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《 重力波天文学・4
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2016年 5月~6月 |
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5月31日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(297) “参考文献” 『日経サイエンス』/2016・05 特集/重力波 KAGRA始動
神岡鉱山地下1000mに存在した観測装置・・・跡地には現在、<カムランド>が建設され、稼働しています。)が、初 めてニュートリノを補足した時のように…またしても…大宇宙の奇跡が<LIGO>に飛 び込み…ブラックホール連星合体の重力波を…0.2秒間…キャッチしました…」
《 重力波天文学・4 》・・・(298)
【準次世代/KAGRA始動! 】 (2) 日本の準次世代/重力波望遠鏡/<KAGRA>が、いよいよ始動します。準次世代 /<KAGRA>の本格稼働により、重力波の国際観測ネットワークが完成し、重力波 天文学が本格化します」
《 重力波天文学・4 》・・・(299) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (3)
て本格稼働し…2017年には…重力波天文学の窓が、新たに開く事になるわけですね ?」 「まだ…」高杉が言った。「技術的な課題も多いようですが…その様ですねえ」
《 重力波天文学・4 》・・・(300)
【準次世代/KAGRA始動! 】 (4) Gravitational Wave/重力波 ・・・2015年9月14日 の意味です)の捕捉でスタートしましたが… 重力波が、キッチリと捕捉できるのは…2カ所の<LIGO>(ライゴ)と、<VIRGO>(ヴィ ルゴ)、<KAGRA>(カグラ)がそろう…2017年以降、と予想されていました」
《 重力波天文学・4 》・・・(301)
【準次世代/KAGRA始動! 】 (5) ブラックホール連星の合体ではなく…すでに発見されていた、中性子星連星の合体を想 定し、メイン・ターゲットもそこに絞っていたわけですよね。 そして…塾長が強調する様に…約束されていた様な、宇宙スケールの奇跡が、起こった と…?」 「はっはっはっ…」高杉が、白い歯を見せて笑った。
《 重力波天文学・4 》・・・(302)
【準次世代/KAGRA始動! 】 (6) それが…<人間原理ストーリー・・・のバイアス> (/・・・人間原理ストーリーの【原型/人類救済史ストーリーの金型】への偏向・・・その曲率がある座標系でプラスで閉じ ていれば、ストーリーの【原型】へ回帰。曲率が双曲線のようにマイナスで開いていれば、【原型】へ回帰することはなく・・・ つまり、ストーリーは<夢のシャボン玉>のように閉じて漂うことはなく・・・加速度膨張する宇宙と共に拡散していく・・・?) と…考えているのでしょうか?」 「結局…」高杉が、宙を見た。「これまでの経験から…様々なことを推理し…これらの提 示された奇跡を、考えるだけです… デカルトではないが… <吾思う・・・ゆえに吾あり>…の<吾>は…まさに特異点ですが…物理的宇宙観で は、客観性はなく…主観性であり…無視されるわけですね…」
《 重力波天文学・4 》・・・(303)
【準次世代/KAGRA始動! 】 (7) 「この宇宙を…」高杉が、宙を見て言った。「単純に…物理空間と考えるには…そろそろ、 限界が来ているのかも知れませんねえ。 <知>は…心の鏡/相互主体性の座標系(/互いに主体であり・・・その主体/心が、<重ね合わせ> で構成されて発現しているいる世界・・・仏教では、これを複数の曼陀羅/マンダラで示しています )に…映し出され るもの…ですから…」 「はい…」 「デカルトがリアリティーを2分した… <物の領域>と<心の領域>は…それゆえに、それは<統一されて・・・1つのもの >ですから…物理学/宇宙物理学/<物の領域>のみ…というのは、方便(目的のため に利用する、便宜的な手だて)であって、本来、片手落ちなのです…」 「はい…」支折が、ゆっくりとうなづいた。
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6月 1日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(304) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (8)
重力波天体の位置決めは、グローバルに展開した、最低4台の重力波望遠鏡がないと 難しいと言います」 「はい…」支折が言った。「ドイツ/アインシュタイン研究所の<GE600>は…
《 重力波天文学・4 》・・・(305) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (9)
ね、」 「日本の…」高杉が言った。「東京/三鷹市/国立天文台/<TAMA300>も…すで に稼働を停止していたと思われますが…これもムリだったでしょう…」 (・・・・・<TAMA300>は、こちらへどうぞ!・・・・・)
《 重力波天文学・4 》・・・(306) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (10)
「そうです… 重力波天文学でも、電磁波と同様に、より遠くの天体の探索が重要になります。そこで、 すでに、次世代/重力波望遠鏡が、欧州を中心に計画されています」 「はい、」
《 重力波天文学・4 》・・・(307) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (11)
<準次世代・KAGRA>なのです。 今後、この先駆けの<KAGRA>が、カギを握っていく事になる様です」 「ふーん…」支折が、口に手を当てて、うなづいた。
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6月 2日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(308) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (12)
鏡がそろいます。これらの連携で、<全く新しい宇宙像>が浮かび上がって来る、と見 られています」 「それでは…」高杉が言った。「暗黒エネルギーも、分かって来ると…?」
《 重力波天文学・4 》・・・(309) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (13)
に、より深い闇を、覗(のぞ)く事になるのでしょうか」 「うーん…」支折が言った。「ともかく、暗黒エネルギーの正体が知りたいですよね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(310) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (14)
これは…東京大学宇宙線研究所(/梶田隆章・所長は、2015年にノーベル物理学賞受賞)と、高エネ ルギー加速器研究機構/KEK(/小林誠・特別栄誉教授がいます。 『小林・益川理論』で、益川敏英氏と共 に、2008年にノーベル物理学賞)と、国立天文台(/<KAGRA>の前の型となる、<TAMA300>を運用してい た。)を中心に…内外約30の大学や研究機関の研究者/約250人が加わる、プロジェク トです」
