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 トップページHot SpotMenu最新のアップロード           塾長 / 統括責任者 :  高杉 光一 

 

 

 

   概 論

 

 人の一生は、よく旅にたとえられます。チェスや将棋よりもはるかに複雑

な迷路を、たった一人で旅をしていくわけです。それは、親兄弟といえども、

決して同じ道ではありません。なぜなら、病気になるのも一人ですし、死ん

でいく時も一人です。

 では、私たちは、いったい何処に居て、どの様なを旅しているのでしょう

か。単純に、大地の上に足跡を残しているように見えるのは、ほんの一側

面でしかありません。たとえば、こういう視点もあるのです。

 

 ビッグ・バン宇宙下の相対的銀河空間・・・・・

 あるいは、地球という巨大生命圏のDNA座標・・・・・

 人類という、超個的共同意識体回路・・・・・

 また自らの、発達心理学的過程・・・・・

 

 こうした全体風景は、きわめて複雑で、限りがありません。私たちは、刻

々と足を運ぶ無限の座標から、刻々と変化していく無限の視界を見ている

のです。

 一方、コトがより複雑なのは、私たち自身が、常にこの無限世界と、相互

作用を持っているからです。私たちは、いわゆる純然たる客観的存在とし

て、この世界に居るわけではありません。この世界の、存在そのもの、存

立そのものと、不可分の深い関わりを持ち、今ここに存在しているというこ

とです。つまり、単なる観察者ではありえず、強力な参与者として、全ての

ものと関連しているということです。何故なら、私たちは、この世界を認識

し、この世界で生き、刻々とこの世界を作り上げている者だからです。

 

 私たちは、この自らが居る場所を、“今”と呼んでいます。そして、私たち

は、この“今”の中で旅をしているという側面を持ちます。そこで、あらため

て、この“今”とは、一体何なのでしょうか。この、“今”の、時空構造解とは、

どのようなものなのでしょうか。さらに、この“今”の、人間的側面とは、どの

様なものなのでしょうか。

 

 ・・・・・さて、そこで、質問です・・・・・

 

 過ぎ去りし“昨日”は、一体どこに存在するのでしょうか?明らかに私たち

が過ごした、あの“昨日”は、どのドライブのなんというファイルで保存されて

いるのでしょうか。また、“明日”という時間は、何処からこの“今”に流れ込

んでくるのでしょうか。いや、そもそも“時間”とは、こうした直線的な線上に

あるものなのでしょうか?

 答えは、“昨日”という過去は、存在しません。それは、“今”というドライブ

の、記憶の中にファイルされているのです。全ての歴史そのものも、過去と

いう厳然たる時空間にあるのではなく、実は私たちの記憶の中にあるので

す。また、“明日”という未来も、私たちの期待が作る幻影です。“明日”は、

いつまでたっても“明日”であり、明日が今日になることはないのです。日付

の上で、明日が今日になったとしても、そこにあるのは常に“今”であり、未

来そのものではないのです。

 

 あなたは、どのように考えるでしょうか。自分なりの世界観をお持ちくださ

い。それには、時間や空間をどのように捕らえるかも作用してきます。

 

(1) 絶対時間と相対時間の概念

    時間には、次の二つの側面が在るといわれます。

 

1...“時間”は、“運動”及び“変化”そのものとは、異なっている。

2...“時間”は、“運動”及び“変化”から、完全に独立して認めることは

    難しい。

   

    ここで、1.を強調すると、絶対時間となります。2.を強調すると、

    相対時間となります。

 

     ニュートンの提唱する絶対時間・・・・・時間の絶対主義

      “時間のもつ絶対的な性質において、時間は運動を含むものでは

      ありえない。時間という「質」は、運動にも静止にも、本質的には

      依存しない”

              

     ライプニッツの提唱する相対時間・・・・・時間の相対主義

      “時間は、事物の経過の、普遍的順序である”

      事物を抜きに考えられた瞬間は、無意味である。瞬間瞬間という

      ものは、事物の継続的順序を構成するに過ぎない。仮に、時間

      が純粋な持続であったとしても、我々はそれをどうやって計量で

      きるのか?

 

 ・・・・・さて、自分で、この偉大な歴史的論争、 歴史的見解を考えてみま

     しょう。あなたは、絶対時間と相対時間の、どちらを支持されます

     か?

 ・・・・・ ビッグ・バンは、時間の流れの中で起こったのでしょうか?

                                     (絶対時間)

 ・・・・・それとも、ビッグ・バンは、空間とともに、いわゆる時間をも創出し

     てきたのでしょうか?                    (相対時間)

 

(8月13日・追加)

 

(2) 絶対空間と相対空間の概念

 空間も時間と同じように、絶対空間と相対空間の概念があります。つま

り、場所としての空間と、容れ物としての空間です。あるいは、物質を離

れた空間と、物質に即した空間といってもいいでしょう。

 したがって、絶対時間と絶対空間が一体となり、絶対時空間という概念

になります。また、相対時間と相対空間が一体となり、相対時空間という

概念になります。

 古典力学といわれるニュートン力学は、いわゆる絶対時空間の中

で記述されています。一方、相対性理論の方は、その名の示すとおり、

相対時空間の中で記述されています。

 

(1) 絶対時空間と相対時空間は、どちらが正しいのでしょうか?正直な

ところ、私には分かりません。歴史的には、絶対時空間から相対時空間

の方行へ流れてきましたが、遠い将来、これが逆転しないという保証はな

いのです。

(2) 特殊相対性理論と一般相対性理論では、時空間の概念が異なって

います。これについては、その方面の専門書をお読みください。

(2) 相対性理論のいう相対とは、いわゆる相対性原理をさしています。

もう少し砕いて言えば、特権を持った観測者がいないというほどの意味で

す。

 

 ここで、一般相対性理論について、少し触れておきます。この理論では、

力で加速度が生じるという概念は、完全に外されてしまいます。ここでは、

それは空間が曲がっていると見るのです。つまり、物質の存在及び運動

が、空間の曲率で記述されるのです。

< ここのテーマは “今”の旅人 であり、これ以上深入りするのは避け

ます。ただ、このような概念だということを記憶しておいてください。>

 

   

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