My Weekly Journal  /第1編集室 / 維新・戦略ルビコンを渡る維新・市場で始動
                       

          維 新/“市場”で始動!   

             【富の正しい公平な再配分】 /資本主義市場で、サイレント・マジョリティー(声なき多数)が動く

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  トップページHot SpotMenu最新のアップロード                                 担当:  青木 昌一 

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プロローグ      ...大増税... 2005.11.12
No.1 〔1〕主権発動今こそ国民が戦略的に動く時 2005.11.12
No.2 〔2〕資本主義市場で、“サイレント・マジョリティー”が動く 2005.11.12
No.3 〔3〕標的は、トップ企業・・・ トヨタ、キリンでスタート 2005.11.12

                                       

    プロローグ                         

「政治・部長の青木昌一です...

  いよいよ、大増税がスケジュールに入り、世論が騒然としてきました。いずれにし

ても、“行政の徹底的な見直し”“医療の抜本的な改革”“富の寡占化の是正”なく

しては、国民としては、飲める状況にありません。小泉・改革は動き出すようですが、

その羅針盤の方向は、“国民生活”とはかなりズレています。その示す先に、理想

の社会が見えて来ません。

 

  小泉・政権のもとで、“国民生活の破壊”は深刻の度を増しています。庶民の“資

産”は失われ、“労働の二重構造化”が進み、“新しい身分差別が出現”...“刺客

選挙”で博打(ばくち)を打ち、プロの政治家を追放...棚ボタ式の未熟児・議員を大量

に作り出しました。

  しかも、その人たちを、マスコミが持ち上げています。NHKをはじめ、テレビ中心の

文化も、日々衰退しつつあります。マスコミが、“国民生活の苦しさ”を、ほとんど報道

しなくなりました...“ポスト・小泉政権”“大増税”の問題よりも、“労働の二重構

造化の是正”“富の正しい公平な再配分”が、国民にとって喫緊の課題です!

 

  一方、世界では、新型インフルエンザパンデミック(世界的大流行)が危惧されていま

す。また、インドネシアの大津波、アメリカのハリケーン、パキスタンの大地震と、地球

規模での大災害が相次いで起こっています。これらは、生態系レベル地球レベル

での、大異変を予兆させます。地球生態系は、大きな変動期に入ったのでしょうか。

  “人口爆発と食糧危機”“グローバル化が引き起こす様々な危機”“科学技術の

暴走による予測不能な危機“地球近傍天体の衝突や、地球の長期的変動による

危機”...等々、様々な危機が人類文明にさし迫っています。そして人類には、それ

“コントロールする力”が、十分に育っていません。世界は、“非常に不安定な要素”

が、日々増大し蓄積しています。

  21世紀は、人類文明にとって、“大艱難(かんなん)の世紀”だと、私たちは見ていま

す。文明にとって、“大きな試練の時代”がやって来ます...文明史的にも、“ターニ

グポイント/折返し点”を迎えつつあります。そうした中で、人類文明は“心の領域”

“物の領域”の統合した、“第3ステージ”へシフトして行くようです...

 

  ここでは、こうした時代的背景の中での、日本社会の革命について考察します。こ

の日本社会の“維新”は、予想以上に世界情勢と密接に連動しています。また、“新

生・日本”の、“居住スペースの地下都市空間へのシフト”は、“文明のターニングポ

イント”にも、先鞭をつけるものになると考えています...」

  〔1〕 主権発動・・・    

           国民が戦略的に動く時!!! 

          

 

「ええ、寒くなって来ました...秋月茜です...

  さて、“経団連”は、10月26日...大手企業における冬のボーナス妥結状況

発表しました。それよると、過去最高額のボーナスになるといいます...

  一方、ほとんどの国民は、パート派遣労働者で、生活困窮に陥っています。いっ

たい、このままでいいのでしょうか。この“国民生活の困窮”こそが、今まさに、“日

本の大問題”です。

  ところが、政治は依然として、国民から乖離したままです。この未曾有の大混乱の

中で、憲法改正などで汗を流しています。これでは、政治には当分期待はできないの

ではないでしょうか...」

「そのとおりです!」青木は、チラリと茜の方を見て、うなづいた。「国民は、我慢の限

でしょう!もう、政治には任せて置けない!あらためて、“国民自身が動く時”だと

考えます!」

「選挙がない今、国民が戦略的に動けるのは、“資本主義の市場”ですわ...