《 重力波天文学・4 》・・・(311) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (15)
より深い場所に建設されています。 この地下鉱山には…<スーパー・カミオカンデ>と、<カミオカンデの跡地>に建設さ れた<カムランド>(/東北大学の反ニュートリノ検出器)があり…
《 重力波天文学・4 》・・・(312) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (16)
していて、世界最大規模の地下観測拠点を形成しています」 「塾長…」支折が言った。「<カムランド>や<エックスマス>というのは、どういうもの でしょうか?」 「<カムランド>も…」高杉が言った。「<反ニュートリノ検出器>ですが…
《 重力波天文学・4 》・・・(313) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (17)
リノを検出することができます。 <エックスマス>は…暗黒物質/ダークマターを探索しています」 「これは…」支折が言った。「暗黒エネルギーではなく…暗黒物質/ダークマターの方… ということですよね?」 「そうですね… ええ…2 013年までに発表された、人工衛星/プランク(/宇宙背景放射を観測)の観測結果 から… 宇宙の質量とエネルギーに占める割合は…原子等の通常の物質が4.9%、暗黒物質 /ダークマターが26.8%…そして、ダークエネルギーが68.3%と算定されています」 「つまり…通常の、見えている物質は、5%弱ですかあ…」 「暗黒物質/ダークマターは…全宇宙の質量・エネルギーの、1/4以上を占めます…」
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6月 3日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(314) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (18)
「さて…」高杉が、モニターに目を落とした。「準次世代/<KAGRA>の方ですが… 今年/3月半ばから、試験運転に入っている様です」 「はい…」 「前にも説明しましたが… <重力波とは・・・時空の歪(ひず)みが波となって・・・光速で宇宙空間を伝わる現象> …です」
《 重力波天文学・4 》・・・(315) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (19)
「そうです…」高杉が、うなづいた。「<重力波の・・・振幅>は、<空間の伸び縮み・・・ の変化率>…で表されます。 例えば、振幅が0.5だったら…
《 重力波天文学・4 》・・・(316) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (20)
そして、1秒間あたりの空間の伸び縮みの回数が、<重力波の振動数(/Hz)>であり… そうした空間の変動を観測するのが、<重力波望遠鏡>…という事になります」
《 重力波天文学・4 》・・・(317) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (21)
「<KAGRA>は…」高杉が言った。「同じ長さのパイプ2本を直角に結合した、L字形の 構造をしています」 「これは…」支折が言った。「<LIGO>も同じですね?」 「基本は、同じです」
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6月 4日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(318) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (22)
ー(/光束を2つ(場合によってはそれ以上)に分割する光学装置。 ビームスプリッターに入射した光の一部は反射し、一 部は透過する。分割を逆に作用させると、再び干渉させることがでる。)で2分割し、直角パイプの2方向へ送 ります。各パイプの両端には鏡が下がっていて…レーザー光は鏡に反射し、パイプの長 さを何往復もさせます」 「何往復させて…」支折が言った。「距離を稼ぐわけですね?」
《 重力波天文学・4 》・・・(319) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (23)
するようにします」 「はい…」支折が、うなづいた。 「ここで… もし、<重力波が到来>していれば…直角の空間の距離に、微妙な違いが生じて…
《 重力波天文学・4 》・・・(320) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (24)
て検出するわけです。 これは、<レーザー干渉計>という計測システムの1種です。<LIGO>も<VIRGO >も、<KAGRA>と同タイプの<レーザー干渉計/重力波望遠鏡>で、規模もほ ぼ同じです。 ドイツ/アインシュタイン研究所の<GEO600>はこれより小型で、東京三鷹/国立 天文台/<TAMA300>は、パイプの長さが300mで、さらに小型です」 「<KAGRA>は、3000mですよね?」 「そうです。まあ、パイプというよりは、レーザー干渉計の基線長ですね、」 「あ、はい…」
《 重力波天文学・4 》・・・(321) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (25)
そもそも、13億光年彼方の天体現象が、観測されるものなのでしょうか?」 「まあ…」高杉が、白い歯を見せた。「【一般相対性理論】が提唱されて…去年/2015 年で、ちょうど100年/1世紀になります。つまり…
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6月 5日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(322) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (26)
それほど、【一般相対性理論】の重力場方程式/アインシュタイン方程式は、深遠な真 理を貫いていた…という事です」 「うーん…」支折が言った。「すごいですね!」
《 重力波天文学・4 》・・・(323) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (27)
易です。しかし、実は…真逆/極微の現象なのです。<LIGO>が捉えた重力波の最 大振幅は…<10のマイナス21乗=10-21>…なのです」 「うーん…」支折が言った。「ピンと来ないですが…桁外れの、極微の世界ですよね?」
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6月 6日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(324) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (28)
いますが… それを基準長とすると…今回捕捉した<GW150914>の振幅は、<水素原子が1 個分だけ伸縮>するのに相当します」 「うーん…」支折が言った。「<1天文単位>で、水素原子が1個分ですかあ…」
《 重力波天文学・4 》・・・(325) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (29)
