな。
 とりあえず東宝は、最後にまた最低記録を更新するものの、ゴジラシリーズを終了させるという英断だけはやってくれた。さて、新日本は、東京ドーム大会を終了させるだけの勇気はあるかな。


12月29日(木)
 ちなみに高校ラグビーの県予選で、初戦が決勝戦というチームは、福井県の若狭高校の他にも、香川県の高松北、島根県の江の川と、三校もあるのですね。佐賀県は四校参加なので、佐賀工はかろうじて二試合できた。その合計得失点が313対8という、まあ他の高校が参加する意欲を失うのも無理はない、という力の差ですが。
 初戦が決勝戦のチームはすべてめでたく勝利して県代表になったわけですが、初戦敗退で花園ならずというのも、ちょっと見てみたい。阪神みたいに「連戦を勝ち抜いてきた相手と、試合がしばらくなくて調子が崩れたこちらとの日本シリーズは不公平だ」とか言い訳したりして。
 さらに、県代表として花園に出たが、部員が登録可能な二十五人に満たないチームが二つ、そして県大会では部員がレギュラー十五人にも足りず数校の合同チームで参加するのがほぼすべての県で常態化と、ラグビーの底辺は確実に痩せ細っています。嗚呼。

 ミクシィから奪ってきた歌詞バトン。

Q1.愛する人に一言どーぞ!
 車のライト消して待つ 今夜はどこでもついてくつもり(横浜いれぶん)
 ルージュ素顔がとてもきれい ルージュ今だけ泣いていいの(ルージュ)
 あなたはもう 今夜からは素顔が綺麗だ(そのキスが欲しい)
Q2.マイミクに一言どーぞ!
 生き急げ生き急げ(人生は大車輪)
 きみを産んでごめんね、なんて言いたくない(ママ、悩んでるよ)
 いつの日か私の未来に めぐりあう素敵な人(夕暮れ物語)
Q3.昔の恋人に一言どーぞ!
 君の優しさに埋もれていたぼくは臆病だったんだよね(ぼくたちの失敗)
 このままじゃ涙が湖になる(月夜のゴンドラ)
 もう ほほえむことも泣くことも できないところにいるひとよ(心配)
Q4.自分自身に一言どーぞ?
 死ね死ね死ね死ね死ね死ね死んじまえ(レインボーマンのエンディングテーマ)
 幸せを粗末にした報いが来たのだと(25時)
 手でピストル真似て 涙をのむ私(Fin)
Q5. 今、一番行きたい土地に着きました!どーよ?
 日本を印度にしてしまえ!(日本印度化計画)
Q6.夜一人で歩いてて見上げると綺麗な満月が!どーよ?
 ララハラハラハッピアス 満月の夜だから(満月の夜)
Q7.お酒飲んで凄くイイ気持ち♪どーよ?
 ダバダディディダバダディダ それもまたせつないね(酒場でDABADA)
 土佐の鯨は大虎で 腕と度胸の男伊達 いつでも酔って候(酔って候)
Q8.ちょっと、エロエロな気分になってしまった!
 酔いどれ女ならあしらいもできるが 真心を見せられちゃお酒も出せない(お嬢さんお手上げだ)
Q9.車で制限速度150kmの高速道路に入りました!
 やめろー! 人生は最後の武器だー!(221B戦記)

 とりあえずこのバトンは歳三さんに渡すためにぶんどったようなもんだな。


12月27日(火)
 嵐山光三郎「文人暴食」(新潮文庫)を読む。面白い。イラストが少しはマシになっているのがご愛敬。もっとも国木田独歩、鈴木三重吉、壺井栄、寺山修司などはひどい出来だが。
 褒めたついでにけなしておくと、この人は自己の体験を客観視する能力が乏しいらしい。親しく接した作家、壇一雄、深沢七郎、向田邦子について書いた文章は格段につまらない。生身のべたべたが文章に染みついて読めたもんじゃない。東海林さだおや赤瀬川源平についても書いてもらいたいような気がするが、やっぱり格段につまらなくなるんだろうな。

