2005.07.06作成

第1回関西医・薬の勉強会 概要


テーマ:「日本の薬剤師??”隠されてきた”医療専門職」

話題提供:小村富美子さん(大阪市立大学大学院博士後期課程)

日時: 7月16日(土)14:00〜16:00
場所: 奈良女子大学文学部(N1101教室
     奈良女子大学は近鉄奈良駅から徒歩5分
     会場は正門から入って右手の建物の3階東端

内容:

 明治初期、西洋医学の導入に合わせて、「医薬分業」を前提とする「薬剤師」という医療職が誕生した。しかし、医薬分業は医師側からの強力な反対により本格的導入を阻まれ、その後も全面的実施が提案されるたび頓挫するという歴史を繰り返してきた。結果として、日本の医療は今日に至るまで、「医薬分業を推進しない」日本独自の医療システムを選択・運用してきたといえる。
 こうした状況の中、病院薬剤師は病院内での調剤業務に追われてきたが、1980年代から始まった医療改革以降、医薬分業への動きが徐々に拡大し始める。薬剤部での調剤業務が減少した薬剤師は、「病棟薬剤師」という新しい「顔」を提示しながら、医師・看護師・患者のいる病棟へと送り込まれていくことになる。医師による「指示」と看護師による「指示受け」という関係性を中心に展開されてきた病棟業務の中に、医師から「薬剤管理指導依頼」を受けた薬剤師が参入することで、医療専門職間の関係性および相互認識にどのような変化が生じるのか。また、薬剤師という存在は医療スタッフの中にどう位置づけられていくのか。今回の報告では、A大学医学部附属病院での病棟における薬剤師業務について、様々な診療科病棟で参与観察を行い、そこで得られたいくつかの知見の中から報告を行う。現在進行中の私立B病院およびC調剤薬局での調査についても、関連するいくつかの問題を取り上げて、話題提供する予定である。

参加費:無料

お願い

 教室や資料の準備の都合上、参加いただける方のおおよその数を知りたいと思います。出席を希望される方は、あらかじめメールでご連絡いただければ幸いです。

連絡先:

奈良市北魚屋西町 奈良女子大学文学部 栗岡研究室
Tell: 0742-20-3773
E-mail: kurioka@cc.nara-wu.ac.jp