文芸 文芸・ロビーお正月初顔合わせ

                                                               【文 芸・ロ ビ ー】

                      お正月初顔合わせ     

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  トップページHot SpotMenu最新のアップロード/                           担当 :   星野   支折  

 

                                                                  (1999.1.7)

    wpe12.jpg (25519 バイト)  お正月・初顔合わせ wpe12.jpg (25519 バイト)  

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    里中響子と星野支折は、白いエプロンをつけていた。

「あら、いらっしゃい!」里中響子が、火鉢の中の餅をひっくり返しながら言った。

「手伝ってよ、二人とも」支折がおせち料理の重箱を運びながら言った。「どこにいた

のよ?」

「ショッピングの方にいたのよ」夏美が言った。「ちょっと手が離せなかったの」

「そう」

「ボスも来るの?」マチコが聞いた。

「ええ。今行くって言ってたから、」

「ふーん、久しぶりねえ。お年玉は何かしら」

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 ハイパーリンクのゲートから、塾長の高杉光一とMyWeeklyJournal の津田真が

一緒に入ってきた。

「よう、ポン助、元気か?」高杉は、狸のポン助の頭をひと撫でした。

「おう、」ポン助は大きなシッポを揺らし、高杉を見上げた。

 高杉は、もう一度頭を撫で回した。なかなかいい毛並をしている。

「あんまり飲みすぎるんじゃねえぞ」津田が、ポン助の黒い鼻を突ついた。

「鍛え方が違うわい!」ポン助は、目を寄せ、津田を見上げた。

「おう、そいつは立派だ」津田は言った。

「ま、ほどほどにしておけよ」高杉が言った。

 二人は、囲炉裏端の方へ上がった。津田は、半開きの障子をカタンと全部開いた。

それから高杉と同じように、囲炉裏端であぐらをかき、ポケットからタバコの箱を取り

出した。

「一本どうですか?」

「うむ...」高杉は、手を伸ばし、津田の差し出す箱から一本抜いた。「タバコという

のは、完全に止めるのは難しいものだな」

「ま、人それぞれでしょう」

「ふむ、」高杉は、囲炉裏の中の薪を一本掴み取り、タバコの先に火を移した。

「それにしても、洒落たロビーを作ったものですな」

「ああ」高杉は、笑ってまわりを見回した。「よくも、こんなものを揃えたものだ」

 

 Inner Story の中西卓と大川慶三郎が、会議室の評論家二人と一緒にやってき

た。そして、すぐ後から、ボスの岡田と写真コーナーの秋場五郎が入ってきた。

 

「支折、みんなそろったみたいだぞ」ポン助が、座卓におせち料理を並べている彼女

に言った。

「もう少しよ」響子が言った。「みんな、早く来たわね」

「ポンちゃん、樽酒を持ってきてちょうだい」支折が言った。

「二つよ」

「ああ、」

「大丈夫?」

「何とか持てるさ。酒だったらよう」

「そ、」

「ヨッ、」と、マチコが、ポン助のシッポをかるく蹴飛ばした。

「ヤイ!マチコ!」ポン助が追いかけた。

「ポンちゃん!」支折がたしなめた。

「ああ。マチコ、覚えとけ!」ポン助は、樽酒を取りに行った。

 

 夏美が、囲炉裏の方にやってきて聞いた。

「ボス New Office はいつから始まるんですか?」

「ああ、すぐにだ。出来次第だ」

「ボス、オフィスのデザインだけど、響子さんに頼んでいいですか、」

「私が進めたの」マチコが言った。

「なるほど、ふむ。おーい、響子!New Office のデザインを頼めるか?」

「ええ。いいですよ。ただ、会議室の方がだいぶ遅れてますけど」

「分かってる。ともかく、New Office が先だ」

「はーい!」

 岡田は、津田の差し出すタバコを1本もらった。夏美が、ライターで火をつけた。

「高杉、」岡田は、タバコの煙を吐いてから言った。「“36億年の彼”が、遅れている

な」

「ええ。今月中には軌道に乗ると思います。正月休で、時間はあったんですが、なか

なか、」

「うむ。いったんブランクができてしまうと、難しいただろうな」

「ええ。そして、難しいテーマです。時間はかかっても、いいものを書こうと思っていま

す」

「うむ。そうしてくれ」

 

 向こうで、何度もカメラのフラッシュが光った。秋場五郎が、ポン助の写真を撮って

いる。

「さあ、皆さん、準備ができましたわ!」里中響子が囲炉裏の方へやってきて言っ

た。「こちらへどうぞ!」