地域の環境を考える活動

はじめに
 我が家では、1994年頃から身の回りの生活廃材(ゴミ)・廃水問題について関心を持ち始め、
日常の暮らしが、自然環境に対してより”ローインパクト”な生活となるよう心がけるようになりました。
合成洗剤の使用を一切中止し、すべてにおいて環境にやさしい100%天然せっけんを使うとか、
油ものは大部分を紙にしみこませて焼却処分し、直接台所から下水に流さないとか、
ささやかですが、身の回りの生活の中で出来ることから”ローインパクト”な生活を目指し、実践しています。

 そんな折、知人から勧められた、環境を考える市民団体「宇宙船地球号の会」の機関誌購読会員になりました。
「宇宙船地球号の会」は比較的新しい市民団体ですが、自然環境に関して幅広く精力的に活動しています。
季刊発行の機関誌も読みごたえがあり、「なるほどなるほど」と教えられることも多々あります。
ここでは、’98年事務局入り前に行った、私の「宇宙船地球号の会」での活動体験紹介します。

 ’98年以後の活動については、「宇宙船地球号の会」ホームページをご覧下さい。

活動履歴(文と写真)
1998/04/29:第12回ビーチクリーンアップin宮島
1997/11/02:「高校生のための環境講座」キャンプ実習in錦川
1997/10/12:第11回ビーチクリーンアップin宮島
1997/04/29:第10回ビーチクリーンアップin宮島・・「宇宙船地球号の会」による海岸ゴミの調査

〜 活動の紹介 〜
第12回ビーチクリーンアップin宮島
 「宇宙船地球号の会」主催のビーチクリーンアップin宮島に参加してきました。
晴天のもと、予定より多い40名近くが参加して、にぎやかに海岸ゴミの調査を行いました。
今回は、恒例の包が浦海岸に加えて、別の海岸についても参考のため海岸ゴミの調査を行いました。

 包が浦海岸は、管理事務所のある公園にあり、美観維持のため定期的に清掃が入ります。
このため、前回のクリーンアップで複数の会員から、
「定期的な清掃の入らない海岸でも調査する必要があるのでは?」との提案があり、
今回の実施となりました。

 定期的な清掃の入る包が浦でさえ、1時間もゴミを拾うと手持ちのゴミ袋は一杯になります。
植林と違って、人の捨てたゴミを見ていると、だんだんとイヤになってきます。
いつものようにゴミの数をカウントし、種類別に分けて記録してひとまず完了。

 午後から、参考データとして調査した別海岸の実態は、目を覆うばかりでした。
人が手で拾うというレベルのゴミだけではなく、重機を持ち込んで処理しなければならない
レベルのゴミも多数(言葉では言い尽くせません)ありました。
これが瀬戸内海の現実の姿なのかと思うと、悲しくなりました。

「高校生のための環境講座」キャンプ実習in錦川
 「宇宙船地球号の会」が主催する「高校生のための環境講座」キャンプ実習in錦川に参加しました。
参加者は、高校生の子どもたちが20名ばかりと、スタッフが7名でした。
5連アーチで有名な木造の錦帯橋のある、山口県岩国市郊外の錦川河畔にテントを張りました。
天気は両日とも快晴状態で昼間は暖かく、申し分なしでした。
現地到着後、各自が持参したお弁当の昼食を済ませ、キャンプ実習のプログラム開始です。
メインプログラムは、目の前を清らかに流れる錦川でのカヌーツアー体験です。
参加者&スタッフの人数とカヌーの艇数から、カヌーツアー体験は2日に分けて実施されました。
カヌーツアーにあぶれたグループは、岩国城登山に取り組みました。

 夕食は、河原の適当な石を集めてかまどを造り、薪をその場で割って燃料にしました。
時間の関係から、お米の炊飯のみ、かまどで炊き上げました。
割られた直後の薪は湿気を含んでおり、予め乾燥させておかないと着火しません。
このため、薪に火がつくまで相当時間を費やしました。
何とか火もつき、かまど番をしていた高校生の努力の甲斐もあって、おいしくご飯は炊けていました。
さすがに夜間ともなると冷え込むので、大鍋で炊いたキムチ鍋もおいしかったです。
夕食後は、星座観察プログラムを行いました。
担当のスタッフから、星についての話がクイズ形式でなされたり、
実際に星座盤を使って星の位置を確認したりしました。

