36億年前の、この原始地球で、一体何が起こっていたのでしょうか・・・・・
生命とは、一体その出発点は何だったのでしょうか・・・・・
タンパク質を作り出すDNAは、この地球上に、
一体どのように出現したのでしょうか・・・・・
DNAの化学的言語は、何故唯一のものとして
選択されたのでしょうか・・・・・
( 我々のタンパク質の合成は、もっぱら
DNA に依存しています。しかし、その
DNA
の形成には、事前にタンパク質が存在していなければなりません。この矛盾
は、どのように解釈したらよいのでしょうか・・・・・ )
( この矛盾は、何処かで聞いたことがあるような気がします・・・・・そう、ニワトリと
卵の命題です。ニワトリと卵は、どっちが先に生まれたのでしょうか?)
冗談はさて置き、この種の矛盾の解明は、有機体の解釈には重要だと思いま
す。生命の発生、生命体の維持・更新、生命圏への爆発的展性に、ある種のパタ
ーンを見つけることができるかもしれません。
しかし、この原初・DNAとタンパク質の関係を、どのように解釈したら良いので
しょうか。ここで、“生気論”を注入すべきなのでしょうか。あるいは、宇宙に物質が
あるのと同様に、宇宙は本質的に“命”が存在している場なのでしょうか。
( “生気論”.....生命は、物理学や化学では説明できないとする説。)
あの、膨大な超銀河団の質量と構造・・・・・ ビッグバン以前に、この膨大な質量
は、一体何処から来たのでしょうか・・・・・そして、その同じ場所に、“生命”と“意
識”が用意されていなかったと、誰が証明できるでしょうか。
大規模宇宙構造は、確かに人知を圧倒する壮大なスケールです。が、ただ、そ
れそのものは、比較的単純です。それに比べ、タンパク質や生命体は、その複雑さ
という点において、超銀河団のスケールをはるかに凌ぐものです。しかも、それは分
子レベルのミクロの領域から、この大宇宙のエントロピー増大と対峙しています。こ
の力、生命力は、一体何処から来ているのでしょうか。
いずれにしても、謎は尽きません。まさに、生命発現の全てが謎に満ち溢れてい
ます。しかし、ともかく、36億年前の原始地球の海で、何か途方もないことが起こっ
ていたことは確かです。私たちは、その神秘の一瞬を見ることはできるのでしょう
か。それを見ることができたら、まさに宇宙の秘密の一端を覗くことになります。
私は、実は、ソレを見ることは可能だと考えています。それは他ならぬ、原初・生
命体のことであり、私たち自身が内包していることだからです。全ては、私たち生命
圏が内包している情報だからです。ただ、現段階の私たちが、その答えを理解する
能力があるかどうかは、また別の問題ということでしょうか。
それにしても・・・・・認識と存在・・・・・その全領域にわたる相互作用。これらは、
大きなループを描いて、出発点であるこの生命発現の場に戻ります。生命の発現、
高度な認識の発現こそが、この世という全存在を映し出しているのです。そして、こ
の生命体の相互主体性が、この認識世界をより確かなものとしています。しかし、
今ここに映されているこの世とは、それほどしっかりとした基盤の上にあるのではな
いということも確かなようです。むろん、見方はそれぞれにあるわけですが・・・・・
( さて、生命の発現という本題に戻ります。)
原初・生命体の発現は、オパーリンの言う“物質進化説”が正しいのか。それと
も、ユーリとミラーの“化学進化説”が正しいのか・・・・・
( “物質進化説”.....原始地球の海に、非生物的に形成された多量の有機物
があったとする。そして、そこから、生命体が構成されたと考える。)
( “化学進化説”.....原始地球の大気の中で放電すると、何種類かのアミノ酸
が生成される。このアミノ酸の生成は、画期的な成果といえる。現在では、この実験
における原始大気の成分に問題があるとされ、疑問符がついている。)
ところで、私には、このいずれの説も、何か本質的なものが抜けているような気が
します。むろん、それが何かは分かりません。しかし、もっと基本的なところに問題
があるような気がします。たとえば、エントロピーの増大は何故あるのか。それに拮
抗する形で、何故構造化と進化があるのか。
(
星や銀河系も、構造化が進み、進化しています。)
また、何故、マイナスのエントロピーそのものである生命体が発現したのか。そし
てさらに、何故、この生命体に、第三の形態である“意識”が発現しているのか。こ
れは、宇宙の初期条件にまで遡る可能性はないでしょうか。
私はなにも、最初から宇宙開闢の初期条件に逃げ込むつもりはありません。しか
し、生命体のシステムは、複雑を極め、可塑性に富み、存続と展性という意味にお
いては頑丈です。また、生体内および生態系における情報の相互作用は、膨大な
量に及びます。このような超精密システムが、偶然による試行錯誤から合成される
ものでしょうか・・・・・
(
ちなみに、これらの情報は時間軸上で作動します。したがって、全ての情報、認
識の全て、この世の全ては、時間の関数として、心の領域に流れ込みます。このホ
ームページのテーマの一つである、“物”
と “心”の同一性ということを、心に留めて
おいてください。)
繰り返しますが、このような途方もないシステムが、物質進化や科学進化の試行
錯誤から、偶然に合成されるものなのでしょうか。機械やガラクタの山を何百万年も
見ていたら、それが確率論的に構造化し、進化し、試行錯誤の末、ロボットになるで
しょうか。あるいは、そこに海水と化学薬剤を注ぎ、稲妻を降らせたら、生命が発生
するものでしょうか。私には、むしろエントロピーの増大がまさり、全てが風化してい
くように思えるのですが・・・・・
( したがって、重要なのは、物質進化や化学進化ではなく、この宇宙にマイナスの
エントロピーが存在しているということではないでしょうか。それがエントロピーと拮
抗し、今の我々の命の姿があると・・・・・)