 さあ、第七回雑文祭、バナー&主催関係では、あとは茶川さんの珠玉の文章だけだっ。刮目して待て。

 高校ラグビーも開幕、埼玉代表の深谷は、トンガパワーの正智深谷を破った(いや引き分け抽選勝利なわけだが)勢いのまま、福井代表の若狭高校に圧勝。
 負けた若狭高校は、福井県大会参加3校のなかから勝ち進んできた強豪。Aシードで、第一戦が決勝戦という恵まれた状況ながら、若狭東をみごと破って全国大会出場を決めたという。Jスポのアナウンサーによれば、「福井県の予選参加は3校、実質は2校といっていい」そうです。その、実質参加してなかった敦賀工業なんですが、準決勝で惜しくも0−88という僅差で若狭東に破れ、決勝進出はならなかったそうな。「敦賀工業 ラグビー」でぐぐってみたら、「県大会3位の実績を誇る敦賀工業」と書いているサイトがあって大笑いしました。福井県人はユーモアがあっていいね。


12月25日(日)
 昨日は未鏡さん宅で宴会。紫さん持参のプチケーキを見て「クリスマスにケーキを食うなんて何年ぶりかなあ」と感慨にふける。ケーキに刺さっているヒイラギの飾りを見て「こんなものお目にかかるのは何年ぶり(以下略)。紫さんにムーミンクッキーをいただいて「クリスマスにプレゼント(以下略)。そのまま未鏡宅に停泊、翌日主が寝ているすきに出航。
 プレゼントはそのムーミンクッキーと、自分からのプレゼント、青い鳥文庫「小さなトロールと大きな洪水」。永らく幻の作品だったムーミンシリーズ第一作です。とりあえずムーミン一家の犯罪歴に何かを付け加えるものではないにせよ(たぶん、老人を殺害してその菓子を奪い、少年少女を殺害してその財産を奪ったくらいでしょう。少年は未知の犯罪組織に参加して監視役だったと推定されます)、この本を読んで、スニフがムーミン一家の共犯者であったという疑いがますます大きくなってきました。友人の子供を、捨て子と偽って偶然の出逢いと虚偽の報告を行うためには、両者の協力がなくてはなりますまい。スニフ二重スパイ説、私はこの説にそうとうな自信をもっています。

 ラグビーのトップリーグでは東芝府中が連覇。しかし去年よりは弱体化したような気がする。トップリーグのレベルがちょっと下がり気味なのではないだろうか。本来なら東芝府中優勝→神鋼、三洋、NEC、サントリーあたりが東芝戦法を研究して対抗策を編み出し打倒→東芝府中、新たなる戦法をひっさげてV奪回、というような感じで全体のレベルが上がっていくのが望ましい。ちょっとなあ、この程度でワールドカップ主催って恥ずかしくて言えないよなあ、というアレだからなあ。

 スキーのジャンプではアホネン王朝から群雄割拠に移行しつつあるが、岡部の復活とともに期待しているのがスイスのアマン選手である。この選手、スポーツ選手には珍しい一発屋。なにしろ、それまでノーマーク無印だったアマンが、ソルトレーク五輪ではノーマル・ラージの両方で金メダルという偉業。しかしその後はパッとせず、表彰台どころか予選通過がやっとという選手になってしまったのだ。毎年毎年、「今年は大学受験でスキーに集中できなかった」「今年はルール変更で戸惑ったまま終わってしまった」「今年はコーチとうまくやっていけなかった」「今年は山口百恵がめっきり老けたのに愕然としてしまった」と言い訳を繰り返しつつ成績が落ちてゆくアマン。スポーツ選手で、怪我も病気もないのにこういう風に落ちぶれるのは珍しい。強いていえば、1992年の一年のみ輝いた阪神の、マイク仲田と亀山のコンビであろうか。このコンビが「タイガースに激!」という番組をはじめた時、「おまえらに激じゃ。仲田は評論家を自称するならもっと喋りが聞き取れるように練習せい。亀山はダイエットして、垂れ下がる腹をせめて突き出る程度まで減量せい」と思った阪神ファンは私だけではあるまい。そんなアマンも去年今年は予選通過があたりまえ、ぼちぼち10位以内に入るくらいのところまで復活してきた。今後のアマンに期待。


12月23日(金)
 ええと、これでバナー制作者でまだ参加してないのは、茶川さんと半茶さんのティータッグだけかな。おっと、主催者がまだぢゃないか。

 これまでの参加作品23を「蒋介石の招待席」に関して分類すると、
  そのまま使用したもの 15
  漢字をひらいたり別な漢字をあてたり区切ったりして別な意味に当てたもの 7
  縦読みで処理したもの 1

