My Weekly Journal /辛口時評辛口時評・2006

                辛口時評  

     2006年    

トップページHot SpotMenu最新のアップロード        担当:   津田 真/秋月 茜

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No.1 国家の求心力の喪失! “信用システム”崩壊の危機!> 200. 4. 6
     

  

     国家の求心力の喪失! house5.114.2.jpg (1340 バイト)

                  

「秋月茜です...

  色々ありましたが、小泉政権の末期と、世界情勢の大転換期とが重なり、世の中が

騒然としてきました。そんな中で、日本社会は急速に、国家としての求心力を喪失しつ

つあります。モラルハザード社会が一段と進み、“信用パニック”が起こるかも知れま

せん。

  そこで、今回は、“辛口時評”に特別ゲストとして、《危機管理センター》の里中響

子さんに来ていただきました...ええ、響子さん、よろしくお願いします」

「あ、よろしく...」響子は、頭を下げた。

≪鳥インフルエンザの状況≫ *************************************

      インフルエンザ・シーズン/ピークを過ぎる...≫ 

 

「その前に、響子さん...4月になりますが、新型インフルエンザの状況はどうなので

しょうか?」

「そうですね...

  【H5N1型】鳥インフルエンザ・ウイルスが世界的に蔓延し、死者がついに100人

を越えました。アジア大陸を経て、ヨーロッパのEU域内に【H5N1型】が広がったこ

と...アジアではインドネシアでのみ、感染拡大があったことが特徴的です。

  うーん...鳥インフルエンザの、ヒトの新型インフルエンザへの変異は、まだ気を

緩めることはできません...遺伝子の変異は、世界の片隅で、今も密かに着実に進

行していると思われます...

  ですが...ともかく、インフルエンザのシーズンは、ピークを過ぎたことを言ってお

きます...過去の例ですと、新型インフルエンザは、インフルエンザのシーズンと共に

やってきました。

  昨今の傾向では、沖縄で夏にインフルエンザが流行したように、油断はできないの

ですが...ともかく、数ヶ月の猶予がて来たのかもしれません...」

「そうですか...」茜が、顔をなごませて言った。「ともかく、一安心ですね」

「はい...」響子は、ゆっくりとうなづいた。「でも、新型インフルエンザは必ずやってき

ます...」

「はい、」

「そして、必ずパンデミック(世界的大流行)は起こりますわ。人類にとって未体験のインフ

ルエンザ・ウイルスになるわけですから...誰にも抗体はないですし、完全に適合す

るワクチンも存在しないからです」

「でも、少しでも、先へ伸ばすわけですね?」

「そうです。現在、着々と総合的な準備が進みつつあります。だから、人類としては、

新型インフルエンザの出現は、少しでも先へ伸びた方がいいのです」

「はい、」茜が、コクリとうなづいた。

「今回予想されるパンデミックが、特に大問題になっているのは...高病原性【H5

N1型】ウイルスが、ヒトの新型インフルエンザになると、科学的に予想されているか

らです。最も可能性が高いと、言わざるを得ません...

  この【H5N1型】ウイルスは、ニワトリで100%近い驚異的な致死率を示していま

す。この強毒性が、必ず弱毒性に変わるという、保証はないのです...推定4000

万人の死者を出した、“スペイン風邪(第1次世界大戦の時)“1918年ウイルス”でさえ、

遺伝子型【H1型】であり、低病原性/弱毒型ウイルスだったのです。

  今回の【H5型】と、【H7型】が、高病原性/強毒型のウイルスなのです...もち

ろん、この型のウイルスが、すべて強毒性というわけではありません...しかし、強毒

性は、この型のウイルスだということですね...私たちとしては、強毒性にならないよ

うに、祈るだけですわ...」

「はい、そうですね...そして、まだまだ、油断は出来ないということですね」

  響子は、コクリとうなづいた。

                                 <インフルエンザ・掲示板にも掲載>

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“信用システム”崩壊の危機...≫house5.114.2.jpg (1340 バイト)

         

 

「さあ、“辛口時評” の方に移ります...」茜が言った。「うーん...言いたいことは、

非常に多くあります。でも、ここでは、簡潔にまとめて話しましょう...」

「はい、」響子が、柔らかく包むように微笑した。

「まず...」茜も、小首をかしげ、目で笑った。「“行政の乱脈”は、目に余ります...ま

た、“立法府の無力化”ですね...そして同時に、“司法の信用失墜”も、非常に大

きいと思います...