重力波の形で莫大なエネルギーが放出されています。単位時間当たりの、エネルギー 放出量に換算すると…ええと…」 「はい…?」支折が言った。
《 重力波天文学・4 》・・・(326) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (30)
エネルギー量の、50倍にも相当する…という事です」 「うーん…」支折が言った。「宇宙最大級の、爆発現象だという事は、分かりますが…」
《 重力波天文学・4 》・・・(327) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (31)
比較するもののない…想像を絶する爆発現象です。それでも、重力波の振幅は極微でし た。しかし、その極微の現象を、人類文明の理論研究と科学技術が、解き明かしたと言 う事です。それは、大宇宙の基本構造の一端を、確証したということです」 「はい…」
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6月 7日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(328) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (32)
直角に配した、真空パイプの両端に吊り下げた鏡…の間の距離の…微妙な変化です。 基準長が長いほど、重力波による変化幅が、大きくなります」
《 重力波天文学・4 》・・・(329) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (33)
大きさですね?」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「<KAGRAは・・・パイプ長/3km>であり… <反射律が・・・99.99%以上の鏡>で…レーザー光を、多数回往復させます…」
《 重力波天文学・4 》・・・(330) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (34)
その時間を、往復させれば…<1天文単位>かあ…」 「まあ…」高杉が笑った。「そうですね…パイプの中は宇宙空間のように、真空になってい ますから、光速度は一定です」
《 重力波天文学・4 》・・・(331) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (35)
「さあ…」高杉が言った。「ともかく… 直角/2方向に走った光を…再度、逆からビームスプリッターに入れ、今度は光を干渉さ せるわけです。 すると、もし…<重力波が・・・到来>していると、<双方の光路長に・・・違いが生じ て・・・干渉パターンが時間変動>します…」
《 重力波天文学・4 》・・・(332) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (36)
出されるわけですね?」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「さて、次に… <重力波望遠鏡>の…雑音/ノイズ・ハンティングについて考察しましょう…」 「はい…」支折が、モニターの方に目を流した。
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6月 8日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(333) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (37)
が…」 「はい…」高杉が言った。「<ホワイトノイズ/ホワイト雑音/白色雑音>(/あらゆる周波 数成分を同等に含む雑音)もそうですが、まず鏡を静止しなければ、正確な距離が測れません」 「はい…」支折が、うなづいた。
《 重力波天文学・4 》・・・(334) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (38)
繊維状のもの)で吊(つ)るされていますが… このファイバーを通じても、様々な振動が伝わってくる様です。鏡は繊細に設計しても、 様々な要因により様々な振動数で…超精密に言えば、常に揺れています…」
《 重力波天文学・4 》・・・(335) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (39)
「地震は、もちろん…」高杉が言った。「川の水流や、強風、車や人の通行でも、地面が 揺れ動きます。 また…<重力波干渉計/重力波望遠鏡>を構成する様々な装置自体も…さらに、鏡 を吊るすファイバー自体も、振動源になり得るのです」
《 重力波天文学・4 》・・・(336) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (40)
「まあ…」高杉が、宙を見た。「<1天文単位で・・・水素原子1個分の振幅>を…読み 取るわけですからねえ… しかも…鏡は強力なレーザー光を受けて熱を帯び…その熱はファイバーにも伝わり、そ の影響で、鏡面も揺らぐ事になります」
《 重力波天文学・4 》・・・(337) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (41)
ン>を形成する光子の数は…常に揺らいでいると言います。これが<干渉パターン> の、ノイズともなる様です」 「何故…かしら…?」
《 重力波天文学・4 》・・・(338) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (42)
「うーむ…」高杉が、アゴに手を当てた。「<マッハツェンダー干渉計>ですか…」 (/ 詳しくはこちらへどうぞ・・・≪“量子/開かずの扉”の内部は?≫ ) 「はい…」 「うーむ…」高杉が、アゴをひねった。「ともかく… レーザー光は…<コヒーレント光>ですが…完全なコヒーレント光というのも、無い様で すねえ。その辺りが、ノイズとなるのでしょうか…?…」
法で光束を分割した後、大きな光路差を与えて再び重ねあわせても完全な干渉性を示す光。 自然界には完全なコヒーレン ト光は存在しないが・・・シングルモードで発振するレーザーの出力光は、コヒーレント光に近い状態の光です。)
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6月 9日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(339) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (43)
こうしたものは全て…<重力波シグナル>を検出する上での、ノイズであり、しかもノイ ズの方が、桁違いに大きいのです」 「うーん…」支折が言った。「ノイズの方が、大きいのですかあ…」
《 重力波天文学・4 》・・・(340) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (44)
ノイズを極限まで減らす事によって、成し遂げられた部分も、大きいと言われます」 「はい…」支折が、大きくうなづいた。
《 重力波天文学・4 》・・・(341) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (45)
ング>といいます」 「ハンティング…」支折が言った。「常にそうした、外部要因があるわけですね。装置自体 も含めて…」 「そういう事です…」
