霧の橋  乙川優三郎   講談社  ISNBN4-06-208549-6 C0093  2001年6月10日完


   第7回時代小説大賞受賞作と言う帯に書かれた案内は後で気がつ
いたし藤沢周平を想起させる、という文言もまたそうである。
  父親の仇を討っても結局事情により帰藩出来なかった。
   惣兵衛の様に偶然にでも商家の婿に迎えられるなどとは相当幸運
だったに違いない。しかし20数年を武士として生き、しかも命を賭けて
の仇討ちおも経験すれば、おいそれと武士の気質は抜けないのかもし
れない。
   大店の横暴に対抗するにはその気質をもあえて見せなければならな
かったのだ。妻には知られたくはなかったが........