  たわごと、馬鹿者のセリフなどとして使用 2
  登場人物のセリフ、だれかから与えられたお題など、メタな用法 3
  駄洒落として使用したもの 8

  文中でこの縛りに関する不快感をさりげなく表明したもの 9

 「蒋介石の招待席」をそのまま使用したもの15のうち、6割にのぼる9作品が不快感を表明していることがわかりました。呪ってやる。


12月22日(木)
 しかし時代考証がムチャクチャだな。

 ねこいさんの雑文祭読んだが、まだ「カレーの作り方」の都市伝説って大学で伝わっているのね。「私はジャガイモを入れるほうが好きだった」だったっけ?


12月21日(水)
 ロッテの小坂が巨人へ金銭トレードか。また巨人のことだから、元日ハムの井出みたいに代打で使うんだろうな。それで巨人ファンに「打てない選手はいらん!」と罵られつつ一年でクビ。そういえば阪神にもそんな選手おったな。たしか中ナントカいう……。

「契約更改だと思って球団事務所に行ったらトレードを告げられ、その場で巨人のユニフォームを着せられた」あああ哀しいね哀しいね。


12月16日(金)
 歳三さんから回ってきたクリスマスバトン。プレゼント楽しみに待っています。にゃんにゃん棒かノートゥング、でなかったらナインテイルがいいなあ。
Q1:今年のクリスマスは誰と過ごしますか?
 母親と姪がいるらしい。
Q2:昨年のクリスマスは誰と過ごしましたか?
 居酒屋のオヤヂと知らない客とひとつ屋根の下で過ごしたような気がする。
Q3:プレゼントを除くクリスマスの予算はどのくらいですか?
 よくわかりませんが、日本国内だけでも数百億円にのぼるのではないでしょうか。
Q4:クリスマスプレゼントに掛ける予算はどのくらいですか?
 クリスマスプレゼントとかけて予算と解きます。その心は、どちらも目標と現実が食い違うものです。
Q5:今までで1番思い出に残るクリスマスプレゼントは?
 うちの親は子供が幼少の頃から、20日頃にデパートへ連れていってプレゼントを自分で選ばせる教育方針でした。小学三年生の頃、シーモンキー飼育セットを買ってもらった。クリスマスまでには全滅しました。いい想い出です。
Q6:今までで1番最悪だったクリスマスの思い出は?
 こんどのクリスマスが最悪のクリスマスだと自分に言い聞かせて生きています。
Q7:あなたにとって理想のクリスマスは?
 獄中の小泉元総理にブッシュの未亡人が面会し、金正日の葬式でナベツネが心臓麻痺を起こしたため株価が暴落し、村上と三木谷とホリエモンが破産したと知らせたとき。
Q8:今年のクリスマスに向けて意気込みを一言どうぞ!
 第七回雑文祭に参加するぞー!(ぞー、ぞー、ぞー)
Q9:今バトンをまわす友達×人を選んで下さい
 ×人という友達はいないのです。×イチでもいいでしょうか。それなら心当たりがあるのですが。


12月15日(木)
 ツンデレといえば、夏目漱石はツンデレだったのかもしれません。
 奥さんが書いた「漱石の思ひ出」によれば、漱石は寺田寅彦を「君はいつも細君を連れ歩いてるね」と攻撃したら「連れ歩いて悪いんですか」と逆襲され、それから
漱石「昨日牛肉屋で隣の客の噂話を聞いていたら、おれの知っている奴の話だ。聞いていると如何にもウンデレでね」
寅彦「人間ウンデレに限りますよ。何でも細君の言うことをウンウン聞いてやって、そうしてデレデレしてればそれに越したことはないぢゃありませんか」
漱石「そりゃそうだが、おれには一寸できかねる」
 という会話になりましたから、ウンデレでなかったことは確かです。

 前オリックス監督の仰木彬さん死去。享年七十。あの人は若い女のエキスを吸ってあと十年は生きると思ってたんだがなあ。まあ、オリックス清原を見ずに死ねたのは幸せだったというべきか。