  このままでは、日本の社会を構成している“社会の信用システム/神経組織”

が、総崩れになる恐れが出てきました。国民、企業・団体等に対し、“法律のおさえ”

効かなくなったような現象が、随所に見られます。第一に、“悪事”を堂々とやっている

風景が見られます。その上、“慣習法”までシステム・ダウンしていることが、この国に

未曾有の社会混乱をもたらしています」

「はい、」

「私がここで言う“慣習法のシステム・ダウン”とは、特に国家・社会システムとしての

文化勲章叙勲各種の賞をさしています...国民は、これらの賞賛のシステムを、

何処まで本物と思っているでしょうか。私は、それらのすべてを判断する審美眼は、と

うてい持ち合わせていませんが、“主権者/国民”が白けているのは、火を見るよりも

明らかです。

  ここに、“慣習法”が失われた最大の元凶があると、私は考えています。“慣習法”

が、国家・社会として完全にシステム・ダウンしているからです。国家・社会の上流域

でのシステム・ダウンは、当然、下流域に急速拡大します。

  しかも、それだけではありません...春と秋に勲章を授かっている、政治家官僚

をはじめとする、“この国をリードして来た人たち”は、本当に真剣に国家のことを考え

て来たのでしょうか...むしろ、この人たちこそ、日本国家や日本文化を崩壊させて

来たのではないでしょうか...つまり、そんな人たちに、あえて勲章を与えるような国

家が、はたして何処にあるでしょうか...国民は、この事に目覚めるべきです!」

「そうですね...」響子は、目の前の宙を見つめた。「言いたくはないですが、勲章をも

らって来たような人たちが、実はこの国を壊してきた元凶だと言うことですね...だか

ら、“慣習法”システム・ダウンしていると、」

「その通りですわ...」茜は、頬に手を当てた。「そして、そうした人たちは、この不況、

社会の2極化の中で、“勝ち組”になっているのです...

  “格差社会”はますます進行し、“下層社会”は限界に来ています。経済的にばかり

でなく、精神的にも“キレ始めた”ような事件が、頻発しています...非常に危険な兆

候ですわ」

「うーん...

  フランスタイでも...あ、それからアメリカでも...民衆の蜂起暴動がありま

すね...日本でも、その可能性はあるでしょうか?」

「あります!」茜は、真っ直ぐに響子を見て言った。「...このまま進行すれば、実際に

食べていけない人々が、巷に溢れてくるでしょう。その時は、この国の主権者である

国民は、“米騒動(大正7年/大民衆暴動)をおこす権利があります。大企業や銀行が“富を

寡占化”し、主権者である国民が路頭に迷うなどということが、絶対にあってはならな

いことです」

「もちろんですわ!」

「でも、そんな状況になりつつあるのです...」

「はい...国家の危機社会の危機ということですね...新型インフルエンザのパ

ンデミックも緊急課題ですが、これも緊急な課題ですね...それで、どうすればいい

のかしら?」

「そうなる前に、事前にその芽をつぶして行く事です...また、それに備えて、準備し

ておく事ですわ...“危機管理”の原則ではないかしら」

「その通りです。危機管理・担当者として、その備えをしておきたいのです」

「今...