《 重力波天文学・4 》・・・(342) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (46)
<振り子の構造>です」 「振り子時計のような、振り子ですね?」 「そうです… 振り子には…共振(きょうしん/振動体に固有振動数と等しい振動が外部から加わると・・・振動の幅が大きくなる 現象。音の場合は共鳴ということが多い様です。)が起きる振動数がありますが…それより高い振動数 で支点が揺さぶられても、振動子(しんどうし/・・・この場合は鏡)は動かないわけです」 「はい…」支折が、うなづいた。
《 重力波天文学・4 》・・・(343) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (47)
子>になっているわけですね。 <KAGRA>の鏡は…<何段もの・・・振り子を重ねた構造>で、水平方向の振動を 抑え…垂直方向の振動は、<何段もの・・・バネを重ねた構造>で抑えています」
《 重力波天文学・4 》・・・(344) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (48)
「もちろん…」高杉が言った。「鏡を吊るす<ファイバー>も、極力、熱の影響を受けにく い材料になっています」 「それでも、完璧は無いと…?」 「そうです!」
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6月 10日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(345) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (49)
レーザー光のパワーを上げれば、低減するものです。<KAGRA>は本格稼働では、 約200Wの大強度/赤外線レーザーを使いますが…ただパワーを上げて行けばいい、 というものでもない様です」
《 重力波天文学・4 》・・・(346) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (50)
「パワーを上げると…」高杉が言った。「鏡が受けるレーザー光の、光圧も上がり…それ が鏡を、揺らしてしまう様です」 「うーん…」支折が言った。「ここでも、バランスの最適値を見つける…という事ですか、」
《 重力波天文学・4 》・・・(347) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (51)
<KAGRA>は非常に巨大で、複雑精緻なシステムです。様々な要因が絡み合った形 で、実際のノイズが生じています」 「はい…」支折が、コクリとうなづいた。
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6月 11日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(348) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (52)
これまでは…研究者が知識と経験を生かし、様々なパラメーターを調整して来ましたが、 精緻な、巨大システムでは、対処不可能なっています」
《 重力波天文学・4 》・・・(349) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (53)
自動化を進めています。 完全自動化は…まだ難しい様ですが、自己診断し、ミッションを遂行するのわけで、巨大 なロボットに近くなって行く様ですね」 「<LIGO>や<VIRGO>でも、同様なのでしょうか?」 「そうですね…」
《 重力波天文学・4 》・・・(350) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (54)
「さて…」高杉が、肩を引いて、脚を組み上げた。「ここまでは… <LIGO>や<VIRGO>とも共通しますが… <KAGRA>が、<準次世代/重力波望遠鏡>と呼ばれるのは、次の2つの点で、 より進化しているからです」 「うーん…進化ですか…」
《 重力波天文学・4 》・・・(351) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (55)
<KAGRA・全体>が…神岡鉱山(/岐阜県飛騨市にあった、亜鉛・鉛・銀鉱山)の跡地/地下深部 に…建設されている事です。地下深部は地球表層の喧騒から隔絶し、それだけ、ノイズ が低減しています。鉱山の跡地とはいえ、それだけ費用もかかっています」 「うーん…」支折が言った。「具体的には、どのような効果があるのでしょうか?」
《 重力波天文学・4 》・・・(352) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (56)
下深部というメリットは大きいのです。神岡鉱山一帯が、<世界最大規模の・・・地下観 測拠点>となっているのも、そうした静寂環境が得られるためです。 アメリカの<LIGO>も、イタリアの<VIRGO>も、感度はほぼ同じですが、100Hz(ヘ ルツ/周波数・振動数の単位)以下の感度は、<KAGRA>の方が高くなっています」
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6月 12日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(353) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (57)
<鏡を・・・絶対温度20K(-253.15℃)に・・・冷却>…している事ですね、」 「軌道上の…」支折が言った。「赤外線望遠鏡などは…感度を上げるために、液体ヘリ ウムで冷却していますよねえ、」
《 重力波天文学・4 》・・・(354) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (58)
せるために、極低温にまで冷却するというのは、同じ風景ですね。 ただ…重力波望遠鏡は、非常に巨大で、精緻な観測システムだという事です。いずれ、 宇宙空間の重力バランスポイントを繋ぐようなシステムが構想されていますが、ともかく、 巨大になって行くのは必至です」 「うーん、そうですね…」支折が、宙を眺めた。「地球の公転軌道上に展開する…重力波 望遠鏡の存在する時代が、やがて来るのでしょうか…?」 「うーむ…」高杉も、宙を見上げた。「現在の… <21世紀・大患難>を無事に乗り切れれば…その時代は早急に近づいて来るでしょ う。ただ、<戦争ゴッコ/経済競争>に明け暮れているようだと…視界不良ですね、」
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6月 13日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(355) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (59)
鏡を吊るすファイバーの工夫などでは、ノイズの低減に限界があったからです。それ以上 を求めるなら、<鏡の冷却>が、唯一の、残された手段だった様です」 「はい…」
《 重力波天文学・4 》・・・(356) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (60)