12月14日(水)
 ちゃんと名前がわかってる相撲取りを生で見たのは、深川の馬肉料理「みの家」で見た濱ノ嶋が最初で最後です。「こんなところで遊んでばっかだから番付がどんどん落ちてるんだぜ」などと陰口を叩かれながら、女性とふたりで黙々と桜鍋を食っていました。有名人も大変だなと思いました。


12月13日(火)
 岡田監督の言動については、岡田語録に加えなければなあという気持ちもあるのだが、はっきりいってあの男の発言に触れるのもけがらわしいという意識が強くて、どうにも手をつけられなかったりする。とりあえずさあ、心が賤しいのはともかくとしてさあ、記者になんか聞かれたらホイホイと答えるのはやめにしないか? あんた、まごうことなき馬鹿なんだから。


12月10日(土)
 ヒラメ筋の騎馬戦では、プロレスリング・ノア勢は残念ながら準決勝で曙のパワーの前に完敗してしまった。まあ、これは営業政策上、ムシキングを出さねばならなかったのが敗因だな。ムシキングのような飛ぶジュニアは、人の上に乗っていると自分のスピードが活かせず、下になって人を乗せる力はなし、要するに使い物にならない。
 もしノアが優勝を目指すとしたら、ベストメンバーは中央小橋、左右を森嶋・力皇が固め、上に三沢が乗る形であろうな。それで反則覚悟で三沢がエルボー連発で相手を倒す、という作戦。
 新日はなんか悲惨だ。すっごく悲惨。めちゃ悲惨。ぶち悲惨。たーけらしく悲惨。大晦日に藤田が格闘技に出ると聞いてイヤな予感していたら、やっぱり欠場かよ。メインのカード変更かよ。腕取るしか能のない中邑がメインかよ。ぜったいつぶれたほうがいいよこの団体。


12月2日(金)
 近所に買い物に行った帰り、「馬車道」の前を通ったので、出来心で入ってみた。
 馬車道といえば歳三さんおすすめのカフェレストラン。
 大正朝なのか、焦げ茶色の木造風内装の店内を、あれは何という柄なのか、入れ違い矢羽紋みたいなプリントの振り袖に紫のたすきを掛け、紫の袴という、要するに女子大の卒業式みたいな恰好のウェイトレスが徘徊している。いや女子大の卒業式ではたすきはないか。つまり、もしも女子大の卒業式が駅伝だったらという恰好だ。
 ウェイトレスにひとり、四十がらみのおばちゃんがいたが、客は単に近所のファミレスとして利用しているので、だれも文句を言わない。ここはまだ萌えに侵略されていなかった。ほっ。
 まあ、埼玉の辺境で、突如萌え系レストランに変貌し、女子大卒業式駅伝姿のウェイトレスが、「お帰りなさいませ少尉殿」とか「行ってらっしゃいませ夢二様」とか言い出したら、近所の人ビックリするだろうな。

 ふと思ったのだが、此花となると、かの宮武外骨の雑誌であるな。


12月1日(木)
 cloudさんの誘いに乗って、「関羽」でいめーじぐぐってみたら、あぅ。なんだこの下乳パンチラ女子高生は。
 やたらにうつぶせになって尻を突き出してるポーズが多いのは、やはりアレでしょうか、落語「野ざらし」の元ネタにもなった中国笑話をふまえてのことなのでしょうか。

 ある男、野原で骨が野ざらしになっているのを見つけ、埋めてやったところ、その晩に家の戸を叩く者がいる。
「誰だ」と聞くと、かぼそい女の声で「妃(ひ)です」の答え。
 開けてみるとあでやかな姿の楊貴妃。「わたしは玄宗皇帝と逃げる途中で殺され、それからずっとあそこで骨が晒されていました。こんなわたしを供養してくださったお礼に、せめて一夜をともに」
 その様子をのぞき見ていた隣の男、さっそく真似をして野原に出かけると、やはり骨がある。埋めて手厚く供養し、わくわくしながら夜を待つ。そして待ちに待った、戸を叩く音。
「誰だ」と聞くと、野太い男の声で「飛(ひ)じゃ」。
「楊貴妃か」と戸を開けると、髭面の大男が入ってきた。
「いや、わしは張飛じゃ。だまし討ちされて殺され、それからずっと野ざらしだったわしを供養してくれてありがたい。せめてものお礼に、拙者の尻をお貸ししよう」

 しまった関羽でなく張飛であったか。


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