★想い出の邦画ベストテン

異人たちとの夏

   「異人たちとの夏」  1988年松竹映画

   [監督]  大林宣彦
   [脚本]  市川森一

   [出演]  風間杜夫 秋吉久美子 片岡鶴太郎
        永島敏行 名取裕子

   おすすめ度 ★★★★★

何年か前の深夜に、TVで観たのが最初の出会いでした。思わず最後まで画面に釘付けだったことを覚えています。最後の方はオカルト映画っぽい仕上がりになっていますが、全編暖かい感じを受ける映画の一つです。オカルト映画なのか、人間ドラマなのか迷うところなんですがそれはどちらでもよくって、 何度も観たくなる映画の一つです。

特に主人公(風間杜夫)が通いつめてしまう両親の家での家族団欒のシーンが好きです。父親役の片岡鶴太郎の演技が、素朴で素晴らしい。また母親役の秋吉久美子も相変わらず綺麗で色っぽさを見せてくれます。

本当に不思議な映画です。大林宣彦監督といえば、「転校生」などが有名ですね。たしか昭和52年に「ハウス」を観た覚えがあります。これがデビュー作だったように記憶しているんですがいろいろと映像で遊ぶ監督だなって言う印象があります。この映画では完全に大林マジックにはまってしまいました。世間でのこの作品の評価はどうなんでしょうか?まーくんは好きな映画の一本です。
サード

   「サード」  1978年ATG映画 
  
   [監督]  東 陽一

   [出演]  永島敏行 吉田次昭 森下愛子
        片桐夕子 志方亜紀子 島倉千代子

   おすすめ度 ★★★★★

「ドカベン」という映画でデビューし、確かこの作品が2作目だったように思います。永島敏行のナチュラルな演技は今も変わっていません。もう20年以上も前の映画なのに、今でも鮮明に記憶しています。寺山修司が脚本を書いてたんですね。懐かしい映画です。

1978年度キネマ旬報ベストテン邦画部門で第一位だったんですね。日本アート・シアター・ギルド(ATG)の作品はよく観ていましたが、何か屈折した青春を描いた映画が多かったように覚えています。当時まーくんも大学受験などで多感な青春時代でしたので共感できる部分が多かったのではないでしょうか?

「あなたが好きな日本映画」ってテーマになると必ず思い出す映画です。

幸福の黄色いハンカチ

   「幸福の黄色いハンカチ」  1977年松竹映画

   [監督] 山田洋次
   [出演] 高倉 健 武田鉄矢 倍賞千恵子 桃井かおり


   おすすめ度 ★★★★★

ネタばれになってしまいますが、もうご存知の方も多いと思いますので書いてしまいますが、やはり最後に黄色いハンカチが画面いっぱいに見えるラストシーンは素敵です。そして戸惑いながらも妻(倍賞千恵子)のもとに歩み寄る夫(高倉健)・・・・。

確か北海道に旅行したとき、この映画のロケ地になった夕張を訪れた記憶があります。場所なんてはっきりわからなかったんですが、車で走り回ってあの「幸せの黄色いハンカチ」に出てくる場所を探した覚えがあります。映画のラストで素敵な場面に出くわして何かすがすがしい気持ちになった武田鉄矢と桃井かおりの若い二人の気持ちを味わいたかったんでしょう。

実際に黄色いハンカチが掲げてあったり、映画で使用した赤い車が展示してあったり、高倉健と倍賞千恵子の人形が展示してあったりするそうですね。残念ながらまーくんは見ていませんが、今でも多くの人が訪れているそうです。
天国と地獄

   「天国と地獄」  1963年東宝映画 
  
   [監督]  黒澤 明

   [出演]  仲代達矢 三船敏郎 山崎努 香川京子


   おすすめ度 ★★★★★

黒澤映画はあまり観ていないです。でも何故かこの映画は映画館に見に行ったんです。どうしてなのかなあ?「生きる」とか「羅生門」とか「七人の侍」など他にも名作はありますが、この作品もどうしても捨てがたい作品です。