鏡は、常にレーザー光の光圧を受け、それによる発熱をファイバーの熱伝導を介し、外 部に逃しつつ、極低温を維持するわけです。ファイバーの材質も、再考が必要でした。」
《 重力波天文学・4 》・・・(357) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (61)
これを冷却するには、相当なパワーが必要で、冷凍機自体も深刻な振動源になります」 「あ…」支折が言った。「赤外線望遠鏡の様に、液体ヘリウムで冷却するのでは、ないの ですね?」
《 重力波天文学・4 》・・・(358) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (62)
鏡冷却用/クライオスタットが4台設置されています。もちろん、中は真空で、パイプに対 して開かれています」 「直交パイプ…」支折が言った。「<Xアーム>と<Yアーム>で、4台が必要なわけで すね?」
《 重力波天文学・4 》・・・(359) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (63)
無しにするものですが…世界最低振動の、冷凍機を開発した様ですね…ふーむ…」 「塾長…」支折が言った。「クライオスタットというのは…?」 「ああ…これは、冷凍機付き真空槽の事です」
《 重力波天文学・4 》・・・(360) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (64)
クライオスタットは…被冷却物を収納して、その重さと発生する力などを支持できる、断 熱支持構造をもった、低温を保持する装置…だそうです」 「はい…」支折が、うなづいた。
《 重力波天文学・4 》・・・(361) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (65)
<X・Yアーム>に投入され…3km離れたクライオスタットの中の鏡に反射し…ビーム スプリッターの近くのクライオスタットの中の鏡で受け…その鏡の間で、往復をくり返すと ?」
《 重力波天文学・4 》・・・(362) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (66)
今度は、そのレーザー光を反対側からビームスプリッターに投入し、再び光を干渉させ ます。 もし…<重力波をキャッチ>していたら…<空間が伸縮>し…2つのパイプの距離に、 微妙な差が生じます」
《 重力波天文学・4 》・・・(363) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (67)
て、コンピューターが<重力波シグナル>の候補として警報を発し、各研究機関に通 報すると…」 「そう…」高杉が、うなづいた。「それが、<GW150914>でした」 「はい!」支折が、大きくうなづいた。
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6月 14日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(364) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (68)
「まあ… リアルタイムの事は分かりませんが…“参考文献”によれば、今年/3月半ばから4月後 半まで試験稼働して、基本動作を確認した後…
《 重力波天文学・4 》・・・(365) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (69)
2017年度内には本格観測が始まると言います」 「その頃には…」支折が言った。「<LIGO>と<VIRGO>も目標感度に達している、 と?」
《 重力波天文学・4 》・・・(366) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (70)
4カ所の重力波望遠鏡ネットワーク(/2カ所の<LIGO>と<VIRGO>と<KAGRA>)が完成して、 <重力波天体/位置決定精度>も…格段に向上します」 「はい…」支折が、うなづいた。「今度はそこに、光学望遠鏡などの別の観測手段も向け られる、という事になりますよね、」 「そうです… 宇宙に、<重力波の窓>が開き、別の側面が見えてくる事になります。」
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6月 15日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(367) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (71)
差>などから、<天球上の大まかな位置>が求められました」 「はい…」支折が言った。「重力波の手掛かりは、ソレしか無いわけですね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(368) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (72)
るので、位置はかなり絞り込めます。 ただ、<LIGO>2台と、<VIRGO>の3点で構成される平面で、天球と交わる付近に 存在する…
《 重力波天文学・4 》・・・(369) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (73)
が加わる事で…全天の、何処に、重力波天体が出現しても…同精度で位置を絞り込め ると言います」 「でも…」支折が言った。「光学望遠鏡などには、到底…
《 重力波天文学・4 》・・・(370) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (74)
「むろんです…」高杉が、うなづいた。「直ぐに…光学望遠鏡や、軌道上のX線・ガンマ線 望遠鏡を重力波の到来方向に向け、その異変を調べる事になります。 もちろん、<ニュートリノ望遠鏡>でも、捕捉できるか知れません…」
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6月 16日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(371) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (75)
<重力波関連シグナル>の存在が調べられる様ですねえ。これは<マルチメッセン ジャー観測>の一環ですが、どのような観測なのか、詳しい事は分かりません」 「はい…」支折が言った。
《 重力波天文学・4 》・・・(372) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (76)
ごい発見になります」 「<マルチメッセンジャー観測>というのは…」支折が言った。「マルチ/多数のメッセ ンジャーによる、観測という事ですね?」
《 重力波天文学・4 》・・・(373) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (77)
れるのが、<超新星爆発>です。 超新星爆発では…大量の物質の激しい動きで、重力波が生じ、物質密度が急上昇し、 電子が陽子に吸収される反応が、起こります」 「中性子物質ができて行くわけですね」 「そうです、」
