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11月29日 札幌から京都へ

 またまた仕事の話ですみませんが、23日から28日までの6日間札幌と京都に行って来ました。札幌へは合唱コンクールの全国大会と会議のため、京都へは世界規模のイベントを招致するための協力要請のあいさつのためです。

 合唱コンクール全国大会は、音響抜群の札幌コンサートホールKitara(キタラ=聞くところによると、北海道の「北」、楽器の「キタラ」、札幌に「来たら」など、いろいろ意味付けしているみたいですが、本当の意味は知りません)で開かれました。ここには、全国各地から最も優秀な合唱団が集まります。吹奏楽と同様に、その演奏は素晴らしいものばかりです。また、来年シンガポールで開かれるアジア地域のイベントの広報活動のため、シンガポールから主催者がいらっしゃいました。さらに、合唱の国連とも言える世界合唱連合(IFCM)の事務局長さん、それに外国人審査員として韓国の方もいらっしゃいました。札幌市内は、私が行った時には、雪がほとんどなく日陰になっている道の上に少し氷状態で残っているくらいで、出発する前夜から雪がちらついた程度です。今日のニュースを見たら、札幌は記録的な大雪だとか。運がいいのか悪いのか。

 紅葉見どころの京都では、役得としか言い様のないことがありましたので、ご紹介します。京都へは前述のIFCM事務局長さん(ベルギー人)と訪れたのですが、その夜の夕食は料亭へ。まずは、お抹茶を振るまってもらいました。恥ずかしい話ですが、お茶の作法はさっぱりです。ご招待いただいた地元の方に習いながら味わいました。正式には、正座してきちんといただかないといけないそうですが、それは一般の人に強要するものではないそうです。お茶碗を差し出されたら、手前がそのお茶碗の正面(きれいな絵模様があります)なので、2回半から3回時計まわりに回して、飲み口を側面にもってくるのだそうです。そして飲み終わったら、逆に回して正面を手前にして返すのだそうです。これぐらい知っておかないと、日本人として恥ずかしいですね。さて、部屋に案内されて、その古式豊かな和室の素晴らしさに驚いていると、どうでしょう。舞子(舞妓)さんが入ってくるではありませんか。舞子さんなんて、テレビや修学旅行の時に遠くで見かけた程度で目の前で見るのは初めてです。そして、日本酒を注いでもらいながら、京料理と舞子さんの踊りを楽しみました。舞子さんが踊る時は、芸子さん(京都では芸者とは呼ばずにこう呼ぶそうです)が三味線を弾きながら唄をうたいます。舞子さんと芸子さんの違いは年齢。舞子さんは20歳ぐらいまでの人で、踊りや三味線のお稽古に通いながらお仕事をしているのだそうです。そして芸子さんになるには、試験のようなものをパスしてはじめてなれるのだそうです。音楽と同様その道は厳しいですね。

 ところで、今回、外国の方と行動を共にする訳ですが、話す言葉は世界共通語の英語になります。「My short stories」にも書きましたが、錆び付いた英語で、しかも日常的に使わない言語を話すというのは結構大変なことです。ましてや豊富な語彙(ボキャブラリー)があるわけでもないし、きれいな発音ができるわけでもありません。ただ、いつも心掛けているのは、自分が知らない言葉などは、自分の知っている単語や文法に置き換えて話すということです。中学の時に習ったS(主語)+V(述語)+O(目的語)やS+V+C(補語=主語や目的語を説明するもの)、疑問文、現在形、過去形、未来形などの構文を使って話します。この程度の構文を知っていれば、だいたいの人は英語で話せるのではないでしょうか。それにジェスチャーを加えれば、立派にコミュニケーションがとれるはずです。もちろん修飾語も必要になってきますが「この料理は口の中でとろけるような、それでいてまったりとして---」なんて、日本語でもおおげさになる表現は必要ありません。英語の場合は短く端的に「It's delicious.」「I like it.」などと表現すれば良いのではないでしょうか。まあ、英文を作るために時間をふんだんに使えるのはEメールや手紙ですが、その点きちんとした文法やスペルで書かなくてはいけないので、長続きしませんね。当然、通訳をするというのも別問題です。

(註)世界規模のイベントというのは、2005年の夏に世界各地から合唱団や指揮者・指導者を呼んでコンサートやレクチャーを開催しようという世界合唱シンポジウムのことです。その招致のために私が勤めている全日本合唱連盟が今その準備を整えているところです。

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