犯人役の山崎努が迫力モノでした。それぞれの役ごとに抱えているいろいろな事情が細かく描かれていて非常に丁寧な作品だったと思いますが、そのストーリー運びやカメラワークなど斬新で大迫力でした。

煙突からピンクの煙が出たときの感動といったら今でも忘れません。この作品は娯楽作品の部類に入るようですが、まーくんにとっては素晴らしいヒューマンドラマで、黒澤映画の入り口になっています。
祭りの準備

   「祭りの準備」  1975年ATG映画

   [監督]  黒木和雄
 
   [出演]  江藤潤 原田芳雄 竹下景子 馬淵晴子

   おすすめ度 ★★★★★

この映画のラストはどうなったんだっけ?たしか竹下景子のヌードが見えるって言うから勇んで観に行った記憶がある。でも吹き替えだったっていう噂もあるよね。そんな不謹慎な理由でこの映画を観に行ったんだあ。

高知県四万十川流域の町に暮らす信用金庫勤務、シナリオ作家志望の青年(江藤潤)が主人公。女好きの父、犯罪に走る友人らとの人間関係に悩みながら、幼なじみ(竹下景子)との恋にも失敗、青春を精算しようと、母までも裏切って上京する。ひとり寂しく旅立つ彼を、犯罪を犯して逃亡中の隣家の遊び人(原田芳雄)が励まし見送るラストシーン、そうそう思い出した。なんとも良かったなあ!

25年以上前の映画なんだけど、今観てもきっと色あせていないだろうね。今の若者にも絶対支持される映画でしょう。たしかに日本映画の歴史に残る名作ですね。

鉄道員

   「鉄道員」  1999年東映映画

   [監督]  降旗康男
 
   [出演]  高倉健 大竹しのぶ 広末涼子 吉岡秀隆 安藤政信
        志村けん 奈良岡朋子 田中好子 小林稔侍

   おすすめ度 ★★★★★

不覚にも思わず泣いてしまいました。ヒットした映画だったけど全然前情報を入れずにビデオで観たのですが、最高にいい映画でした。これは観てよかったなあと思った映画です。

健さんと、駅に時々たずねてくる少女(広末涼子)とのやりとり(もちろん映画の中で重要な部分なんですが)に思わず健さんに感情移入して、涙があふれてしまいました。広末結構いけるじゃんか!って思いました。可愛かったよね。

志村けんも良かったですね。最近小林稔侍がいろいろ他に露出しすぎてて、映画の役以外の色が見えてしまってた傾向があるんですが 、志村けんも同じなのに全然それを感じさせませんでした。他の批評サイトでも志村けんの支持は多いみたいですね。この「鉄道員」静かな静かな物語でした。秀作です

八甲田山

   「八甲田山」  1977年東宝映画

   [監督]  森谷司郎
 
   [出演]  
高倉健 北大路欣也 加山雄三 三国連太郎 森田健作
       
秋吉久美子 緒方拳 栗原小巻 加賀まりこ

   おすすめ度 ★★★★★

明治35年「白い地獄」と恐れられた真冬の八甲田山で行軍訓練を行った青森第5連隊と弘前第31連隊の姿を描くオールスターキャストの大作です。でも大作負けしていません。

今でもこれだけの俳優が出ている映画はなかなかありませんが、当時は大作ブームでオールスターキャストの話題性のある映画が多かったように記憶しています。健さんに北大路欣也、若大将にスーさんや吉川君じゃなかったこうじぃ(笠智衆のおじいちゃんに呼ばれるおれは男だ!の森田健作)に緒方の拳さんなど、まさに映画ならではのオールスターキャストでした。