  日本の国家財政は、800兆円という膨大な赤字国債を抱えています。これを何とか

するために、大増税が始まろうとしています...もちろん、その前に、一般会計

別会膨大なムダ使いを無くすのは、“絶対条件”になります...行政機構の無駄

非効率を、徹底的に洗い直す必要があります...それでもなお、財源が足りない

のかどうか...」

「NHKのように、“解体・再構成”する方が、いいのではないでしょうか?」

「そうですね...」茜が、コクリとうなづいた。「“維新・戦略”では、“新・民主主義社

会”を目指しているわけですが、当然、官僚機構もそうした透明性の高いものを目指

しています。

  ですが...実のところ、私たちは将来の具体的な社会形態までは、研究を進めて

はいません。それは、非常に難しい課題です。でも、もちろん、今の官僚機構を、

体・再構成することは、当然必要です...」

  響子は、まばたきしてうなづいた。

「でも...現在、私たちが進めている“維新・戦略”は、少し違う方向なのです。現在

は、【富の正しい公平な再配分】から、切り込んでいます...“富の公正な配分”が進

み、国民1人1人が“もっと豊かになる”ことが必要です。そうなれば、大増税にもラクに

耐えられるでしょう...」

「あ、はい、」

「そして、一切の無駄非効率を無くし、それでも国家財政が苦しいというのなら、善

良な日本国民は、増税にも喜んで耐えると思います...しかし、今は、“富の寡占化”

が進んでいて、この国の主権者でもない企業システムに、富が集まり過ぎているので

はないでしょうか。

  トヨタが、いかに世界一の企業グループになろうとも、ほとんどの国民には搾取が

あるだけです。その上、車の台数が増加するだけ、地球生態系の破局点(カタストロフィー・ポ

イント)が近づいて来るのです」

「国家財政を...」響子が、言葉を吟味しながら言った。「“人口減少型社会”に、シフ

トして行く事が必要ですね...」

「それは、もちろん必要です...私たちは、それは“グランドデザイン”や、“維新・戦

略”で考察しています」

「はい、」響子がうなづいた。

「したがって、私たちは...国民が路頭に迷う前に、そして大暴動が起こる前に...

“サイレントマジョリティー(声なき多数)による、“資本主義市場の戦略化”を進めている

わけです。“富の正しい公平な再配分”を実現するための、実力行使です...

  トップ企業の、トヨタキリンキャノンに、とりあえず消費市場で圧力をかけます。

“富の寡占化”に対し、交渉のテーブルに付かせるということです。企業に対し、主権

者である国民が隷属化している状況を、何としても打破しなければなりません...」

「はい...そうですわ」

「ええと...話を戻しましょうか」

「はい」響子がうなづいた。

           

 

「そもそも...」茜が、赤いバインダーに目を落とした。「“法律”には“力の背景”が必

要です...」

「そうですね、」響子が、小さくうなづいた。

「そうした“力のシステム”の整った下で、“法律”の効力が発揮されるわけです。この

法の力学は、秩序であり、力を伝達する“社会の信用システム/神経組織”があっ

てこそ、膨大な国家の諸事全般を統治する事が可能なのです。

  “社会の信用システム/神経組織”とは...つまり“慣法”なのです。日本の1億

2000万人余の国民を結び付けている“信用システム”とは...まさに“慣習法”

いう社会の“共通の認識・共通の価値観”であり、これは文化形成のエキス国家形成

のエキスなのです。

  私たちはまず、これを取り戻す事から始めるべきです。これには、ボトムアップ型の、

新・公共放送を創設するのがいいわけですが...これは別の話としましょう。今はと

もかく、システム・ダウンしている“国家・社会の慣習法”を、緊急に取り戻さなければ

なりません...」

「具体的には、どういうことでしょうか?」

「そうですね...

  先ほども言いましたが...文化勲章や、春と秋の叙勲...それからNHK放送文

化賞様々な賞が存在します...そうした社会の表面を飾る賞が、完全に形骸化

ています。“賞の真髄”ある栄誉の授与が、“慣習法”からかけ離れた座標にあり、

それゆえに、国民から見放されている現実があります。

  一部の人が、内輪のサークルで勝手に決め、国民全体に発表する...これほどの

不条理はありません。こんなことが、日本の社会では、まかり通っているのです。国民

“浄財”で運営されている公共放送のNHK放送文化賞でさえ、視聴者の関与しな

い所で、勝手に決められている様相です。この一事をとっても、こんな事で、“改革に

真っすぐ真剣...”などと言えるのでしょうか...言葉だけが、上滑りしています」

「うーん...そうですね」響子が言った。「NHKはやはり、“解体”し、“再編成”するの

がいいですね」

“解体”するには、“聴視料”でさらに圧力を強めればいいわけです」

「あの内容では、公共放送としての存在価値がないということですね...“公平な負

担”“不公平感”を口にするには、現在のNHKは、あまりにも存在価値がなさ過ぎる

ということかしら」

「その通りですわ...

