南半球ニュ−ジ−ランド、日本とは丁度反対の位置と言っても良い
島国に分布するクワガタである。それほど大きくなる種ではなく、
普通、大サイズといっても35mm止まり、大型個体は頭部が良く発達し
他のワガタにはない特異な形態を持っている。
このクワガタ
を初めて観た時、その形態的なおもしろさと雰囲気には独特のものがあり
とても印象に残ったクワガタだった。
非常に少ないが40mmをこえる超特大個体(載せた個体は33mm)はさらに異常
とも思えるくらい頭部と前胸が発達し、頭部と上翅(腹部)との関係はユーモラ
スに見えるほどアンバランスになってしまう。
この種は以前から写真で知っていたのだが、
なにせ標本は少なく、永らくは実物を見る事もまま成らず
、とうぜん手に入れる事も不可能に近かった。
ようやく観る事が出来たのは近年の事で、フェアで売りに出されてた
標本であった。
本物とはその時が初対面となったのだが、それほどは大きくない未展足
の個体、価格も含め甚く感動しながら長時間眺めていたものだ。(笑)
やっぱり実物を前にすると数段良くみえたのである。頭の中で燻っていたものに
火がついてしまった。(熱)(笑)
最近になり、ようやくこのクワガタも本邦に入っているようだが、
聞くところによると採集は楽ではないようだ。元々生息数も多くはない
らしく、飛ばない歩行性のクワガタの常なのか?ポイントでも分散して生息して
いるそうだ。効率良く採集する方法は無いといってよく、体力勝負で採集するしか
ないとの事である。
ニュ−ジ−ランドは北島と南島に分かれているが、この種は北島には見つかって
おらず南島とその南に有るスチュア−ト島に分布している。
この Godorcus helmsi に近い種は、同じ南島に Godorcus philpotti
がいる。それと本島からはかなり離れたチャタム島には
Godorcus capito が知られる。
これ以外にもいるらしいがまだ写真も見た事がない大珍品ばかりだ。
もし飼育を始めることが可能だとしても
生息地と同じ環境を整えるのも大変!幼虫は泥食いだとの事で、この手の
クワガタを産卵させるのはかなり困難だと想像出来る。
日本産のフレーク食い(マルバネ・ネブト)を産卵
させる事も成功していないという状況の飼育下手としては、(真面目にやっている
のにだ、泥食いは相性が悪い(汗))
何とか飼育の達人に累代を成功させて欲しいものである。
なんとしても、40mmを超える頭でっかちを見てみたいのだ〜〜(笑)
と言うわけで、自分では飼育してません。
2001/3/18
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