飯坂温泉のシンボル ■概要 飯坂温泉は福島市の隣りにあって、大きな温泉ホテルが立ち並ぶ歓楽温泉街として有名である。しかしながら、ここは非常に歴史の古い温泉で、それを偲ばせるのが共同浴場である。 飯坂温泉街にはいくつかの共同浴場があるが、鯖湖湯(さばこゆ)は最も古くからある共同浴場だ。1993年に改築されてまだ新しいが、ビバ(ひのき)造りの立派な共同浴場で、飯坂温泉のシンボルと言ってよいだろう。 鯖湖湯の前にはお地蔵さまがあり、隣りには大きな樽の形の貯湯塔がある。古くからの旅館が鯖湖湯を取り囲んでいて、このあたりは独特の雰囲気がある。 ■所在地 福島県福島市飯坂町 TEL:024−542−2121 (パルセ飯坂) |
■印象 浴室はりっぱな御影石の浴槽がある。脱衣場と浴室の間の壁がない昔の形の共同浴場だ。浴槽にはお湯がふんだんに注がれている。透明で、かなり熱めのお湯だ。泉質は単純温泉、源泉の温度は51.4度である。 蛇口がないので浴槽からお湯を汲んで体を洗う。お客はほとんど常連らしい。「今日は遅いね。」などと挨拶している。景気の話や婚礼の話などが出る。温泉がふだんの生活の一部になっているのはうらやましい。 鯖湖湯前の喫茶店の駐車場に車を停めて、一風呂浴びてからお茶を飲む人もいるようだ。立派な建物だが、気取らない共同浴場だ。お勧めする。 |
■営業
■交通 |
■鯖湖湯の歴史 (鯖湖湯前の石碑から) 鯖湖湯の場所には記録のない古代から温泉があった。日本武尊(ヤマトタケル)が東征のときに左波子湯に浸かって病気を治したという伝説がある。 源義経の家来として有名な佐藤継信、忠信の兄弟は飯坂の旧称である信夫(しのぶ)の出身であった。兄弟の父佐藤基治は「湯の庄司」と呼ばれていて、温泉と関わりがあったことがうかがわれる。 鎌倉時代の末期から飯坂は湯治場としてにぎわい始めた。松尾芭蕉は江戸時代中期にここを訪れたとされている。 |
明治時代になって温泉の科学分析が行われラジウムが含まれることが発見された。これによって、ラジウム温泉として全国的に有名になった。 ■十綱橋 飯坂温泉の中央を流れる摺上川に十綱橋というレトロモダンな橋がある。 |
■ラジウム温泉玉子 飯坂名物のラジウム温泉玉子。味は普通のゆで卵です。風呂上がりに町の中をぶらぶらしながら食べるのにちょうどよい。 |