  国民は“戦略的な買い控え”を発動し、資本主義市場に“シビリアンコントロール”

を確立する時だと思います。国民が“戦略的な買い控え”をすれば、どんな大企業だ

ろうと、潰すことは容易です」

「うーむ...選挙と同じですね...

  日常生活の中で、“主権”を行使する!国民にとっては、トヨタニッサンも、キリン

サッポロもそれほど大差はないわけです!ここに“国民・戦略”を発動する!これを

逃す手はないですねえ...」

「はい!市場で“シビリアンコントロール”を確立することが、まず第1だと思います!」

「うーむ...

  国民が豊でなくて、国が豊になれるはずがないのです...国民が、企業シ

ステムに隷属しているなどは、“重大な憲法違反”の状況です。憲法改正が与野党で

活発になっていますが、この基本的人権の侵害は、議論のテーマになっているので

しょうか...まさにここでも、政治は国民から乖離し、空転しているわけです」

「はい、」

「政治はいまや、“不道徳の極み”に達しています。しかし、その政治家や政党が、

道徳教育を論じているところに、鏡に映した日本の姿が見えるわけです。これで

は、到底ダメだと言うことですね...

  むろん、こんなレベルの人たちに、憲法改正など、してもらいたくはありません。そ

れよりも、当面は、憲法をしっかり守ってもらいたいですね。まあ、こんな政治状況に

してしまったのも、国民に責任がないわけじゃありません。

  しかし、世襲化官僚出身の問題等でも、国民に選択肢が無く、また“騙された”

という観もあります。ここは、是が非でも、国民が動かなければ、この日本丸は本当

に沈没してしまいます...

「はい...

  “ボスからの伝言”も、国民総生産(GNP)【正しい公平な再配分】ということで

した。“富は、誰のものか!”ということですわ...

  何度も言いますが、“富/ゆとり/生産”は、国民が社会システムの相互作用

によって生み出した“果実”です。大企業を特別に優遇する理由はありません。国民

は、みな平等なのです。

  市場における“戦略的な買い控え”は、この国の主権者は国民であるということ

を、あらためて証明する実力行使です。今こそ、サイレント・マジョリティー(声なき多数)

が、静かに、大規模に動く時です。それは、表の政治行政の世界にも、敏感に反応

ます...」

 

                               house5.114.2.jpg (1340 バイト)

「ええ、まず...」青木が、眼鏡に手をかけ、壁面スクリーンの方を見た。「その前

に、全体の状況を眺めておきましょう...

  ともかく、大増税がやって来ます。しかし、“国民の基本的生活”は、すでに壊れ

ています。国にとって、何よりも大事なのは、“国民の基本的生活”です...では、ど

うすればいいのか...

  【富の正しい公平な再配分】を、あらためて実施すると言うことです。これは、この

国に“維新”をもたらします。あらゆるものが変わってくるでしょう...ともかく、日本は

十分に豊な国なのです。深い伝統文化もあります...

  それを生かす方策が、この国に“真の国民主権”を確立することです。そこでまず、

資本主義市場に“シビリアン・コントロール”を確立し、“財界/大企業”絶対優位

性/富の寡占化を押えます...国民が豊なのが、“強い社会/優しい社会”であ

り、また“強く/優しい/愛される祖国”なのです...」

「はい!」茜が言いながら、スクリーンの画像をスクロールさせた。「市場で、サイレン

ト・マジョリティー(声なき多数)による反乱を起すということですね...静かに/合法的に

大規模に...日本は、必ず変わってくると思います...」

 

                   

「うーむ...しかし、どうして、こんなことになったのでしょうか...」青木が、つぶや

いた。

“社会上層のモラルハザード”が...“清・濁の混ざった水”が...下の方へ限りな

く流れ落ちているのです...今も、続いています...それが、日本の国に、建国以

来大混乱を招いたのです。恥ずかしいことですわ!

  その結果が、“新しい身分差別の出現”であり、“労働の二重構造”であり、“富の

寡占化”なのです...そうやって、自分たちの罪を押し包んでしまったのです。みな

小泉・政権下で起こったことですが、小泉・政権はあえてそれを修正しようとはしませ

ん。そして、財界はそれを高く評価し、潤沢な資金を小泉・自民党に献金しているわけ

です...これは、許せません...」

「私たちは、これまで、政治行政公共放送と見てきたわけですが...今回は

業/大企業に焦点を当て、“資本主義市場”にも“国民主権”シビリアンコント

ール”を確立して行くことになるわけですね」

「はい、そういうことになります」

  〔2〕 資本主義市場で、  

       具体的に、サイレント・マジョリティーが動く

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「さて...」津田・編集長が言った。「“経団連”という言葉か、よく出てきます...ポ

ケットの小銭にしか扱ったことのない私には、およそ無縁の世界です。まあ、私など

とは、対極にある組織であることは、それとなく分ります。

  そこで、あらためて、広辞苑で意味を調べてみました...すると、こう書いてありま

した...

