「これは、カーボンナノチューブの1種を使った、小型燃料電池です。NECと科学技術
振興事業団などが開発したものですね。ええ、実用化は2003〜2005年ぐらいと言
われます。
これを使えば、ノートパソコンだと数日間、携帯電話だと20時間以上、連続使用
が可能と推定されています。
ええ、外山さん...このカーボンナノチューブというのは、どのようなものなので
しょうか?」
「はい。カーボンは、炭素のことですね。この炭素原子が6角形の網目状につながっ
た、黒鉛構造のシートというものがあります。これが、円筒形に丸まったものが、カー
ボンナノチューブです。まあ、いずれにしても、分子レベルの非常に細いチューブで
すね。
この素材は、1991年に発見されています。それから、1998年頃に、この変種と
して、その1端が閉じているものが発見されました。この1端が閉じているものは、牛
の角に似ているので、“カーボンナノホーン”と呼ばれています。今回の燃料電池で
は、この“カーボンナノホーン”が使われています。まあ、詳しいことは、これから論文
などで発表されてくるのではないでしょうか、」
「はい。とりあえず、このようなものがあるということですね。ありがとうございました」