『ニルスのふしぎなたび』(書籍版) レビュー

最終更新日: 2004/07/17


表紙カバー紛失品

1979年12月25日 学習研究社発行、学研絵ものがたり 33、原作: ラーゲルレーフ、絵: 松田辰彦

ストーリー: ニルスは乱暴でなまけ者の男の子。両親もすっかりニルスのことをあきらめてしまっています。 家の守り神の小人 (トムテ) を虐待したことで、ニルスはトムテの魔法をかけられ、小人にされてしまいます。 動物の言葉がわかるようになるものの、ふだん乱暴ばかりはたらいていたため家畜から仕返しを受けます。
そんなとき、家畜のがちょうの一羽であるモルテンが家から逃げ出すます。ニルスはモルテンにつかまって、渡りの旅に出るのです。

感想: アニメ版の放映開始は1980年の1月、制作会社も同じ学研ということで、この書籍版はアニメと連動した企画ではないかと思われます。 その一方で、挿絵のキャラクター設定はアニメとは違っています。雪室さんの文章も、おそらくアニメとは別に書かれているのではないかと思います。
あとがきにも書かれているように、この原作は地理の副読本的内容を持つものでしたが、雪室さんは、なまけ者であったニルスが厳しい環境に投げ出されたことで、しっかりした少年に更生していくストーリーを基調に書き直しています。 とはいえ、内容も一種の冒険ものですので、わりとからっとした印象の作品でした。



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