 

【経済団体連合会の略称...1946年設立。各種経済団体の連絡機関。

財界の意見をまとめ、政府や国会に建議などを行う...】 

 

  うーむ...政府や国会に建議などを行う...”と、あるわけですが、どんな建議

をしているのでょうか...ま、ともかくこの団体が、“労働の二重構造化”“富の寡

占化”を進めるの“小泉・政権”を、非常に高く評価しているわけです。“2005・総選

挙”では全面的に小泉・自民党支持を打ち出し、国民が生活苦に喘いでいる中で、

あえて潤沢な資金を提供しています...

  その“経団連”の会長が、新聞などにもよく登場する、奥田碩・トヨタ自動車会長

ちなみに、ボス(岡田)の愛車も、ずっとトヨタだそうです...まさに押しも押されぬ、世

界のトヨタ自動車です。先進的なハイブリッド車も、確かに地球環境には、優しい車で

す...

  ただ、私たちは、ディーゼル車ハイブリッド車クリーン・エネルギー車の比較を超

越し、“脱・車社会”を目指しています。現在の地球環境では、個人的機動力として

は、人力による自転車が限度だと考えています。自動車という大機動力は、まさに機

械文明が生態系に与える、“重圧の元凶”と考えています...」

「このことは、航空機についても同じことが言えますね」高杉が言った。「それは、すな

わち、“反・グローバル化”の方向になります。尺度は色々あるでしょうが、人類社会

はある程度まで、大自然に回帰”すべきだと考えます...

  過去においても、“生態系と一体性のあった時代”が、過酷ではあっても、人が最

も幸せな時だったのではないでしょうか。そこには、喜びと悲しみと、様々な感動が

あったのです。“濃密な時の流れ”がありました。

  したがって、“文明の第3ステージ”においては、各個各様の社会形態がデザイン

されて行く時代になると思います...ただ、“便利・速い・豊か”というのではなく、

的性達成感自然環境といった要素が、ガイドラインとしてデザインされるのかも知

れません」

“反・グローバル化”という要素を反映して、移動はそれほど容易ではない社会、及

び世界、ですね...相対的に地球は広くなり、その多様な社会形態を、地球政府”

が管理して行くわけですか、」

「それで、津田・編集長...」高杉が、肩を引いた。「ターゲットは、トヨタですか?」

「そうです...

  国民が、戦略的にトヨタの車を買い控え...“大企業主導”の国家体制をから、

“国民主権”“国民生活主体”国家体制に正して行くということです...

  したがって、何度も言うことですが、真のターゲットは、トヨタではありません。真の

ターゲットは社会構造にあります。現在の、経済至上主義の社会体制にあります

官僚財界が構成する、“鉄のトライアングル”とか呼ばれるものを、まず破壊

することです。

  “財界の本丸/経団連”も、市場では無防備です。結局、王者/トヨタ自動車の莫

大な利潤も、国民との相互作用が生み出したものだということを、再認識してもらう必

要があります。そのことを、資本主義市場で、はっきりと証明する必要があるのです。

  国民から“収奪・君臨するだけのシステム”であれば、それこそ“無用の長物”

す。“便利・速い・快的”も、度が過ぎると無用の長物です...そもそも、私たちは、

“脱・車社会”を目指しています。理想とする所も、ズレていますね。

  今後、私たちは、“資本主義市場を戦略化”し、“シビリアンコントロール”のもとに

押え、“ポスト・資本主義”の社会を目指して行きます」

「うーむ、」高杉は、脚を組み上げた。「そこは、大事なところですねえ...」

「はい...

  まず...“真の国民主権”を確立するために、“富の寡占化”を狙う大企業は、

場で戦略的に撃破します。その意味で、トップ企業のトヨタは、まさに象徴的なターゲ

ットだということです」

「うむ、」

国民“ルビコン川”を渡ります...そして、トヨタを撃破する...“サイは投げられ

ました”...もう、後は振り返らない...前進あるのみです!」

「その先に展開するのは、“維新”というわけですか」

「その通りです」津田が、深くうなづいた。「そして、そままま、“文明のターニングポイ

ト/折返し点”へ、突入して行く...

