マンホール銀座調査(第2報)


調査日 平成10年8月23日

調査地 東京都世田谷区

色々と議論のあったマンホール銀座について実際に見てみる必要があるということで浅海さんに引き続いて現地調査を行なった。
最寄りの小田急祖師谷大蔵駅で下車早々にマンホールの異様な多さに圧倒される。これは、ほとんど全ての道に鋳鉄製の汚水桝が設置されているからである。

右に調査地域である砧3丁目付近の住宅案内板(上が東となっている)を示す(参考に上及び右に縮尺を貼り付けた)。
いわゆるマンホール銀座と言われているのは12,13,22、23番地の間に位置する東西の街路と思われる。
案内板の地図からは約220mあることになる。
この間のマンホールは85個であった。(交差点部のマンホールの数え方が浅海さんと異なったようだ)
若干の違いはあっても約2.5mに1個のマンホールが存在するのはかなり高密度である。




まず、マンホールの蓋の種類であるが、東京都の標準的なマンホール以外に鋳鉄製の汚水桝がある。
この地区は鋳鉄製の汚水桝が多く、3種類確認された。

上段左は55cmの桝で中央に東京都のマークが入っている。上段右は同様の格子模様であるが中央のマークが違う桝をアップしたものである。「汚」の字の周りに突起があり、東京都のマークをデザインした公共桝であることがわかる。この地区で最も多くある。右側の桝は最近東京都で採用している45cmの公共桝である。

以上より、砧3丁目においては、鋳鉄製の東京都の汚水公共桝が公道に設置してあるため、マンホールが多いと思われるのである。尚、下水道以外に上水道の排水室のマンホールもあった。

次にマンホールの配置であるが、桝から取付け管により下水道管へ接続する通常の接続方法が多いようである。
これは、マンホールが30〜40m間隔で設置されており、桝の並んでいる位置とマンホールの中心を結ぶラインが異なっていることから推測される。


以上より、マンホール銀座と呼ばれる地区は
1.公道上に下水桝を設置している。
2.下水桝が55cmの鋳鉄製であり、マンホールと形状が似ている。
3.住宅が密集している。
という条件によって、形成されたと言える。


しかし、まだ解決しない疑問がある。
下記の写真を見てもらいたい。
マンホールが多すぎる点と片側の桝が中央に寄り過ぎている点が不思議である。
マンホールが多いのは、分流式であるか(世田谷区は合流式の筈)、枝管と幹線の汚水管2本が埋設されていると思われる。
桝が中央に寄っているのは、下水道管敷設後に道路が片側に拡張されたのだろうか?


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