ウクレレのサドルの調整

 新たに購入したアプローズのUAE20−4Kですが,音ビレ(ブレ)がします。音ビレとは演奏時に弦が微妙にフレットに接触していることから発生するもので,弦高の低さが主な原因です。でも,こんなことでへこたれていてはウクレレ作りを趣味にしようとしている人間とは言えません。ということで,ウクレレのメンテナンスを開始しました。

 左はUA22−8TYです。UA22との違いは表板の材質と塗装仕上げ,ヘッドの仕上げといったところです。
 右はUAE20-4Kです。表板がコア材でできていて,マイクを内蔵しています。

アプローズのUAE20−4Kをゲット
 ウクレレの腕は一向に上達しないのに,ピックアップ付きのウクレレを欲しがる無謀な私の前にヤフーオークションからの誘惑が・・・。ということでアプローズのUAE20−4Kを落札してしまいました。基本仕様はアプローズのUA20と変わらないのですが,ピエゾマイクがサドルの下に付き,ウクレレを構えたときにボディーの上にくる部分にボリュームとトーンのつまみが,斜め下にアンプにつなぐためのジャックが付くというのが大きな違いです。さらにボディーの表板はコア材を使用したということで,どんな音かと期待していたのですが,以前から所有していたUA22−8TY(表板はフレイムメイプル)と少し違うが,かなり似ている音でした。結局このウクレレの音作りに大きな影響を及ぼしているのは表板の材質ではなくてラウンドバックのボディーということなのでしょう。

ところが・・・
 オークションで買うということは値段は少し安くなるものの,試奏ができないというのが最大のネックです。残念ながらこのウクレレは開放弦では問題ないものの,2フレットや3フレットを指で押さえると音ビレ(ブレ)がします。原因は,例えば2フレットを指で押さえて,その弦をはじいたときに,3フレットに弦が軽くさわってしまうためです。
 音ビレはテンションの高い弦を張ると直ることもあるようなので,手元にあった黒弦を張ってみましたが,解消はされませんでした。でもこんなことでめげていてはウクレレビルダーを目指す人間としては,恥ずかしい限りです。早速,ウクレレのサドルの調整を実行しました。

サドルを外したところ。中にはピエゾ
マイクが仕込まれている。

サドルの調整と製作
 この音ビレを防ぐ方法としては弦高を高くするということが考えられます。まず,手始めに弦をはずします。アプローズのサドルはブリッジの溝に差し込まれているだけなので簡単にはずすことができます。サドルの下にはピエゾマイクが仕組まれていました。とりあえずマイクの下に0.5mmのプラ板を敷いてマイクとサドルを元に戻して弦を張ってみました。それでも音ビレは解消しません。根本的にサドルを作り直す必要があります。
 サドルの材料はミュージックプラントつくば店で購入したギター用のサドルです。牛骨製の厚さ2.7mmのサドルが丁度いいようです。ウクレレに最初に付いていたサドルはマイクの接触面に凹凸があります。この凹凸を刻むべきかお店の人に相談したところ,平らでも大丈夫ということでしたので,マイクとの接触面は平らのままにしてあります。弦と触れる面の方は,元のサドルを参考に加工しました。
 とりあえず,サドルの形は整いましたがこのままでは弦高が高く,弦が押さえにくいので,音ビレに注意しながらサドルの下面を削っていきます。この作業は,紙ヤスリで行いました。弦が押さえやすく,音ビレもしないという高さを見つけるのは素人の私にはちょっと難しい作業でした。結局,削っては確かめ,削っては確かめということで,音ビレが無く弦も押さえやすいという妥協点を見つけるしかありませんでした。

下は元々付いていたサドル。マイクと
の接触面にくぼみがある。上は牛骨の
板。これを削ってサドルを作る。
万力にサドルをはさんで削っていると
ころ。

終わりに
 とりあえず調整も無事終わり,アンプにつないだりして楽しんでいます。しかし,このウクレレは重いです。UA22−8TYの時にも感じたのですが,マイク等が内蔵されている分さらに重いです。それから,他のアプロ−ズのウクレレにも言えることですが,ネックの厚みがありすぎるという感じもします。それらに慣れてしまえば,ギター式のペグを使っている分チューニングはしやすいという長所があります。