  それから、日本の社会に、上流階級ができつつあると言いますね...“富の正し

い公平な再配分”も含め、文化全般に関しても、“サイレント・マジョリティー”の支持、そ

“慣習法”の支持なくしては、全て“張子の虎”だということを知るべきです。中身のな

ニセモノだということです」

「はい...」

「現在、“市場の戦略化”で進行中です...資本主義市場を、主権者である国民が、

消費戦略のもとに、シビリアンコントロール下におくというものです。これはまさに、日

本国憲法下で保証された、国民主権の発動です。

  “日本文化の再生/新展開”についても、“主権者の慣習法による支持”が前提と

なります。くり返しますが、国民から乖離した日本文化はありえません。また、国民から

乖離した文化賞もないのです。まさに、現在の日本は、異常な状態と言えますね」

「そうですね、」響子が、首を斜めにした。「うーん...政治の弱体化の方はどうでしょ

うか。政治は、国民との乖離の状態が続いていますが、」

「政治の最大の問題点は...日本では、“政党が未熟”だということでしょう。私は政

治が専門ではないので、あまり詳しい事は言えません...でも、日本で唯一、政党ら

しい政党は、“日本共産党”ぐらいでしょうか...

  他は...そもそも、政治家を育てるシステムが整っていません組織として、非常

に弱体なものを感じます。何よりも、政治家の“世襲”が、最大のネックです」

「一般の国民が、政治家になるのが非常に難しいシステムですね。ここも、問題だと思

いますが、」

「そうです...

  これは本来、政治担当の青木昌一さんの分野なのですが...私から簡単に答え

ておきましょう...」

「はい、」

                 

「まず、日本では、選挙戦に立候補するのに、公職にあるものはその職を辞さなけれ

ばなりません。現職のままの立候補を、認めていないからです。当選すればいいです

が、落選すれば、それこそ路頭に迷う事になります」

「そうですね、」

「このリスクを侵すことのできる人は、非常に限られてきます...一般の市民生活を

し、社会システムの歯車になって働いている国民には、ほとんど不可能なのではない

でしょうか」

「はい、」

「そのために、“世襲”が非常に有利なのです。“天下りのできる官僚”も、有利です

ね...ですが、この人たちでも、それなりに相当のリスクはあります。しかし、この人た

ちはもともと政治の周辺や、行政に身を置いていた人たちです」

「そうですね...

  今、民主党と自民党が、大きく動いています...“危機管理センター”の担当者と

して、“日本の政治危機”という観点から聞きたいのですが...ここで、日本の政治

は大きく変わって来るのでしょうか?」

「私としては、政界再編成は、必至だと思っています...

  でも、“世襲禁止”...“一般国民の参加”...にまで議論が及ぶには、政治の場

でも“サイレント・マジョリティー(声なき多数)による戦略化...シビリアンコントロール

確立が必要になります。

  “選挙の枠組み”を、主権者である国民が実際に仕切り、“代議員の身分、歳費、

賞・罰”を主権者が決めるようにする必要があります。これは、ごく当り前の事なんです

けど...」

「はい...ええ...最後に、憲法問題について一言お願いします」

「そうですね。私たちは、“憲法改正”には反対の立場を取っています。文明が、時代

が、“新しい局面”に突入しているということです。そして、もう1つは、“政治が完全に国

民の信頼を無くしている状況”にあるということです。そして、これは、必要な事です

が、それほど急ぐ問題ではないということですね」

「はい...今回は、ここまでとしておきましょうか、」

「はい、そうですね...続きは“維新・戦略”“戦略会議”で話したいと思います」