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6月 17日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(374) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (78)
的に大放出されるわけですね、」 「そうです…」高杉が言った。「ニュートリノの大放出や、物質の激しい動きで生じた衝撃 波で…
《 重力波天文学・4 》・・・(375) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (79)
体が宇宙空間で、まばゆく輝くわけです。星の最後の輝きですね、」 「今後…」支折が言った。「天の川銀河内や、近傍銀河で超新星爆発が起これば、電磁 波と、ニュートリノと…
《 重力波天文学・4 》・・・(376) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (80)
「そうですねえ…」高杉が、宙を見た。「<超新星爆発>、<中性子星・ブラックホール の・・・形成過程>を…<マルチメッセンジャー観測>で、内部からも観測できれば、 その成果は、はかり知れませんねえ…」
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6月 18日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(377) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (81)
が、正体はまだつかめていません」 「はい?」支折が言った。 「この正体というのが…中性子星やブラックホールからなる連星の合体が…
《 重力波天文学・4 》・・・(378) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (82)
「はい…」支折が言った。「<超巨大なエネルギー放出>で、正体不明だったものです ね、」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「それから… 現存する重元素は、<超新星爆発>の際に生じている、とされますが…
《 重力波天文学・4 》・・・(379) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (83)
という説があります」 「<超新星爆発>よりも…」支折が言った。「巨大な、エネルギー・バーストですか…」 「それを…」高杉が言った。「<マルチメッセンジャー観測>で立体的に観測し…
《 重力波天文学・4 》・・・(380) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (84)
「うーん…」支折が言った。「<マルチメッセンジャー観測は・・・重力波天文学の柱> …になるのでしょうか?」 「そうですねえ…<GW150914>の観測では… <LIGO>のグループは…
《 重力波天文学・4 》・・・(381) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (85)
す。全天監視の所には、<重力波/検出時刻・付近>のデータに、注意喚起していま す」 「どうして…」支折が言った。「協力関係にある所に、絞ったのでしょうか?」
《 重力波天文学・4 》・・・(382) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (86)
え、」 「世界中の天文台に…」支折が言った。「緊急要請すれば…状況が変わっていた可能性 は?」 「まあ、それは、なかったと思います…」高杉が、肩を傾げた。
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6月 19日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(383) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (87)
光学望遠鏡では <ケック>(/ハワイ島マウナケア山頂天文台群にある天文台。10m光学近赤外線望遠鏡を2基保有。隣は、日本の すばる望遠鏡)や、 <パンスターズ>(/4台の望遠鏡で継続的に全天をサーベイ観測し移動天体や突発天体を検出する計画。時間 間隔をあけて撮影した画像を比較することにより、小惑星、彗星、変光星などを発見することができる。この計画の第一の目 的は、地球に衝突する可能性のある地球近傍天体を発見する事)、 電波望遠鏡は、 <VLA>(/カール・ジャンスキー超大型干渉電波望遠鏡群/略称VLA・・・アメリカ国立電波天文台が持つ電波望遠 鏡の1つであり、米国ニューメキシコ州にある。望遠鏡群は、直径25mのパラボラアンテナ27機からなり、<1辺が21kmの Yの字状>に敷設された線路の上を移動させて配置し、観測を行う)、 宇宙望遠鏡は、 <スウィフト>(/NASAのエクスプローラー計画の1つで、ガンマ線バースト観測衛星)、 <フェルミ>(/フェルミ・ガンマ線宇宙望遠鏡。日米欧の国際協力によって開発、NASAによって打ち上げられ、 2008年8月から運用が開始)、 <インテグラル>(/2002年に、欧州宇宙機関 (ESA) が打ち上げた、ガンマ線観測衛星)、 <MAXI>(/2009年に国際宇宙ステーション・きぼう実験棟船外実験プラットフォームに取り付けられた、X線観測装 置。宇宙ステーションが地球を周回するのを利用して、全天を観測。全天のX線天体を監視することができる装置)、 …などです」
《 重力波天文学・4 》・・・(384) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (88)
「深宇宙からの…」高杉が言った。「ニュートリノに感度を持つ、南極/氷床深部にある… <アイスキューブ>(/アイスキューブ・ニュートリノ観測所は、南極のアムンゼン・スコット基地の地下に設置され たニュートリノ観測所。同じ場所にアイスキューブの前身であり技術的な実証となったAMANDAがあったが、すでに稼動を 停止している)、 地中海の深部にある<アンタレス>(/フランスのトゥーロン沖深度2500mの海底に光電子管アレイを敷 設したニュートリノ望遠鏡。2008年より稼動)、 も参加した様ですね」 「アイスキューブも、ですかあ…」
《 重力波天文学・4 》・・・(385) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (89)
これほど…大規模で多様な観測装置が、1つの天体現象を追跡するのは初めてです。し かし、<GW150914>に関連する、電磁波やニュートリノのシグナルは無い様です、」
《 重力波天文学・4 》・・・(386) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (90)
「あっと…」高杉が言った。「ええ…<GW150914>の検出から、0.4秒後… <GW150914>と関連性のある天球領域で、<1秒間ほど・・・ガンマ線で弱く輝く ・・・未知の天体>を、<フェルミ>(/フェルミガンマ線宇宙望遠鏡)が検知していますね、」 「関連があるのでしょうか?」 「不明と言う事です…」 「はい…」
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6月 20日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(387) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (91)
