『おんぶおばけ』レビュー

最終更新日: 2004/10/03 (2007/01/02 サブタイトルリスト追加)

脚本はサブタイトルの直後

　1972〜1973年に放送された作品で、妖怪退治ものではなく、一種『日本昔ばなし』的なものです。 舞台は江戸時代の田舎の山村といった雰囲気で、主人公の「おんぶー」がおじいさんのもとに居候している様子です。 おんぶーは翡翠から生まれた「おばけ」らしく、「カエル泳ぎ」で空を飛べたりしますが、村人はおんぶーのことをただの村の子供の一人として見ているようです。

　今まで作品に関するデータは全くありませんでしたが、2006年12月にエイケン公式ホームページにサブタイトルリストが掲載されました。 雪室さんが半数以上書いていることがわかりました。

　偶然にYahooオークションで2話入りのDVDが出ているのを知り購入しました。 見てみたところ、家庭用ビデオの録画をマスターにしたようなもので、画質はほぼ最悪に近く、おそらく海賊版ではないかという印象を受けました。

　しかし調べてみたところ、販売元の(株)ニューシネマジャパンはアダルト作品を販売しているちゃんとした会社で、このDVDの属する「アニメの王国」シリーズDVDは子供向け直販の低価格品らしいのです。 それで、メニューの構成がちょっと普通じゃない(笑)わけですね。 というわけで、どうもちゃんとした正規品らしいですが、普通のDVD店や通販では見つけることができません。 ディスカウントショップなどの店先で見つけるか、ネットオークションで購入するしかないようです。

第24話「おむすびコロリン」、第16話「すずめのつづら」

おんぶーとおじいさん

ストーリー: 「アニメの王国」シリーズの「おんぶおばけ02」にはこの2話が入っていますが、両方とも雪室さんの脚本です。 それぞれ昔ばなしの「おむすびコロリン」「舌きりすずめ」と関係したストーリーですが、最初は全く違った話から導入されています。
「おむすびコロリン」では、隣のおじいさんが突然周りの人々に難癖を付けるようになります。 その理由をひそかに知ったおんぶーも、うちのおじいさんが他人の悪口を言っていたと言いふらすようになります。 村は大騒ぎになりますが、真実を知ったおじいさんは、おんぶーに「おむすびコロリン」の話を聞かせてやるのでした。

感想: 内容は、昔ばなしとオリジナルの話がミックスしたような感じで、昔ばなしの持つ皮肉っぽいテーマをベースにして、なかなか面白い作品でした。 完全に「雪室節」です。
おんぶーのキャラクターは後の「チョビン」や「ベビルくん」にもつながっていると思いますが、かなり人間の子供に近い存在でした。 無垢で素直ないたずらっ子で、かわいいですね。

雪室さん脚本作品のサブタイトルを一覧にしました。元データはエイケンの公式ホームページです。 雪室さんの他には、辻真先、城山昇、広山明志の3氏が脚本に参加しています。

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