「ええ、お久しぶりです...厨川アンです...
10月も末になり、暑かった夏も秋が深まっていく気配ですね...私も、ひと頃は忙し
かったのですが、こちらの方もだいぶ時間的な余裕が出来て来ました。そこで、《企画》
担当の響子さんに、アルツハイマー病の《掲示板》を担当して欲しいと頼まれ、引き受
けました。
うーん...アルツハイマー病というのは、現在話題になっている、難病の1つです。そ
の難病に、発病予測の道が開けて来たようです。米/スタンフォード大学などの研究チ
ームによる成果です...
ええと...その前に、アルツハイマー病について、簡単に説明しておきましょうか。最
近話題になった、“狂牛病/BSE(牛海綿状脳症)”と症状は似ているようですが、プリオン病
とは原因が異なります...」
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アルツハイマー病
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「アルツハイマー型痴呆(Alzheimer's
disease/AD)は、認知機能の低下、人格変化を
主な症状とする、“痴呆性疾患”の1種です...アルツハイマー型痴呆には、次の2つの
タイプがあります...
-
家族性アルツハイマー病
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- アルツハイマー型痴呆の中でも、ごく少数...常染色体優性のメンデ
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- ル型・遺伝パターンのもので、30〜60歳代で発症...
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アルツハイマー型老年痴呆
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- アルツハイマー型痴呆の中で、ほとんどを占める...老年期/60歳
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- 以上で発症...
ええと...手元にあるデータでは、平均発症年齢は52歳となっています...知的能
力の低下に先立つ2〜3年前から、軽度の人格変化があるようです。頑固になったり、
自己中心的になったり、粗暴になったりするようです。また、不安、抑鬱(よくうつ)、睡眠障
害、幻視妄想なども起こるようです...
全経過は、6〜10年と言われています...ともかく、病気に関しての詳しい内容は、
その方面のホームページをご覧ください...ここでは、概略だけを説明しておきます」
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「ええ...この アルツハイマー病に関する最新ニュースですが...
この難病に対し、米/スタンフォード大学などの研究チームが、2007年10月16日ま
でに...“アルツハイマー病の、症状が出始める初期段階において・・・将来的な発病を
予測できるとされる、《血液検査法》を考案した”
...ということのようです。
アルツハイマー病の診断というのは、他の認知症の可能性を排除して行く、いわゆる
消去法が一般的です。診断が非常に難しく、他の病気の可能性を排除して、残ったのが
アルツハイマー病ということのようですね。そのために、どうしても治療の遅れにつながっ
ていたようです。
『ネイチャー(英/科学誌)』に掲載された、最新の論文によれば...発症段階の患者と、
非患者の血液成分を比較...“18種類のタンパク質の濃度”が、患者と非患者では異
なることを突き止めた...という事のようですわ。
つまり...物忘れなどを感じ始めた人など血液を採取し、“18種類のタンパク質の濃
度”を調べれば...将来の発病を、“90%の確率”で予見できるとのことです...物忘
れをしたり、粗暴になったりなどは、よくあることだと思いますが...それが病的になっ
た場合は、そこから、アルツハイマー病を早期に発見できるということでしょう...
大きな朗報だと思いますわ...この検査法が確立され、一般医療として普及するに
は、まだ時間がかかるのかも知れませんが、ともかく道が開かれて来たということです。
ここは《掲示板》ですので、その最新ニュースだけを報告しておきます...」