<重力波>の全天観測網の、位置決定精度が向上すれば…<光学/電磁波望遠鏡 と・・・ニュートリノ望遠鏡の・・・観測連携精度>…も格段に向上します、」 「そうですね…」支折が言った。「<GW150914>でも…
《 重力波天文学・4 》・・・(388) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (92)
な事が、見つかっていたかも知れませんよね?」 「そうですねえ…」高杉が言った。「まあ…宇宙的な奇跡に、さらにオネダリするというの も、ナンですがね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(389) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (93)
「ともかく…」高杉が言った。「<重力波天体>が、存在する銀河を特定できた場合… “銀河までの距離”が、“重力波の解析”で正確に分かります。また、銀河の光の解析で、 銀河が遠ざかっている…
《 重力波天文学・4 》・・・(390) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (94)
「“赤方偏移”(せきほうへんい/光の波長が伸びて観測される現象。天体が我々から遠ざかって行く運動。逆に、 天 体が近づく場合は、波長が短くなり・・・<青方偏移>となります。 )ですね、」支折が言った。 「そうです… “距離”と“後退速度データ”が集まって来ると、“宇宙膨張のペース”が、時間と共にどの 様に変化して来たかが分かります」 「はい…」支折が言った。「正確に、分かって来るわけですね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(391) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (95)
上で、非常に重要になって来ます」 「うーん…」支折が言った。「いよいよ、暗黒エネルギーの登場ですかあ…」 「まあ、今…<重力波>と並んで、熱い分野ですね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(392) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (96)
日本国内でも、<マルチメッセンジャー観測>の準備が進んでいますねえ。国立天文 台の<すばる望遠鏡>、神岡鉱山の<スーパーカミオカンデ>などが参加する予定 の様です」
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6月 21日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(393) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (97)
出感度を上げる計画も、進行中と言います」 「はい…」 「<KAGRA>.の始動で、ネットワークが拡充し、より高精度で波形が精査され…
《 重力波天文学・4 》・・・(394) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (98)
可能性があります」 「すると…」支折が言った。「どうなるのでしょうか?」 「まあ…」高杉が言った。「あらゆる可能性の、小さな糸口になるかも知れませんね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(395) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (99)
スピン2、質量0、電荷0、寿命∞(/無限大)、そして重力子は1種類…というのが、定説で す」 「定説…ですか?」 「そうです。しかし、重力子は複数種類あり…
《 重力波天文学・4 》・・・(396) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (100)
力波の観測>から確認できる可能性が、ある様ですねえ、」 「うーん…」支折が言った。「それを<重力波望遠鏡>で、確認できるわけですか?」
《 重力波天文学・4 》・・・(397) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (101)
京都大学/田中貴浩・教授らですね。“参考文献”の協力者の1人です」 「あ、はい…」支折が、コクリとうなづいた。 「その場合…」高杉が言った。「重力子/グラビトンが飛行する間に…その種類が移り変 わる…
《 重力波天文学・4 》・・・(398) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (102)
ニュートリノでこの現象が起きている事を、<スーパーカミオカンデ>が、発見/実証し たわけですが…」 「ああ、はい…」支折が、うなづいた。「それで、東大宇宙線研究所の梶田隆章・所長が、 2015年に…
《 重力波天文学・4 》・・・(399) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (103)
「そうです…」高杉が言った。「梶田教授は、<KAGRA>の代表でもあります」 支折が、無言でうなづいた。 「将来、<重力波の理論と・・・観測とのズレ>が発見され…<重力子振動>が見え て来る可能性が、ある様です」 「うーん…同じアナロジー(類推)ですか…」
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6月 22日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(400) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (104)
「<重力波観測>で…」高杉が言った。「〔一般相対性理論〕と、〔量子力学〕の統合に向 けた研究は、大きな飛躍が期待されている様です」 「あ、そうなんですか?」 「<重力波振動>も…
《 重力波天文学・4 》・・・(401) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (105)
京都大学は…<一般相対性理論の数値シミュレーション>(/現在の重力波の、数値シミュレ ーションの基礎である<BSSN形式>は、1995年に、京都大学の中村卓史・教授らのグループが提唱。)などで、実 績がありますが… 今年の春、京都大学は…<重力物理学研究センター>を設置し、さらに重力波研究を 拡充する計画が進んでいると言います」
《 重力波天文学・4 》・・・(402) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (106)
<カミオカンデ>と<スーパーカミオカンデ>で、ニュートリノの実証実験で実績があ りますが… 京都大学は…理論研究や数値シミュレーションの方を、得意としているのでしょうか?」
《 重力波天文学・4 》・・・(403) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (107)
部外者がアレコレいう資格は無いわけですが…京都大学と言えば、〔中間子論〕の湯川 秀樹・博士(/1949年(昭和24年)、日本人として、初めてノーベル賞を受賞。)が思い浮かびますねえ。そ の伝統が、今も、生きているのでしょうか…?」
