死体は告発する  上野正彦  角川書店  ISBN4-04-340005-5
 (毒物殺人検証)                                  C0195  2001年8月14日完
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    随所で命の尊さを語りかける。
人間の強欲も著者によって炙り出される。例えば遺族の承諾なしに
勝手に解剖したのはけしからん、賠償金を払えと言うのである。
 この時解剖知たことによって妊娠していたことが分かったのである
が死亡診断書に母親と赤ちゃんの二人と書くのか、解剖の死亡
診断書で損害賠償を請求するなら、母親一人とかくのか、どちらの
診断書がほしいのですかと問い掛けると「先生ので結構です」と
あつけなく決着したというのである。
 勿論著者の言いたかったことは、まだこの世に生れてはいなかった
赤ちゃんも「同じ人間であるということ」であった。

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