 私は2日目にカヌーツアー組に同行しました。
日の出前は震えるような寒さでしたが、午前10時を回ると暖かな小春日和となりました。
担当のスタッフから子どもたちに諸注意があり、すぐに川に船を浮かべます。
流れが緩やかなので、各々すぐに漕げるようになりました。
私も子どもたちの後を追って船を出しました。
カヌーを漕ぎ始めてすぐに気がついたことは、川の水が本当にきれいなこと。
水深2〜3mの川底の様子もはっきりと見渡すことができます。
もちろん、あちらこちらで魚の遊泳も見えます。
緩やかな瀬では、水の存在を忘れて”空飛ぶじゅうたん”に乗っているような錯覚に陥りました。
ギャラリーの賑わう錦帯橋直下の小堰をパスすると、まもなくゴール。
子どもたちも(スタッフも)カヌーツアー体験には満足していました。

 1泊2日の短いキャンプ実習でしたが、この体験が都会生活に慣れた子どもたちにとって、
ささやかでも自然に向き合うきっかけになれたことを期待します。

第11回ビーチクリーンアップin宮島
 「宇宙船地球号の会」主催のビーチクリーンアップin宮島に参加してきました。
今回は、広島ホームテレビが主催している地球派宣言のイベントとのタイアップ行事でもありました。
また、「宇宙船地球号の会」の行事である「高校生のための環境講座」の1イベントでもあります。
30名ほどが参加して1時間、包ヶ浦の砂浜上のゴミ調査を行いました。

拾ったゴミは、全員で仕分けして各々をカウントします。
ここ宮島・包ヶ浦の特徴であるカキ養殖用パイプが大量に見つかった他、
相変わらず、たばこの吸い殻(フィルター)が目につきました。
前回(第11回)と比較して、レジンペレットが、かなり多く見られました。
レジンペレットは、直径2〜3mm程度のプラスチック球、円柱で、成形原料と考えられています。
鳥や水生生物が間違って捕食したりするので、原因の究明が急がれています。

高校生のための環境講座では、今日の成果をグラフにして発表用の資料としました。

第10回ビーチクリーンアップin宮島
 「宇宙船地球号の会」主催のビーチクリーンアップin宮島に参加するため、久しぶりに宮島に出かけました。
ビーチクリーンアップは、年2回(春秋)行われる海岸ゴミの調査(定点観測)のためのデータ収集活動です。
私は、こうした活動に参加するのが初めてなので、やや緊張しつつ集合地点に向かったのでした。

JR宮島口駅で下車し、まずはフェリーで対岸の宮島に渡ります。
調査場所は宮島の東海岸にあたる包が浦で、夏は海水浴やキャンプなどでにぎわう砂浜です。
ビーチクリーンアップは今回11回目で、今日は約20名の方々が参加しました。
簡単な自己紹介と準備運動ゲームの後、海岸ゴミ調査(収集)が始まりました。

遠目にはゴミの少ない海岸に見えましたが、足下をよく見ると様々な小さなゴミが散乱していました。
長さ約600m、幅約25mの砂浜すべてを限られた人数で調査することは不可能なので、
両手を広げた幅の範囲を中心に約1.5時間、ゴミ(人工物)を収集してゆきました。
収集は、世界共通の(とされている)収集方法に準拠します。

ゴミを拾い始めて気がついたのは、発泡スチロールの破片がとんでもなく多いこと。
同時に、直径約1.5cmの塩ビ・パイプも目につきました。
これらは、広島湾で養殖されているカキいかだの構成物で、他の地域と比べてこの地域の特徴であり、
意図して廃棄したものではなく、台風などの被害や経年変化によって漂流した可能性が高い、とのことです。
「宇宙船地球号の会」では、これらのデータを県の漁業関係団体に提示して、
いかだの構造や材質などを改良してもらうべく継続活動をしています。

その他には、やはりタバコの吸い殻が目につきました。
これは人の集う所どこでも見られるゴミで、喫煙者のモラル向上に訴える他に、
海岸もJRの駅ように喫煙場所を限定してゆく提案など、行われているそうです。

最近、2〜3mmほどのレジンペレット(プラスチック成形の原料)汚染が目立ち始めたとのこと。
まだ詳細な原因解明は出来ていないが、これにも注目して継続調査を続ける、とのことでした。

昼食後、それぞれが感想を述べ合い、事務局から説明を受け、解散。
せっかく宮島に来たので、厳島神社を詣でた後、帰宅しました。

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