北京でオープンカーを探せ!〜北京の車事情について
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 1999年11月18日より23日まで、北京を訪問した。 この時に私が見た北京の車事情について少し書いてみたい。 北京訪問は2回目であるが、今回は訪問する前から「どんな車が 走ってるかしっかり見てこよう。ひょっとしたら ロードスター とも 遭遇できるかも…悪くてもオープンカーは発見したいな」と気合が 入っていた。 その為か街を歩いていても車ばかりに目が行ってしまい、妻に 「車ばかり見てるでしょ」と言われるはめになった。(笑)

 北京訪問前の話であるがテレビを見ていると、 フェラーリF360モデナの中国第1号納車の様子を ニュースでやっていた。購入者として写っていたのは若い女性。 このことからも、かなり面白い車に出会えるかも…と期待して いたのだ。中国では貧富の差がかくだ〜いしており、車は一部の 人にしか買えない贅沢品には違いない。しかし、都市部では 市場経済を支える中産階級も育ってきており、嗜好品としての 車文化も育ってきているはずなのだ。(←想像)日本のメーカーが 合弁会社を作って生産を開始したというニュースも聞くしね。

タクシー
 タクシーは運賃の上がり幅によって何種類かがあるようだ。街中では1.2元タクシー、 1.6元タクシーをよく見る。1.6の車種は大抵シトロエンかVWだ。1.2の方は国産?の 赤い小型車。去年は白い軽のワンボックスみたいなタクシーにも乗ったな (注)。 タクシーはくすんだ赤か、黒っぽい色のことが多い。
 うじゃうじゃ走っているので、これまた便利。外国人にとっては運賃も安く感じる。 使い方は日本と同じ。一人で乗る場合は基本的に助手席に乗るらしい。運転席とは 仕切り板で仕切られており、双方の安全を確保している。
 タクシーに乗っている間はメーターに注意していよう。外国人と見るやメーターを こそっと進める悪質な運ちゃんもいるらしいので。高いと思ったら、とりあえず値段 交渉をしてみてもよいかも。初期運賃はどのタクシーも10元だったような。市内の 移動であればこれに数元が追加される程度である。
 白タクも多いみたい。私も万里の長城に観光にいったり、空港に行ったりする時は 奥さんが馴染みの白タク運ちゃんに来てもらった。白タク運ちゃんを利用する場合は 携帯で予約をしておく。運賃は当然メーターがないので、交渉次第。今回の場合、 万里の長城往復(約3時間)で300元だった。タクシードライバーは北京で今稼げる 商売の一つなんだそうである。

(注)後日中国通の方に伺ったところ、この1元タクシー は大気汚染の一因として、当局により一気に利用停止となったそうである。今年、 全く見かけなかったのはそういうわけだったのか。あんなに走っていたのに 一体どこへ行ってしまったのだろう…。

バス
 普通の2台分ある大きな連結バスが市内を走ってる。タクシーに比べると安い。 元の下の毛(分)の単位。距離によって料金は変わってくる。いつもラッシュ 時のように混んでいる。したがって、スリも多いらしい。 三桁の系統ナンバーを付けて走っている。本数も比較的多いので便利。
 バスに乗ると車掌さんに行き先を告げてチケットを 購入するというのが料金の払い方。中国語の発音に自信のない人は 予め行き先と人数を紙に書いておくか、地図を用意しておいた方が良い。 降りる時は必死で降りる。しかし私のように同じバス停で降りる女の子 までも押しのけてしまい、「何なのよ!」と怒られたりしないように。
 例によって、白バスもある。勝手に系統ナンバーを掲げて公営のバスと 同じルートを走っているらしい。小型のマイクロバスが多く、空いている。 もちろん、料金は少し高め。少しお金を余計に出しても先を急ぐ人、 ゆっくり座りたい人などが利用するらしい。

交通マナー
 最悪である。交通ルールはほとんど存在しない。したがって弱者である 歩行者は命がけである。道路を横断しようにも横断歩道は市の中心部と交差点を 除いて、ほとんど見当たらない。したがって車の間隙をぬって横断する ことになる。現地の人々は強気なものでそんなときでも決して走らない。 走っているのは外国人である。
 ドライバー側にしても、反対車線に出て追いぬきをかけるなんて ことを平然とやってくれる。しかも対向車が目視できるのに、 である。彼等にとっては車線も中央分離線もほとんど無意味なようだ。 大してパワーのない車でスピードもかなり出す。 何も知らずにタクシーに乗ったらカーチェイスのスリルを味わえること 請け合いである。
 手元にある本によると中国の交通事故死亡者は95年で7万人だそうである。 最近はもっと多いであろうことは容易に想像できる。

