(10/12)
Nikon D2H
AF-S VR 70-200mmf2.8G
98mm付近
シャッター優先AE
1/800 f3.0 (-0.7)
ISO200


次にバブルネットを仕掛ける地点を求め、
10mを超える巨獣が群れをなし密集して目前を通り過ぎる。

まるで自分が、悠然と歩む一群の巨人を前にしているような錯覚を覚える。
あくまで平滑なイルカやオルカとは異なり、
付着生物や傷跡といった細かな凹凸でディテールに富んだ黒い肌、
潮の香りとともに、ときに獣の匂いのする、機関車のブラストのような噴気。
クジラやイルカを描写するときにありがちな癒しやエコな感覚ではなく、
もっと生々しい、自分の身体と同じく血の通った肉体の息づかいがある。