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no.114 2004年 5月12日 御無沙汰していました(その3)

 「御無沙汰していました(その2)」にひきつづき書き綴ります。

3月11日(木) 雲井雅人サックス四重奏団

 浜離宮朝日ホールで開かれた雲井雅人サックス四重奏団の演奏会に行ってきました。彼は、国立音楽大学卒業後、私と同じ時期にノースウェスタン大学大学院でヘムケ先生にサックスを習った人です。その直後にあったジュネーブ国際音楽コンクールで日本人で唯一入賞した逸材でもあります。今回、マイケル・ナイマンの「トニーへの歌」をやるということと、四重奏の中で彼がどんな音楽を作っているのかに興味が湧き聴きに行きました。
 アルト以下が、彼の教え子ということもあってか、彼の音楽性が飛び抜けて際立ったように感じられました。もちろん、みなさんの技術は素晴らしいのですが。
 四重奏は、それぞれのパートが独立しているから、音楽性と演奏技術の両面でバランスをとるのは本当に難しいと思った次第です。

3月XX日 新しいソプラノ・サクソフォーン

 ソリッド・シルバーのソプラノが入荷したと野中貿易直営店のアクタスから電話が入り、早速、試奏に行ってみました。実は、昨年のミネアポリスでの世界サクソフォーンコングレスの展示会で、セルマー製のシルバーのソプラノ(シリーズIII)を吹いて、その低音域の出し易さと、ちょっと渋めの音色が非常に気に入ったので、日本の輸入元のお店に昨年からお願いしていたものでした。
 本管がシルバー、キー周りがゴールドラッカーと見た目に少し違和感がありましたが、ずっしりとくる楽器を実際に吹いてみると、そのレスポンスの良さ、キーアクションの良さは、これまでのものと比べると数段良いことがわかります。別に、オーダーメイドというプラチナのソプラノも吹かせてもらいましたが、音質はソリッド・シルバーの方が私の好み。
※「ソリッド」とは「無垢(むく)の」という意味で、つまりは純銀製。
 もちろん、待ちに待ったものでしたので、その場で購入しました。早く、四重奏の中で試してみたいという欲求にかられたのは言うまでもありません。ただいま、早く慣れるようにと吹き込んでいるところです。

3月28日(日) 藤川一芳先生を忍ぶ会

 1996年以来勤めている全日本合唱連盟で、大変お世話になった藤川一芳先生がお亡くなりになってから早くも1年が過ぎました。福井県鯖江市で先生の追悼演奏会がこのほど行われました。哀悼と感謝の念を込めて、次の文を先生に捧げさせていただきました。

 藤川一芳先生との出会いは、国際合唱連合が主催する世界青少年合唱団(World Youth Choir)が翌年日本で行なわれるということがきっかけだった。当時、国際委員長の藤川先生と共に、バルト三国のひとつ、エストニアで行なわれたリハーサルキャンプに視察旅行に出かけた。私の本格的な合唱音楽との出会いもWYCが初めてで、これまで接してきた合唱とは比べ物にならないくらい音楽性が豊かなもので、鮮烈な印象だった。そんな音楽に触れながら、異国の地で一週間ほど藤川先生と生活を共にした。いつも、食事の時は「なんとも質素な食事なんだろう」「こういうのを食っていれば健康になる」と話され、また日本からの参加者の様子を見ては「日本の若い人は、どうも奥手でいかんなぁ」「もっと積極的に話をしないと」等など。
 この時の最高の思い出は、市内に出るためにバスに乗った時のこと。バスというより、ワンボックス車なのだが、運転手が実に愛想がよくてなじみの客が運転席の横に座ると実によくしゃべっている(エストニア語なので、本当は何と言っているのかさっぱりわからないのだけれど)。運賃も、お客同士が手渡しで、その運転手に渡していく。なんとなく、古き良き時代の光景に映った。二度目だったか、三度目だったか、いつもなら他の乗客がいるのに、その時の帰りは、藤川先生と私の二人きりになってしまった。不安になった私たちをよそに、その運転手は満面の笑顔で「さあ、ここだよ」(たぶん、こんな風に言ったのだと思う)と言って、私たちが市内に行く時に乗ったバス停と同じ場所で降ろしてくれた。私たちはその運転手のことを妙に感心したものだった。
 それから7年間、全日本合唱連盟での仕事はいつも藤川先生のもとで働かさせていただいた。ロッテルダムの世界合唱シンポジウムにもご一緒し、日本料理屋で焼そばもどきを食べ、苦笑いをしたこともあった。会議のあとはいつも誘っていただき仕事以外の話もさせていただいた。この数年は、2005年に京都で開かれる世界合唱シンポジウムのこと、そして東京・恵比寿にある合唱センターの将来像のことで精力的に仕事をされていた矢先だった。先生は時折冗談まじりに「私は非常勤の館長だから……」。そんな言葉をもう二度と聞けない。

4月19日(月) 引っ越し

 引っ越しと言っても、我が家のことではありません。第7回世界合唱シンポジウムの開催があと1年数カ月に迫ったということで、本格的にその業務にあたるべく、その事務局を6階から7階に引っ越ししたのです。自分達でその作業をやったので、腰痛を覚悟したのですが、それほどでもありませんでした。LANも無事に繋がり、めでたしめでたし。環境が一挙に良くなったことで、仕事も効率良く進みそうです?!

4月25日(日) 鷲宮ウィンドの総会

 鷲宮ウィンドアンサンブルは任意団体。それでも、きちんと年1回総会を開くのです。もちろん、会計報告から当年度の予算案も審議します。そう、まじめな団体なんです。新しく運営委員や活動計画も決まりましたので、詳しくはこちらをご覧ください。
 そう、サマーコンサートは7月4日、第12回定期演奏会は来年1月を予定しています。お誘い合わせの上、お越しください。


総会後の集合写真
注:赤ちゃんは、まだメンバーになっていません。チューバと
クラリネットの子だから、やっぱりバス・クラか??

4月29日(祝) お祝

 5月1日が結婚記念日なのですが、残念ながら今年は仕事で家に居ません。そこで、その代わりに2日早いお祝をしました。みんなで食事をして(私はお酒をいただき)、トランプをして、ハイテンションになったことだけ覚えています。ごく普通の幸せが一番ですね。

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