道路事情
 さすがに車道は広く、最低片側三車線くらいの幅はある。それに自転車用 車線や歩道などがあるのが、市内の標準的な道路の形と言える。市内は 基本的に碁盤目状に道路が走っている。過去に城壁があった部分は環状線 のようなかたちで大きな道路が整備されている。
 それに対して、区画の中、つまり路地に入ると道はかなりいいかげんである。 道だか、人の家の中だか分からないような道路?もかなりある。 車など通れないところも多い。
 と、幹線道路については比較的整備されていると見えるが、近年は車が急増して おり市内の渋滞が慢性化しているらしい。本格的な普及はこれからだと言うのに… 結局市内の車は台数制限をかけないとトンでもないことになるだろう。
 市外から郊外に抜ける高速道路もある。空港線以外は無料で ある。高速道路の利用料が高い日本を考えると、うらやましい話だ。道路の 雰囲気などは日本と大差ない。中国では車は右側通行であるので、左側が 追い越し車線?らしい。高級で安定したスピードを出せる車は大抵左側を とばしている。もちろん、走行車線でもそれなりのスピードでバトルしているが。

ショップ
 ディーラーは幹線道路沿いにあり、見かけは日本にあるのとそう変わら ない。車の中から眺めただけなので詳細は不明である。
 三里屯という、大使館が多くおしゃれとされる街の外れに自動車部品屋が 集まる通りがある。小さい店が道の両側に並んでいる。ホイールや工具、 中古パーツなど、一通りのものは揃いそうだ。道路の脇で事故車の解体を していたり、フレームだけになった車が歩道に立てかけてあったりして なかなか面白い。観光客もおらず、ゆっくり散歩できる。…普通こんな ところを散歩するやつはいないと思うが。工具などが 安いかも…と思ったが、持って帰る苦労を考えて自制した。
 他にも洗車屋や、修理屋などが市内に点在している。思ったより 数も多い。洗車サービスを利用している人は多いように見うけられたが、 北京では1日走ればまた埃まみれであろう。労働力が安い中国では ああいう労働集約型のサービスは思いっきり安いのかもしれないが、 むなしい行為と思えなくもない。

車種
 さて、肝心の街中を走っている車であるが…。
 去年と比較しても多様な車を見かけるようになった気がする。 特に日本車は増えたかも。
 街を走っている車は昔から合弁をやってるフォルクスワーゲンとか、 シトロエンが圧倒的に多いかな。次にヒュンダイなどの韓国車や国産の車と 続く。
 高級車ではボルボとベンツ。これは輸入物だろう。四駆系では JEEPが合弁みたいで北京JEEPと付いたチェロキーが多い。
 日本車は、トヨタ、ホンダ、日産、マツダ…今のところ少数派ながら 一通り走っている。どれも現行型かそれに近いもの。最近はホンダに人気が あるようで、レジェンド、オデッセイ、アコードからシビックフェリオまで 一通りの車種を目撃。
 我らがマツダではランティスの4ドアを数台見かけた。 マツダのエンブレムはちゃんと今の○にMマークのもの。海外向けに今でも 作っているのか?
 スポーツカーでは、
  ・200SX(シルビア?)
  ・セリカ(丸4灯の二代前)
  ・セリカコンバーチブル(同 オープンカーだ!
  ・GTO
  ・アルテッツァ
あたり。セリカが多いようだ。他の車は全て一台ずつ。 オープンカーもいたけど、幌は閉めていた。北京は埃っぽいので 私でもオープンにしようとは思わないかも。ジープ系だって、 幌を閉めていたし。唯一、クラシックタイプの車(スーパーセブン 型?と言うのか)が屋根無しで走っていたのを見かけた。 あっぱれである。ロードスターは…発見できなかった。うぅ。こうなったら NA&NB Roadster北京語版を作って情報発信だ!と決意を固める。
 他には…超高級ホテル、ケンピンスキホテルでは水色のポルシェもとまって いたぞ。これは二代か三代前くらいのカレラだった。

その他
 本屋さんで車雑誌を探してみる。おっとかなりたくさんあるぞ! しかし、開いてみると、漢字が簡体字ではない。どうやら香港、台湾のもの らしい。う〜む、今一つ納得がいかん。結局街中の本屋では大陸で作っている ものは発見できなかった。
 ところが、帰国時、霧で飛行機が遅れた為時間をつぶしていると、空港の本屋で 発見。「中国汽車画報 China Auto Pictorial」という雑誌である。 表紙はナント、プリマス・プラウラー。面白い。もちろん購入してきた のでそのうちスキャナで読みとってupしたい。 (表紙Z8の紹介記事その本文
 私が見た限りではレンタカー屋というものは見当たらなかった。上記のような 状況であるので外国人はあっても乗らないほうが無難である。

追加情報。ガソリン尾の値段は、1リットル=1升=2元5角。日本円で、30円〜35円くらい?


Last Update 2000.3.10

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