撮影が本当に大変だったと聞いています。あの木村大作です。
美しいスクリーンから極寒の八甲田の雰囲気が良く伝わってきました。結局、この雪中行軍の経験はなにも意味がなかったという結末が、とても空しいものでした。

帰らざる日々

   「帰らざる日々」  1978年日活映画

   [監督]  藤田敏八

   [出演]  江藤潤 永島敏行 竹田かほり 根岸季衣 
        草薙幸二郎 小松方正 中尾彬 吉行和子
        朝丘雪路 中村敦夫 浅野真弓

   おすすめ度 ★★★★★

あの江藤潤と永島敏行が共演、脇をくせのある俳優陣が固めるという素晴らしいキャスティング、そして音楽をアリスが担当となれば、これは観たい映画ですよね。

まーくんとしては「サード」や「祭りの準備」などと並んで思い出深い作品です。長野県の飯田市が舞台だったと思いますが、上の2作品よりも鮮明にストーリーを覚えています。そういえばこの映画で根岸季衣のファンになったような気がします。

当時学校で、放課になると決まって、この「帰らざる日々」の一シーンの真似を級友達の前で披露していたのが思い出されます。♪最後の電話を握り締めて・・・・♪と歌いながら永島敏行の真似をして坂を走って上る格好をして・・・・。懐かしいなあ!飽きるまで何日もやってましたっけ。

月はどっちに出ている

   「月はどっちに出ている」  1993年シネカノン映画

   [監督]  崔 洋一

   [出演]  岸谷五朗 ルビー・モレノ 絵沢萌子
        小木茂光 有薗芳記
        萩原聖人 古尾谷雅人

   おすすめ度 ★★★★★

この映画も不思議な魅力を持っています。1993年第67回のキネマ旬報ベストテンの第一位です。業界でも評価された作品なんですね。

この映画は、在日コリアンへの差別とかいった問題を取り上げているのではなく「いろいろあるけど、どっこい俺たちゃ生きている」在日コリアンの日常を描いた「放送禁止用語と差別用語が飛び交う痛快娯楽作」なのである。といった記事を見たことがありますが、そうなんですね。岸谷五朗とルビー・モレノが決して力を入れすぎず好演している作品です。でもルビー・モレノのヌードが見れちゃってちょっぴり嬉しかった。(オイオイ!)

このあとの「東京デラックス」も、崔洋一監督と岸谷五朗のコンビで面白い映画になってたましたけど、一連のこのコンビの作品はなにか無国籍な雰囲気で今までの日本映画とは違った雰囲気を、かもし出してて結構好きですね。

新幹線大爆破

   「新幹線大爆破」  1975年東映映画

   [監督]  佐藤純弥

   [出演]  高倉健 山本圭 織田あきら 宇津井健 千葉真一
        宇都宮雅代 田中邦衛 小林稔侍 志村喬 渡辺文雄
        竜雷太 丹波哲郎 志穂美悦子 多岐川裕美


   おすすめ度 ★★★★★

うーん。そんなに特別感動する映画ではないんですが、ベストテンにランクインしました。千葉ちゃんの新幹線の運転士がカッコ良すぎで違和感があるんだけど・・・・。

高倉健や山本圭、織田あきらら犯人がお互いからむシーンがなんとなく昔の日本映画って感じでいいんです。犯人それぞれの事情が描かれているときのスクリーンの雰囲気が抜群です。そういえば「動脈列島」なんていう同じ新幹線モノもありましたね。あちらは近藤正臣が良かった。

新幹線の走っているシーンは子供だましになりがちなんですが・・・・。当時の国鉄があんまり協力してくれなかったらしく(新幹線を爆破するって言う話だからかな?)新幹線の描写シーンはちょっとちゃっちかったのが残念。

高倉健がストップモーションになるあのラストシーンはいいな。日本映画も捨てたものじゃありません。この映画は海外でもヒットしたんですってね。もう一回CGを駆使してリメイクしたらどうでしょうか?全体的に点数高い作品です。


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