パイナップルウクレレを作る

満を持してウクレレ2号機の製作を開始
 ウクレレキットは作ったものの,最近どうも満足がいきません。キットを作った当初,私が所有していて,参考にしたのがFamousのFC−1というモデルでした。それと,全音のウクレレ・キット自体が当時の最高の参考資料だったわけです。しかし,ウクレレにのめり込むにつれて,それが私の求めているウクレレの形とはちょっと違うということが,他社のウクレレを見たり,所有してみて分かりました。これまで,ホームページの更新を相当怠っていたのは,ウクレレの構想に時間を割いていたからなのです。(言い訳です)
 まず,自分の目指しているウクレレは,ハワイ音色のするウクレレ。例えば,私の所有しているアプローズ・UA22はトップ材がフレイムド・メイプルで,その響きはギター的です。これが同じアプローズのUAE20−4Kとなると,トップ材がコアで,音が丸くなります。そして,初めて買ったハワイ製ウクレレ,コア材のカマカのHF-1はもっと響いて音が転がります。マホガニー材の全音のウクレレ・キットにそれを求めるのは酷ですが,そんな音のするウクレレを目指すための,今回は習作です。

ウクレレの研究資料
 まず,研究資料としたのは,ハワイを代表するメーカであるカマカのHF-1と,コアロハのスタンダードのパイナップル形です。同じハワイ製でコア材を採用していながら,その構造は非常に対照的です。カマカがウクレレの伝統を引き継いで今日があるとするならば,コアロハは革新的です。どちらの工法を参考にするか,それはかなりの悩みどころです。

カマカ コアロハ ウクレレ・マム


mumとは菊の意味です。私の作るオリジナル・ウクレレの内側に貼るラベルとして考えました。
表面板,裏面板 表面板,裏面板ともブックマッチの板を中央で貼って1枚の板にしている。 1枚板を使用している。 1枚板を使用したいと思います。
ブレージング(力木)の位置 表面板のサウンドホールの前後に1本ずつある。
裏面板は表面板のブリッジ側の力木と平行に1本ある。
表面板のサウンドホールのネック側に1本ある。サウンドホールのブリッジ側は板に楕円の穴が空いた形状で裏面板の力木と一体である。 全音のキットはマーチンのタイプでしたが,今回はカマカのタイプを取りたいと思います。
カーフィング材(付木) ギターに見られるような,のこぎりで細かい切り込みを入れた形のものを採用。 無し。本当に強度が保てるのか不思議。 がっしりしたものを付けると響きが悪くなるような気もします。
エッジ 角張っている。 どの面も,きれいに面取りがなされている。 丸みがある方が弾きやすいのでコアロハ式でいきます。
裏面板の反り 前後にも,左右にも反りがつけられている。 平面で反りはない。 家内制手工業ですから,手の込んだカマカの方式を選びます。
ブリッジの接合 接着のみ。 接着後木ネジで止めている。ブリッジの左右の白い点は,木ネジをかくすためのもの。 丈夫さを考えれば,コアロハ式か。
ネックの接合 どこかのホームページでアリ継ぎをしていたのを見たことがあるように記憶しているが,定かではない。 確認はとれていないが,工場見学をした人のホームページによれば,接着しただけとか。本当に強度が出せるのか? ネックはしっかり着けたいので,カマカの方を選びます。
指板 ローズウッドの指板にフレッドを打ち込んである。 コア材の指板にフレッドを打ち込み,その左右に木が貼ってある?ので持ちやすい。 持ちやすいコアロハ式にしたいです。
ネックのヘッド ネックのヘッドには化粧板が貼られ,それがナットを押さえる役目もしている。KKのインレイが施されている。 化粧板は付かない。形状は非常に複雑。 きれいに作るなら,カマカの方式の方がいいです。

 というわけで,いいとこ取りのウクレレができればと思います。

参考文献など
●今回,構造や材質で参考になったのは,関口和之著の「ウクレレ大図鑑」です。また,カマカやコアロハの工場見学としてはエイムックの「丸ごと一冊ウクレレ」が参考となりました。

ウクレレの製作過程

その1 材料を集める

その2 ボディーの製作


その3 指板とネックの製作(近日公開)

その4 組み立てと塗装(近日公開)