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出世長屋 白石一郎 講談社 ISBN4-06-263332-9
C0193 2001年8月19日完 (十時半睡事件帖) 十時半睡の概略を解説「歳をとりはじめた十時半睡」を借りて極々簡単に記して みました。 本名 一右衛門 六十五歳 福岡藩五十二万石黒田家中八十石御馬回組の家に生れる 藩内のあらゆる奉行職を歴任 藩政の生き字引 六十二歳で引退 注)本人が望めば1ランク上への昇格で家禄も千石を超えた筈と言う 本人は六百石以上の加増を頑として拒否 引退する際四百石を返上して二百石を倅の弥七郎に譲った <さて現代ならどうだろうか? > (一年後)六十三歳で妻織江を亡くす 直後 再出仕を命ぜられ福岡藩の総目付役となる 注)藩の目付制度の改変で十人目付が生れたが統括するに足る人望の 高さに白羽の矢がたつ 親子づとめ原則禁じられているが半睡父子は異例である (倅)弥七郎は三十六歳 江戸詰、勘定方を経て御蔵奉行 妻 夏 この倅の不始末で総目付けを辞す [犬を飼う武士]の「弥七郎の恋」を読むと解ります(;^^ 再び江戸総目付となる。 半睡の江戸勤めは1790〜1830年の間のある年、というところまでしか分らない。 40年間もの幅があるのは「これまで半睡シリーズには、いっさい年代が出てこない」 ので解説者の植村修介氏が作品中の言動やほんの少しの手掛かりから推理した結果それで ここまで辿りついた様です。 半睡シリーズ[文庫版]を読むなら『包丁ざむらい』『観音幼女』『刀 犬を飼う武士』 『出世長屋』『おんな舟』の順がいいですね。 |