30000HIT記念

出会いの協奏曲

作:ブギー


 

 

……いい加減に空港につかないかしら?

クロだって…いつまでも荷物の中じゃ息が苦しいだろうし。

日本ってこんなに遠い国なのね……。

香澄…どんな子なんだろう?

迎えに来てくれるとかいってくれたけど……。

やはり文体から見ると大和撫子かな?

いきなり男性だったら……。

そのときはとりあえず蹴りをいれよう。

 

 

そう堅く決心して私は腕の封環をいじる。

日頃、考えごとをするときの癖である。

この封環は小さいときから付けているからもう体の一部ね。

さてと…少し寝ようかな……。

 

 

 

 

きっかけはあるメールだった。

日本からのメール。

文通してくださいみたいな感じで英語できていた。

どうしてドイツにまでやってきたのかわからない。

 

 

私の住んでいる場所はミュンヘン。

ドイツで一番強いサッカーチーム『バイエルン・ミュンヘン』がある街。

そこに私は住んでいる。

小さい頃からそこでサッカー観戦していた。

家族の影響というのもあったけどね。

 

メールが届いたときはびっくりした。

まさか日本という言葉がでてくるとはね。

おじいちゃんの祖国日本。

第二次世界大戦が終わってからドイツに移住してきたらしい。

そのためかな?

日本に興味があったのは。

W杯があるからという理由もあるけど。

 

で、そのメールの送り主。

名前は香澄という。名字はわからない。

ただ、流暢な英語の書いていて訳すのには困らないほどだ。

これが一年。

よく私が続いたなと我ながら思う。

今回、二人で会いたいと私のほうからいった。

日本への憧れ。そして香澄への興味からだった。

私はこうして夏休みを利用して日本に行く事になる。

 

 

 

スー「…ようやくついたわ」

スー「日本への時差は…約七時間?」

スー「……夜になっている」

スー「……ここが日本」

スー「場所は不明」

スー「とりあえずここでいいのよね……」

 

 

飛行機を乗り換えてついた場所。

猫ヶ崎市というところ。

以上に霊の波動が強い場所ね……。

特異点でもあるのかしら?

 

 

うろうろしてロビーをさまよう。

迎えに来るはずだけど……。

うーん……同じ顔に見えるのよね。

…サラリマーンがあちこち…勤勉ね。

 

 

迅雷「あんた……香澄の友達か?」

 

 

いきなり声をかけて来た男。

背が高い…熊のような男?

……香澄っていう言葉がでたけど。

 

 

スー「そうだけど」

迅雷「おおそうか、そうか!!」

迅雷「香澄!!ここにいたぞ!!」

スー「……?」

 

 

声をかけられて慌てて走ってきた女性。

…うわぁぁ……奇麗……。

黒い髪が……きらきらと……うっとりする。

 

 

香澄「……はじめまして」

スー「こ、こちらこそはじめまして」

香澄「私は天之川香澄です」

スー「私は音無スー。一応、日本人の血もあるのよ」

スー「あっついでに私のことはスーでいいわよ」

香澄「スーさんですね。では私のことは香澄とお呼びください」

スー「OK!!香澄ね」

 

 

 

なぜか吃ってしまう私。

うーん…なん調子が狂うな。

 

 

迅雷「…日本語喋れるのかよかったよかった」

スー「日本語、おじいちゃんから習っているから」

香澄「御上手ですね」

スー「えっ…はは」

スー「あなたの英語の文章も日本人とは思えないぐらい上手だし」

香澄「ありがとうございます」

 

 

……?

感情が希薄なのかな?

男の人は笑っているけど…あまり香澄は笑わない。

緊張しているからかな……。

 

 

スー「ところであなたは?」

迅雷「俺か?」

迅雷「影野迅雷。迅雷でいいぜ!!」

スー「わかったわ」

スー「で、香澄の恋人?」

迅雷「まぁ……そういうところ…かな?」

香澄「……」

スー「……まぁいいか」

スー「日本っていいところね……気に入った!!」

香澄「では私の家に行きましょう」

スー「ええ」

迅雷「なぁ何かドイツ語で話してくれないか?」

スー「……わかるの?」

迅雷「俺様なら」

スー「そうね……」

 

とりあえず簡単なやつ…。

あまり難しいのは作者も困るし。

 

 

スー「Guten Tag, Zinrai. Wie geht es Ihnen?」

迅雷「……元気だぞ」

スー「ふぅーん……さすが香澄の恋人ね」

香澄「迅雷さん…できたんですね……」

迅雷「…いや…できないと思っていた顔だな」

香澄「……ごめんなさい」

迅雷「いいってことよ。そんじゃ行きますか!!」

 

 

 

この男、香澄の代わりによく喋るわね……。

バスに乗って座席に座って思った事。

……なんか香澄の言葉を奪ったような感覚ね。

でも…この人は……暖かい。

力強さに……香澄を守ろうとしている力。

どれも一級品だわ。

 

 

迅雷「で、どうして二人はメールで会話していたんだ?」

スー「私も知りたいのよね…どうして私の所に来たのか」

香澄「……間違えて……送りました」

スー「……」

迅雷「……」

香澄「……本当は別の人とメールするつもりだったんです」

香澄「でも……紹介してくれたところが間違って」

スー「……偶然ということね」

迅雷「香澄…お前でも間違うことあるんだな」

香澄「!!」

 

 

香澄は迅雷の背中を叩く。

本当にいい感じの二人だな……。

……?