  人類にとって、“未曾有の大艱難の時代”が始まる前に、うまく文明をターンさせて

おきたいものです。“反・グローバル化”の流れを定着させ、文明に多様性を作り出

し、可能なところから“地下都市へシフト”して行く...何とか、形と方向性を整えてお

きたいですね」

うーむ...」高杉がうなった。「いずれにしろ...相応の犠牲は、覚悟しておくべき

だろうねえ。現在の地球生態系は、きわめて歪(いびつ)です。人口は、いずれ、何らか

の形で、“激減”して行きます。

  したがって、膨張しきってグローバル化した人類文明の社会形態は、非常に脆い

状態だと言うことを知っておくべきです」

「そうですね」

「肥大化した人類文明を、軟着陸へ持っていく体制を整えることが急務です。その意

味でも、“脱・車社会”は必須要件の1つなのです」

「はい、まさに、その通りです...」

  津田は、顔を上げ、マチコと弥生が入ってきたのを眺めた。お茶を載せたワゴンを

押している。茜が、椅子を引いて立ち上がり、二人の方へ歩いていった。

 

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「いずれにしても...」高杉が、言った。文明は、コンパクトな、高機能地下都市空

間”へシフトして行くことになるでしょう...省エネ型の謙虚な社会形態が、適正な規

模でデザインされます。

  これまでの、市場原理にまかされた、発展・開発型の社会形態は、とらないでしょ

う。そして、もっとも肝心なことは、地表の生態系のほとんどは、大自然に還すという

ことです...

  そこに展開するのは、まさに“脱・車社会”です。また、“反・グローバル化”というの

は、人類文明の“ターニングポイント”の、第1段階になります。いずれにしろ、文明は

ますます加速していて、後ろを振り返っている余裕はないと思います。

  “文明の第3ステージ”では、パラダイムが変わります...“豊かさ・便利さ・早さ”

を求め、文明はこれまで大車輪で突き進んできました。次々に発明技術革新を繰り

返し、それを加速してきました。“第2ステージ/産業革命”以降はエネルギー・コン

トロールによって、大量生産/大量消費産業構造を創出してきました...

  そして、まさに、その“第2ステージ”“暴走”を生んだのです...」

“産業革命”と、いわゆる“緑の革命”と言われる農業の大増産が、人口の爆発的な

増加を生んだわけですね」

「そうです。“緑の革命”は、食料面での豊かさをもたらしました。そして、ふと気づい

た時...それはごく最近のことですが...そうしたものが必ずしも、“人間としての

幸福”とは、結びついていないことが分って来たわけです。

  かって夢に描いた、“便利で豊で安心な未来”が、必ずしもその通りではないこと

が分って来たのです。確かに、そうした未来は実現しました。しかし、グローバル化に

よって、エイズが世界中に蔓延していますし、新型インフルエンザパンデミック(世界

的大流行)も何度も起こっています。

  また、極端な豊かさの陰で、飢餓にあえいでいる多くの国々があります。私たちも

また、豊かさと便利さの中で、かっての“人間的なのどかな時代”に郷愁を感じている

のです。こうしたものが、価値観を変えていく大きな要素になります...

  また、何よりも、地球環境が“機械文明の重圧”に、耐え切れなくなっていることが

分って来ました。20世紀の大量消費の価値観は、“20世紀の彼方に捨て去る”のが

いいでしょう。その意味では、トヨタに代表される車社会も、同じ範疇に入ります。

  道具や、身の回りものもは、一生涯を通じて大事に使う...そういう価値観へのシ

フトが、すでに始まっています」

「はい...」

“脱・車社会”...“人類文明の地下都市へのシフト”...そして、“資本主義的価

値観の終焉”...個人が獲得した大機動力の車社会は、“20世紀の歴史のモニュ

メント(記念碑)として残ると思います」

「そうですね...」津田がうなづいた。「ちょうど私たちの世代にとって、“第2次世界

大戦”が、大きな歴史のモニュメントであったように...あるいは、“腰に剣や刀”を下

げていた時代が、かってあったように...20世紀のモニュメントとして、“車社会”

歴史に刻まれて行くことになるのでしょうか...」

「それと、“原子爆弾”“核融合爆弾”...大量殺人の目的で、このような爆弾を開

発したことも、いずれこの時代を、歴史上で眺める人々には、“20世紀のモニュメント

(記念碑)として映ると思います。そんな時代もあったのだと、」

「ふーむ...」

 

  〔3〕 ターゲットは、トップ企業・・・ 

          トヨタ、キリン でスタート!!!  

