「高杉光一です」
「ええ、“最新・素粒子論の風景”は久しぶりになります。今日(2000年2月11日)、東京
新聞で“クォーク・グルーオン・プラズマ”に関する最新のニュースを読みましたので
簡単に内容を記しておきます。いずれ日経サイエンスにも論文が掲載されると思い
ますが、ここはニュースとして眺めておきます。
CERN(欧州合同原子核研究所)で、クォークが単独で動き回れる状態“クォー
ク・グルーオン・プラズマ”を実験で作り出すことに成功したといいます。これはビッ
グバンから10万分の1秒後の状態で、1兆度以上の超高温です。すでに、理論的
には予想されていたもので、CERNでは大型加速器スーパー陽子シンクロトロンを
使い、1994年から衝突実験をしてきたようです。
(詳しいことは、論文を読んで改めてページを作ります)
うーむ、それにしてもこの衝突実験は、鉛と鉛、鉛と金の原子核同士を、光速に
近い速度で衝突させるというすさまじいものです。まさに、物質同士を、極限状態で
たたきつけるものです。また、1兆度という超高温も、想像できないものがあります。
うーむ...いずれにしても、宇宙が開闢して10万分の1秒後の状態ですから、まさ
に想像を絶する状況なわけです...」