ものづくり ウクレレ編 パイナップルウクレレのボディーの製作

側板を熱で曲げる
 前回,紹介した材料で,この夏,ウクレレ作りをいよいよ開始しました。1作目は全音のウクレレキットを使用したため,側板はすでに曲げられた状態でした。従って,唯一経験していない作業が,この側板の整形です。
 まず,製材した材料でこの作業を行ったところ,見事に失敗しました。原因は板の目切れです。側板の「こば面」を見ると,繊維が斜めになっていてつながっていません。これでは曲げたときに折れてしまうのは当然です。そこで,繊維がまっすぐにつながっている材で側板を製材して再チャレンジです。
 まず,側板を水に浸しておきます。次に,普通のアイロンで雄型に沿って曲げていきます。木材は80度くらいの熱で,変形するそうですので,家庭用のアイロンでも十分です。大まかに形を作ったら,次にヘアカーラーで雌型に沿って曲げて,形を整えます。今度は,熱で曲げても,木は折れませんでした。

製材の終わったボディー材料 アイロンで雄型に沿って曲げる ヘアカーラーで雌型に沿って曲げる

側板を整える
 側板が安定したら,次はブロック材の接着です。私は,まずブリッジ側のブロック材を接着してから,ネック側のブロック材を接着しました。続いて,再び木型にもどし,ライニング材を接着します。ライニング材はホームセンターで購入した3mm×3mmのマホガニーの角材を用いました。この角材も,目切れをしているものは折れていまいますので,購入時にはいい材料を選ぶ必要があります。

ブロック材を接着 型にはめてライニングを接着

表板を接着
 ライニングの接着剤の乾燥を待っている間に,表板を加工します。まず,サウンドホールですが,今回はホールソウを使いました。特に大きな問題もなく,穴を開けることができました。そして,表板に力木とブリッジの補強材を接着します。ブリッジの補強材は補強の役目と同時に音を表板に伝える役目もあるということです。形状や大きさは今後研究の余地がありそうです。最後に,側板と表板を接着しました。ゴム紐を使って圧着しました。

ホールソーでサウンドホールを開ける ブリッジの裏板の接着 ゴム紐で圧着

裏板を接着し完成
 最後に,裏板の接着です。力木はハワイのウクレレに準じ,1本としてあります。裏板の力木にはアールを付けて,裏板がふくらむようにしています。こうすることで,木が割れにくくなるということを本で読んだことがあります。接着剤が乾いたらトリマーで余分な材を削ります。使用したビットには上にベアリングがついていて,側板よりも深く削れないようになっています。これを使うと,簡単に形を整えることができます。

いよいよ裏板を接着 トリマーで余分な板を削る 製作の終わったボディー

いよいよ次はネックの製作(近日公開) 

 ボディーができたところで,次はネックの製作です。試行錯誤しながら,頑張っています。