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   ≪真のターゲットは、“富の寡占大企業支配の構造≫

 

「さて、そのターゲットは...世界のトヨタ自動車...」津田が、ゆっくりと茶を一口飲

んだ。「相手にとって、不足はないでしょう...トヨタの尻に火をつける...それから、

また、申し訳ないが、誰もが知っている、キリンビール...

  とりあえずは、この2社のトップ企業への“買い控え”で、“大企業支配/富の寡

化状況”に、反撃を開始したいと思います。彼等のもっとも得意とする、彼等の土俵に

上がり、正々堂々と、真正面から消費者として勝負します。

  状況次第では、潰してもかまわないと思います。この国は、国民が形成している

“国民主権の国家”です。企業主権の国家ではありません。また、世界のトヨタは、先

進的に、“地下都市空間のシステム開発”など、別の分野へシフトして行くことを望み

ます。

  しかし、くり返しますが、トヨタを撃破するのが目的ではありません。“富の寡占”

生む、現在の社会体制一新すのが目的です。他意は、一切ありません。また、ター

ゲットは、他のどの企業であっても、結局は同じことです。最終目的は、“富の寡占

化”を終息させ、“新・民主主義社会”を創出することにあります。

  “新・民主主義社会”については、何度も言うことですが...【情報公開】 【国民

加型・評価システム】 【富の正しい公平な再配分】...の実現している社会で

す。私たちは、21世紀型の“新・民主主義社会”の実現のために、頑張っています」

「そうですね...」高杉が、湯飲み茶碗を、グッと握り締めた。「“富”は、茜さんの言う

ように、社会システムが相互作用によって生み出した“果実”です。大企業が、それを

独占していいはずはありません。

  今回、サイレント・マジョリティー(声なき多数)、そのシステムの一角を崩し、“国民主

権の社会・国家”であることを、実力を持って証明することになります。日本国民とし

て、それを望むなら、選択肢の1つとして、静かに決断して欲しいと思います。その

さな決断が集まり、選挙の投票のように、この国を動かすほどの、巨大な力になりま

「はい!」茜が、うなづいた。

“富が有り余る”からといって、ハワイまで何度も出かける...」津田が言った。「

人がジェット機を乗り回す...そんな資本主義的価値観が、地球環境の破壊に拍車

をかけています」

「はい!」茜が、口を尖らせた。「環境復元の様々な努力が、そうした自動車航空

の無意味な乱用で、ほとんど食い潰されていますわ!」

「うむ」高杉が、うなづいた。                                                            

            

「さて、と...」津田が言った。「国民が、“市場”で、“戦略的に買い控え”をするから

と言って、NHKのように“訴訟”を起こすことはないでしょう。“市場”では、“買う、買わ

ない”は、それこそ国民の自由です。逆に、企業は常に自社を宣伝しているわけです

からねえ...

  今度は国民が“市場”に、“国民主権”という戦略を仕掛けるというわけです。大企

業支配の“市場”に、“シビリアンコントロール”を確立する...健全な民主主義の国

家には、当然あっていいものです。

  そして、その先にあるのは、社会全体が変わる“維新”です...そして、さらにそ

の先には、文明史的な“ターニングポイント/折返し点”と、文明史的な“大艱難の時

代”が差し迫っています」

「うむ、」高杉が、うなづいた。「“文明の第3ステージ/情報革命”は、すでに始まって

いますねえ...そうした中で、人類の科学技術文明は、ますます加速度を増して

ます...編集長、このスピードで、折返し点をうまくターンできるでしょうか?阪神で

の列車事故のように、脱線することは?」

「そのために...“反・グローバル化”のブレーキが必要なのです。“脱・車社会”も、

重要なブレーキになります。そして、人類文明を、“コンパクトな地下都市空間へシフ

ト”して行くこと...このあたりは、塾長が詳しいのではないでしょうか。私は、“維

新”を推進して来て、塾長の考えと合流したわけですから...」

「ああ...」高杉は、苦笑して、うなづいた。「そういう事ですねえ...うーむ...」

「文明は、“第3ステージ”へ入って行くということでしょう?」

「そうですね...