あらそういえば……?!

 

 

スー「いけない!!」

香澄「どうしたんですか?」

スー「クロ!!」

迅雷「クロ?」

スー「ごめんーーーーー!!」

 

 

バックからでてくる黒い物体。

一匹のネコだった。

名前はクロ。

縫いぐるみのようにして検問は突破。

私のペット兼……。

 

 

クロ「……ひどいにゃ!!」

クロ「忘れていたにゃ!!」

香澄「……喋っている?」

迅雷「……なんだ!?」

迅雷「まさかファミ○ア?!

 

 

スー「いや…ね、気持ちよさうに寝ていたし」

クロ「……?」

クロ「スー?この人達が香澄か?」

 

クロが尻尾で迅雷を指す。

迅雷はその尻尾に触り、クロを手元に寄せようとする。

でもクロはジャンプしてそれをかわす。

 

 

スー「香澄はこの人よ」

香澄「……」

クロ「にゃ!!はじめましてにゃ!!」

香澄「……は、はじめまして」

 

 

……やっぱりびっくりしている。

猫が喋るってびっくりするのは当然か……。

あら…迅雷はびっくりしていないみたいだわ。

 

 

迅雷「ふぅーん……使い魔かこいつ」

スー「……あらわかる?」

迅雷「まぁな」

スー「使い魔のクロ。私の分身ともいえるべき存在よ」

香澄「かわいい……」

 

 

喉をゴロゴロさせて遊んでいる香澄を見てぼぉーとする。

……絵になるな…うーん……そんな趣味ないのにな。

バスを降りてからとぼとぼと歩く。

私はクロを肩に乗せ、周りを見渡す。

 

 

クロ「……スー?」

スー「ええ……わかっているわ」

スー「この街……相当に霊が漂っている」

クロ「……近くに!!」

スー「来る!!」

迅雷「……ほぅ」

香澄「?」

 

 

弱い霊の集まりが私たちに集まってくる。

……私に惹かれてきた?!

 

 

迅雷「……雑魚ばっかりか」

迅雷「香澄……後ろにいろよ」

香澄「はい……」

迅雷「スー…だったか?力はあるんだろう」

スー「あなたもね」

迅雷「じゃぁ俺は香澄を守るから後は頼めるか?」

スー「OK!!」

 

 

まさかここで力を使うことになるなんて!!

やはり正義の道に休息はないようね。

 

 

クロ「……手伝おうかにゃ」

スー「いいえ!!ここは正義のために私が!!」

スー「悪行高き、悪霊!!」

スー「善良の人を殺める数々!!」

スー「この音無スーが許さない!!」

迅雷「いきなり口調が変わっているぞ……」

香澄「正義ヒーローみたいです」

スー「とおぅ!!」

 

 

悪霊に前に前転をして近くに行く。

ふっ…決まったわ。

やはりこれが正義の印なのよね……。

 

 

クロ「正義にひたるにゃ!!」

スー「くっ…いいところなのに」

迅雷「なぁ…あいつ……メールもこうだったのか?」

香澄「……いいえ」

 

 

私は左手に魔力を取り込むキーワードを集中させる。

 

 

スー「……【Mond】!!」

香澄「光?」

迅雷「月の光が集まっている?!」

 

 

月からのエネルギーを取り込み、腕に力がみなぎる。

そして片っ端から悪霊を蹴る、殴る、絞める。

これをひたすら繰り返す。

こうして悪霊は逃げていった。

 

 

スー「うーん…正義の行為に負けはなし!!」

スー「私に勝つなど百年早い!!」

クロ「……スー……御二人が冷たい目で見てるにゃ……」

迅雷「……」

香澄「……」

スー「……はは」

スー「さっレッツラGOよ!!」

迅雷「大変な奴を招待したな…香澄」

香澄「……そうですね」

 

 

 

私の日本滞在。

実はこれから長く続くことをこのときは知らなかった。

でも香澄と仲良くなったこと。

これは生涯の思い出となったのは言うまでもない。

とにかくこれが香澄と迅雷との出会いだった。

 

 


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後書き

 

30000HITおめでとうございます♪

とりあえずこのような小説でいかがでしょうか?

 

スー。日本上陸。

…きっかけはメールの送信間違い(笑)

私が書く香澄はこんなものです。

難しいですよ…香澄&迅雷は。

 

とりあえずスーは正義おたく。そして幽霊退治のプロ!!

これさえ覚えてくれれば大丈夫です(笑)

 

ではエルさん30000HITおめでとうございます!!

今度は50000HIT!!