6BM8シングルアンプ製作記

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

     

  1. いよいよ実際の加工です。シャーシーの加工には、電動ドリル、リーマー、ヤスリ大小、金鋸、ペンチ等を使用しました。最初の大まかな配置を決めました。部品の底面の大きさの厚紙を切り、シャーシーに貼り付けてから穴を開ける方法を取りました。一番難儀したのは、電源トランスの四角い穴と四隅のビス穴ですが、これは正確にあけないとビス穴がずれたら終わりです。四隅を電動ドリルで小さな穴開けて中心にも大きな穴を開け、金鋸で中央から放射上に切れ目を入れて対角線で折り取りました。真空管アンプ製作ガイド(MJ無線と実験編集部編)が大いに参考になりました。リーマーを使用した穴の加工作業は、グリグリと根気の作業で、穴の大きさを計測しながら徐々に拡大していけば、簡単に終わりました。作業は簡単ですが、板圧1.5ミリのアルミ板の加工作業にはそれなり時間を要し、主要部品の装着が可能になるまでに半日かかりました。背面には、RCAジャック2本とSP出力用のジョンソンプラグ2本、ヒューズホルダー、AC電源コードは、ソケットプラグ式でコードをいろいろと取り替えて音色の違いを楽しめる様にしました。入力は、1系統なので、キットの様な切り替えスイッチはありません。接点が少ないだけ、音は良い筈です。
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  3. 私の管球アンプは、配線は、シャーシーに直付けでは無く、穴あき基板を使用してほぼ、LRの回路図と電源回路図通りに部品を配置した基盤を2枚作りました。(回路図は、管球王国12を参照しました。キットの回路図は複雑で間違う可能性があるので、判りやすく書き下ろしてくれていて助かりました)出来合いの基盤ではないので当然、裏面をリード線を使用して配線してあります。基盤の作成は、キットのプリント基板とは異なり手間がかかります。また、2本の真空管へは、基盤からリード線でソケットに接続するので、くれぐれも間違わないように、リード線には真空管のL1、L2、R1、R2と言うふうに番号を打ったラベルを貼り付けました。こうしたら、配線作業も簡単になります。リード線は、後の接続作業の際に支障にならない様に最小限の長さにします。
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  5. 基盤が完成したら、トランスや、端子類と接続した後でネジ穴が切ってある20ミリほどのスペーサーでシャーシに取りつけます。穴は予め基盤の大きさにもとづいてシャーシ加工の際に開けておきます。
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  7. ここで問題なのは、電源トランスの仕様の違いです。通常の電源回路でしたら、200Vの2本の端子を電源回路に接続し、CTからアース線をとりますが、ダイオード整流の上に、回路のアースの取り方は一般と変わっているので、注意が必要です。200Vの端子1本をダイオードの〜側にDC100MAをアース側に接続します。また、ヒータ用の6.3Vは、ソケットの4、5番PINに接続する所まで同じですが、アースを直接、落としては駄目です。なぜならば、この回路では、ヒータからの雑音を防止する為にDCバイアスをかけているからです。2本分の6.3ボルトは、1対の端子から取りました。また、1方を基盤の2番PINへのリード線につながるAポイントに接続します。(回路図参照)
  8. 上記の対応法を発見するのが遅れたので、一度、220オーム、3Wの抵抗が焼け切れました。また、6BM8も1本にダメージを与えてしまいました。しかし、電源トランスの仕様に基づいた接続法が判明してから後は、比較的、順調に行きました。音だしテストを行ったら、ボリュームを最低にしたら酷い雑音が出ます。接続をチェックしたら、出力トランスの5K側と0との接続が左右逆になってました。(恐ろしく初歩的なミス)

 

 

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