  人類にとって、文明史的な“大艱難の時代”が、いよいよすぐそこまで迫って来まし

た。今年の冬にも予想される、新型インフルエンザパンデミック(世界的大流行)は、そ

の序曲になるかも知れません。そのコントロールに失敗すれば、非常に多くの犠牲

者が出るでしょう。

  たかがインフルエンザです...しかし、人類にとってこれほどの脅威となっている

のは、世界が“グローバル化”し、人類全体が“運命共同体”となっているからです。

そうでなければ、こんなウイルスは単なる1地域の風土病に過ぎません。

  グローバル化によって、文明社会全体が“構造的に脆弱(ぜいじゃく)化”しているので

す。まさに、感染症の“病原体の1つ1つ”が、人類全体にとって、非常に大きな脅威

になってしまっているのです...

  “地球生命圏を包む巨大な宇宙意識”/“36億年の彼”が、人類文明の暴走に、

警告を発していると受け止めるべきです...そんな“超意識体”は無いと否定するの

であれば、“現在の我々の思惟”は、何なのでしょうか。これも、否定するのでしょう

か...

  こうした時間軸上・空間座標上の全ての意識の総体が“36億年の彼”という人格

なのです...」

  茜が、コクリとうなづいた。

                       index.1019.1.jpg (2310 バイト)    

「さて、話を戻しましょう...」津田が、言った。「自動車というのは、大きな買い物で

す。それだけに、“買い控え”も、すぐには効果は現れないと思われます。

  しかし、ビールは、すぐに効果が見えるはずです。本当に“国民が、市場で戦略的

に動けば...”、この国の様相は、ガラリと変わります。その意思表示が、その場で、

明確に示せます。資本主義市場そのものも、大きく変質して来るでしょう。

  まさに、茜さんの言うように、“富は誰のものか!”ということ、そして“ポスト・資本

主義”に、1歩近づくかも知れません」

「はい、」茜が、顔を輝かせた。

「...それから、資本主義的価値観で、キリンビールには“申し訳ない”と言いました

が、“富”はもともと国民全体のものです。“良好なシステム”は、それなりに正当に評

価しますが、既得権は永遠のものではないということです。それに偏り過ぎると、“富

の寡占化”が起こり、社会が硬直し、不平等が助長されるからです」

「はい、」

「くり返しますが...ターゲットはキリンビールでも、変革を求めるのは、現在の社会・

経済システム全体です。大量生産・大量消費の産業構造そのものです。したがって、

対象はどの企業でも同じです。“申し訳ない”という価値観も、“ルビコン川”を渡れ

ば、パラダイムが変わります。再び、同じ場所へ戻ってくることもありません...」

「はい、」

「それと...“国益を損なう”という概念も、資本主義的価値観での話です。確かに、

トヨタの買い控えは、“国益を損なう”という側面があります。しかし、“国益”とはなん

でしょうか。

  国民の大半の、“生活基盤が破綻”している社会状況で...こうした国民弾圧の

政策を非常に高く評価している経営者の企業に、何処に“国益”があると言えるので

しょうか。

  国民に弾圧的であれば、それは国民にとって、何の益もなく、むしろ害悪だという

ことです。ここは...沈思黙考...静かに決断して欲しいと思います...」  

「国民が益を得る前に...」高杉が言った。「大企業による“富の寡占”の壁がありま

す...国民にとっては、“国益”は遠く霞んでいます。大企業は、“労働の2重構造化”

と、“富の寡占化”の進行により、このまま行けば“真の弾圧者”になりつつある様で

す...これは、主権者である民衆の敵ということです。

  こうした状況の根本的打開が示されるまでは、弾圧者である本質は、変わらない

と言うことででしょう...」

「そうですわ...」茜が言った。「何よりも大切なのは、“国民生活”です...

  国民が豊なのが、最強の国家です。国民が奴隷のようになっていては、国益

もあったものではありません」

  高杉が、うなづいた。

「政治が動かないのであれば、“国民が市場に介入”するということですわ。年内に

も、大きな勝負が来ると思います。2005年の年末には、激動の波が起こり、新しい

年に入って行くでしょう...

  もちろん、国民全てが、この状況でも大人しく我慢すると言うのであれば、この“維

新・戦略”は動きません...私たちは、国民的な選択肢を考察するだけです...」

「しかし、1人の決断で、」津田が言った。「社会の片隅から、小さな“維新”が、静か

にスタートを切ります...それがやがて、谷川の奔流となり、大河となって行くことを

期待しています...」

「そうですね!」茜が言った。「今、“維新の推進エンジン”に火が点火されました!私

たちは、“ルビコン川”を渡ろうとしています!今後の展開に、ご期待ください!」