マチコの、黒部・アルペンルートの旅
レポート : 折原 マチコ

立山駅からケーブルカーで、いっきに急勾配を昇って行きます。
新緑が美しく、やがてトンネルの中へ...
立山ケーブルカー/約1.3km。
美女平まで、約7分
美女平から、立山高原バスに乗り、いよいよ標高2450メートルの室堂へ向
かいます。ボスは、職場の仲間と4人連れで、先頭のバスに乗りました。私たち3人
は、次のバスで、だいぶ間隔を空けて登って行きます。
「枝折!雪よ、雪!林の中が雪よ!」マチコが、バスの窓を指差して言った。
「うん、」枝折は、登山帽子のてっぺんを押さえながら言った。「空気がだんだん冷た
くなってきたわね」
「昨日のトロッコ電車は、本当に寒かったよなあ...」後ろの席で、津田が言った。「
風邪をひきそうになったぜ」
「トロッコ電車は、秋の紅葉の方がいいんじゃないかしら」枝折が言った。
「秋も来れるかしら?」マチコが言った。「夏美たちも来れれば良かったのにね」
「うむ。New Office
の方が頑張ってくれれば、秋も来れるさ」
「そしたら、みんなで一緒に来れるわね」
「ああ、」
津田さんは、デジタル・カメラを窓に向け、適当にシャッターを切っていきます。フ
ァインダーではなく、ディスプレイでシャッターを切って行くので、一瞬で画像を決定で
きます。でも、デジタル・カメラは、画像をメモリーに記憶している間、次のセットまで
数秒間待たなければなりません。つまり、速写性に欠けるのです。それで、津田さ
んは、盛んにボヤいていました。
「ま、いずれ技術的に克服して行くにしてもだ...うーむ...当面の問題として、連
写できないのはなあ...」
「新しいデジタル・カメラだと、どうなのかしら?」マチコが聞いた。
「最近は200万画素なんてのもあるようだ。CPUも高性能ものもを搭載しているん
だろうな」
(津田のデジタル・カメラは、
EPSON/CP−500/81万画素)
称名滝のビュー・ポイントで、バスが一時停止しました。
うーん...日本一の落差のある3段滝です。
山の分水嶺から、滑滝が切れこんでいて、壮観です。
まだ、滝筋に、残雪らしいものが見えます。
ここは、カメラより双眼鏡の方がよさそう...
ここからさらに登って行くと、舗装道路の周囲に残雪が多くなってきました。四方
に、雪をかぶった北アルプスの山々が現れてきます。まさに冬山の風景です。津田
さんが、黙々と、日本の屋根といわれる山々をカメラに収めています。

弥陀 ケ 原、天狗平あたりまで来ると、まだスキーのできる雪の大パノラマの風景
になりました。最後に、室堂に近いあたりで、写真で見た雪壁の深い回廊を通り抜
けました。
室堂のターミナルは、かなりの人でごった返していました。
まるで、東京の朝の通勤駅のようです。
うーん、ヨイショ、ヨイショ...
ようやく、雪の上へ飛び出しました...
陽射が強く、白い雪が眩しい...
「うわーい!」マチコが言った。
「あれが立山かしら!」枝折が言った。
「オーッ、あれが立山だ!」津田は、間近に迫った立山にカメラを向けた。

< 立山 >
さあ、室堂から大観峰まで、立山の中のトンネルを抜けます。
立山トンネルバスで、3.6km/約10分。
ようやく、黒部ダムでせき止められた黒部湖が眼下に見えました。

黒部湖/右手前にロープウェイの黒いケーブル 大観峰から眺める左手の方の山
尖った山は、鹿島槍ヶ岳でしょうか?

大観峰〜黒部平間の立山ロープウェイ ロープウェイの中から撮った1枚

黒部平から黒部湖までは、黒部ケーブルカーで、トンネルの中を下ります。
0.8km/約5分。

黒部ダムのアーチの一部 アーチ型ダムの上/左側が黒部湖、右側が枯れた深い谷

ブロンズ像 ブロンズ像の右手にある矢印標識
上の矢印が名古屋、真中が東京、下が大阪
ここで、お茶の入っていたペットボトルに、黒部の清水を詰めました。
冷たくて、とてもおいしい清水です。
黒部ダムからは、トローリーバスで扇沢まで下りました。
ここもずっとトンネルです。
扇沢では、すでに近畿日本ツーリストのバスが待っていました。
ここから帰路になります。
句 集(2)黒部・アルペンルート
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