体力消耗と引き換えに
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 オープンのまま浜松を出て名古屋を目指す。しかし、道はだんだんとクルマで一杯に…気温もぐんぐん上昇する。 走っているときはまだ良い。渋滞し出すと大変だ。あ暑い…これはたまらない。日陰でクルマが止まると心の中で ほっとする(ひょっとしたら顔もほっとしてたかも)。 正直に白状すると、私は夏のオープンカーを体験したことがない。前のロードスターの時も とても良い気候のときしか乗ってなかった。この日は10月とは言え、ほとんど真夏のような天気。 照りつける日差しも体に刺さるよう。こ・これが夏のオープンか…。
 しかし、私もオープンカー乗り。暑いからと言って幌を上げるのは納得がいかない。快晴なのである。 秋なのである。トリさんの爆撃があるわけでもない。今しないでいつオープンにするというのか。 途中、反対車線を走る同じ赤のNBロードスターとすれ違う。幌を上げていて快適そうだ。ドライバー 同士目が合って、お互い思わず笑ってしまう。「そっちじゃないよ。広島はこっちだよ」と声をかけたく なる。最後に一言付け加える事を忘れずに。「オープンにしようよ。ロードスターなんだからさ。」
 名古屋を通過…次は桑名…もう三重?…なんと渋滞はまだ続いている。もう日は傾き 始めている。しかし、まだ暑い。私の体力も限界に近づいてきた。身体がだるい。クラッチを踏む 左足の膝関節が痛い。のども乾いている。うぅ…あ、デニーズだ。どうしよう。休憩したい。でも 先を急がなきゃ…
 しばしの葛藤のあと、私はデニーズの駐車場にいた。席について出されたお冷を飲み干す。しかし こんな程度では、全身火照っている今の私はクールダウンしない。おかわり。
 「ご注文はお決まりですか?」
 「レモンフレッシュジュース。それだけ。」
 すぐ出てきた。これがまた美味い。酸っぱさがたまらない。デニーズでは現在位置をお知らせするメール を一本書いただけですぐクルマに向かう。浜松で購入し、トランクに入れておいたお茶を取り出すと すっかり「あたたか〜い」になっていた。ちょっぴり悲しい。それでも再び炎天下のアスファルト道路に 向かうのだ。
 道が滞ってロードスターが停止したとき、「チチチチ…」と2羽の鳥が戯れるように飛んで行った。 真上を向いて目で追いかける。さえぎるものはない。この瞬間、疲れは消えていた。
 ん〜やっぱりオープンだね!

Last Update 1999.10.30

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