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玉音放送/昭和20年8月15日.../あの日の思いを、再び...>
「私は戦後生まれの人間であり、昭和20年8月15日の記憶はありません。しかし、
ジリジリと暑い、あの夏の日の“玉音放送”の話は、何度も聞いています...
その前に、8月6日には、広島に人類史上初の原子爆弾が投下され...8月9日
には、長崎にも2発目の原子爆弾が投下されています...
昭和天皇が、国民に直接ラジオで語りかけられた“玉音放送”は、それから6日
後の、8月15日でした...
“耐えがたきを耐え、忍びがたきを忍び...”
...で始まる、戦争終結の宣言です...」
「私たちは今、あの敗戦の日を再び思い起こし、国家再建にかけるべき時ではない
でしょうか。焼け野原から、経済大国、技術大国を作り上げたのは、今は亡き大先輩
の世代でした。そして、まさに、まだ戦後の闇市を知る世代、“現在の長老世代”が、
再び日本を未曾有の大混乱に導いたわけです。この時代は、“失われた10年”と呼
ばれているようです...}
「あの大東亜戦争(太平洋戦争の、日本側での、当時の公称)は、天皇の統帥権(とうすいけん)の問
題とからみ、ついに日本国民の手で、戦争責任の徹底追及は行われませんでした。
このことについては、私は大先輩たちの、苦悩の決断を尊重します。また、その大先
輩たちは、日本を再び世界の冠たる経済・技術大国に再生したわけであり、それは
それなりに、つじつまが合っています...
しかし、この“失われた10年”を創出した、“現在の長老世代”については、まさに
私たちの世代が、徹底的にその“歴史的失政”を解明する義務があると思っていま
す。これは、単なる政治や経済の失政を超え、日本という国家全体の倫理観をも喪失
させる、“建国以来・未曾有の大混乱”を招いたという意味において、歴史的にもきわ
めて重大です。
何故、“現在・まさにあるような”、こんな状態に陥ったのか...この意味を、主権
者である国民としても、また学術的にも、徹底的に解明し、“責任と処罰”を、明確に
しなれればなりません。今ここで、“責任と処罰”を明確にしなければ、この混乱はさ
らに後の世代にまで引きずっていくことになります。次の世代へ、財政赤字だけでな
く、この混乱まで引きずっていくことは、絶対に避けなければなりません...」
「そこで...この時代の根源的な間違いは何処にあったのかというと、私はそれ
は、“清濁を合わせ呑む”、という言葉に象徴されていると思っています。これは本
来、政治の裏話の凄味ですが、この“悪事を承認すること”を、表社会のマスコミが、
何の反論もせず、承知してしまったのです。また、社会もそれを鵜呑みにしたことが、
時代を大きく誤らせた原因だったと、私は見ています...
それ以後、日本の社会では、“清”と“濁”を合わせ呑むことを、“良し”としてしまっ
たのです。強大な政治権力を使う、“表社会での悪事”が、承認されてしまったので
す。これは、まさに衝撃的な出来事でした。どのような形であれ、“悪事”が、表社会で
承認されたのです。当然、こうしたことは、どんどん際限もなく拡大したわけです...
また、これに習い、文化の面でも、マスメディアが同じことをやり始めていたようで
す。政治と同様に、人の流れが“世襲”や“コネ”に集中し、“実力”が極端に失われ、
文化が急速に衰退したという側面があるのではないでしょうか...
さらに、“失われた10年”の時代に入り、企業の“モラルハザード”までもが拡大
し、日本の社会全体が大混乱に陥ったわけです...社会が、ひとたび“悪を容認”し
てしまえば、結局、行き着く所まで行き着いてしまうということでしょうか...まさに、
日本の国が壊れてしまいました...
「さて...では、いったい...どうしたら、この日本の社会は、良くなるかと言うこと
です...
それは、私たち国民の目から見ていて、“明らかに間違っているものは、絶対に許
さない”ということだと思います。主権者である国民が、“間違っている”と思うものに
関しては、徹底的に原因を追求し、納得するまで説明を聞き、それでも納得できない
ものは、“ボイコット”するということです。
まあ、最終的に、“ボイコット”できるものと、できないものがあるでしょうが、ともか
く絶対にあきらめないということです...
この国では今、“国民参加型の評価システム”が壊れていて、あらゆるものが“勝
手にランキング”というような状態に陥っています。したがって、“ルール無視のスポー
ツの試合”を見ているようで、この国の文化全体が白けきっています...
したがって、ここで、国民がすべきことは、ただ1つだと思います...つまり...
正しいものは、正しい!
間違っているものは、絶対に認めない!
勇気ある者、努力した者、大きな成果をあげた者は、賞賛する!
この、最も基本的な社会の決まりごとを、社会全体で徹底することです。現在の日
本の社会は、これさえも壊れてしまっているわけです...
私たちは、まさに、今...ここから再出発しなければならないのです...」