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6月 23日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(404) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (108)
<準次世代/重力波望遠鏡>と呼ばれる<KAGRA>は…<基線長3kmの・・・ L字形/レーザー干渉計>ですが…」 「はい…」支折が言った。
《 重力波天文学・4 》・・・(405) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (109)
線長10kmの・・・正三角形/レーザー干渉計>です。 そして…<KAGRA>と同様に、地下深部に建設され…鏡も極低温に冷却すると言い ます…」
《 重力波天文学・4 》・・・(406) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (110)
「そうです…」高杉が言った。「まあ、<KAGRA>の発展型と言えますね。<重力波 の検出感度>は、<KAGRA>よりも1桁向上する様です」 「はい…」支折が、唇を結んで、うなづいた。
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6月 24日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(407) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (111)
「あと、10年…」高杉が言った。「2020年代後半には…稼働の予定と言いますねえ… <KAGRA>の発展型とはいえ、今後の技術的展開は、計り知れません、」
《 重力波天文学・4 》・・・(408) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (112)
「うーむ…」高杉が言った。「<GW150914>が捕捉されて、1年に満たないわけです が、日欧間で技術交流も進んでいる様です。<KAGRA>の成果を、発展させている わけです」
《 重力波天文学・4 》・・・(409) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (113)
ね、」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「2030年代には…<宇宙空間での・・・重力波観 測>も、始まる予定です」 「うーん…」支折が、ゆっくりとうなづいた。「宇宙は、理想的な環境ですよね」
《 重力波天文学・4 》・・・(410) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (114)
いクリアな環境です。 重力波の観測の場合は…まず、<鏡を・・・ほぼ完全に静止>できることと、<鏡の距 離を・・・非常に長くとれる>…ということが、大きいですかね、」
《 重力波天文学・4 》・・・(411) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (115)
「そうですね…」高杉が言った。「まあ、距離が長く取れれば、振動数が非常に低い重力 波を、超高感度で観測できるという事です」 「はい…どんな計画が、あるのでしょうか?」
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6月 25日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(412) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (116)
進めています。いずれも3つの衛星を展開し…<正三角形/レーザー干渉計>…を作 ります」 「うーん…」支折が、口に手を当てて、うなづいた。「次世代以降は… “L字形”から“正三角形”になるわけですか、」
《 重力波天文学・4 》・・・(413) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (117)
日本は、<基長線/1000km>ですが… この違いは、<ターゲット重力波の・・・振動数が異なる>…からの様です。そして、 設定する場所が異なります」 「宇宙では…」支折が言った。「離れた座標に、衛星を配置するだけですよね?」
《 重力波天文学・4 》・・・(414) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (118)
<eLISA>の、<技術実証衛星/LISAパスファインダー>を打ち上げ、現在、地球 から、約150万km離れた<L1・ラグランジュ点>にいる様です」
《 重力波天文学・4 》・・・(415) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (119)
よね?」 「そうです…」高杉が、うなづいた。「太陽系の、地球軌道上の重力バランス点です… 近いものでは…地球を周回する月軌道上にも、何カ所か<ラグランジュ点>がありま す」
《 重力波天文学・4 》・・・(416) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (120)
「<ラグランジュ点>と言っても…」高杉が言った。「そこは、いわゆる点ではなく、かな り広い領域ですが…そこに入ると、天体の重力バランスで、物体が安定した状態で、存 在していられるのです」 「はい…遠い天体の引力に、影響されることもないわけですね、」 「そうです、」高杉が、うなづいた。
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6月 26日 |
《 重力波天文学・4 》・・・(417) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (121)
模擬した2つの装置を浮遊させ、すでに各種の実験を始めている頃でしょうか、」 「うーん…」支折が言った。「そうですか、日本の方は?」
《 重力波天文学・4 》・・・(418) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (122)
前段階として…<基長線100kmの・・・正三角形/レーザー干渉計>が、検討され ている様です。早ければ、2026年~2027年頃の、衛星打ち上げと言います。まあ、そ の頃には、相当に、状況も変わってくると思いますが…」 「はい…」支折が、うなづいた。
《 重力波天文学・4 》・・・(419) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (123)
重力波天文学は… <準次世代/KAGRA>で本格観測の時代を迎え…<次世代/アインシュタイン 望遠鏡>で…宇宙観測の時代へと、道を拓(ひら)いて行くことになります」
《 重力波天文学・4 》・・・(420) 【準次世代/KAGRA始動! 】 (124)
「今後は…」高杉が言った。「各種/電磁波の様に、重力波観測の窓が大きく開き、おそ らく、<暗黒エネルギーの正体>にも、接近して行けるのかも知れません」 「はい! ええ… 【準次世代/KAGRA始動! 】 はこれで終ります!」
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