基となる音を出してみよう

 前回お話した「姿勢」「上の歯」「下唇の巻き加減」「舌の位置」「息の入れ方」はどうでしょうか。これらのことを注意しながら、次の音を出してみましょう。この練習の場合、舌は平にしたまま動かさないで、まずは「ド」「シ」「ラ」「ソ」とひとつひとつ長めに吹いてみてください。左手の「中指」「人さし指」「人さし指+中指」「人さし指+中指+薬指」という順序でキーを押さえることになります。指使いを覚えたら、次の楽譜をゆっくりしたテンポ(速さ)で吹いてみます。この場合も、舌を平にしたまま、息をまっすぐに楽器に入れて吹いてみてください。この吹き方をレガートまたはスラーと呼びます。

※指使いは、楽器についてきた運指表を見ていただくか、ヤマハのホームページにすばらしい運指表がありますのでそちらを見て覚えてください。

 次の練習も同じように「姿勢」「上の歯」「下唇の巻き加減」「舌の位置」「息の入れ方」に注意しながらスラーで吹いてみましょう。

 ここでもうひとつ注意しなくてはいけないのが、指のかたちです。例えば、マウスピースのキャップを軽く持ってみます。指のすべての関節が曲がっている状態だと思いますが、それでOKです。楽器を持って、いざキーを押そうとすると、力んでしまい、第1関節(指先の方の関節)が逆に曲がっている人が多く見られます。物を持つ感じでキーを押しましょう。
 「なぜ、こんなことを?」と言う方のために説明します。全音符、2分音符、4分音符、8分音符ぐらいまでは、なんとか逆エビ状態でも指は動くかもしれませんが、16分音符よりも細かい音符や速いテンポでは、指の運動能力には格段の差がでてきます。指に余計な力が入っていては速いパッセージは絶対に吹けません! 数年後に直そうと思ってもなかなか直らないので、最初から指の形にも注意して練習をしましょう。ピアノの練習と同じですね。
 さあ、次の練習もこれまでの注意を思い出しながら吹いてみましょう。

 次回は右手の指使いを加えていきます。オクターブ・キーを使った音域やタンギングについては後で説明しますので、あせらずに上記の音型を何度も練習してください。くどいようですが、ここで大切なのは「姿勢」「上の歯」「下唇の巻き加減」「舌の位置」「息の入れ方」(+「指のかたち」)です。弦楽器のボウイングと同じように、管楽器にとって大切なことは、息をまっすぐ楽器の中に入れることなのです。

 

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