『魔女っ子メグちゃん』レビュー

最終更新日: 2001/06/19

 東映魔女っ子シリーズの集大成的作品。魔女の国から修行のために人間界に来たメグが主人公。ややお色気路線もあり「萌え」の元祖と言えるかもしれない。


第63話「七夕の青い星」(1975/07/07放映)

脚本クレジットはOP/ED両方に入ります。これはOP。

ストーリー: メグの母に魔女の国から一通の手紙が届く。それは「ブルーレター」と言って魔女の国の国家試験の通知だったのである。 七夕の日に行われる試験で、メグの母がうまく魔法が使えないと、魔女の国に強制送還されてしまうのだ。 メグと母は秘密の部屋で魔法の特訓を開始する。
しかし、夜に星を見に来た勇太くんが秘密の部屋をのぞいてしまう。 勇太くんは「七夕の天の川は去年死んだ人が星になって帰ってくる」と信じて、去年他界した母を追いかけてきたのだ。
物語はメグの母の国家試験と、勇太くんの七夕が、並行して進むことになる。そしてチョーさんのいたずらもあり、七夕の日にとんでもない事件が起きる。

感想: 完全に2話分のストーリーが、「秘密の部屋」「七夕」を接点に進行していきます。またそこには「自信喪失」という共通のテーマも盛り込まれています。 テーマ、ストーリーともに雪室氏らしい作品と言えるでしょう。「亡くなった人への思い」は、得意のテーマの一つですね。 それから、この「青い星」はおとめ座の「スピカ」なんですね。『シャルロット』に出てくる「スピカ」とも重なるものを感じます。

★これは名作★



第66話「霧の中の朝刊太郎」(1975/08/04放映)

ストーリー: 霧の深い朝、メグの家に新聞が届いていなかった。それだけではなく、あたり一帯の新聞が抜き取られていたのだ。 次の朝、メグは新聞を抜き取っていく少年を尾行して捕まえる。 しかし少年は「二人組のマンション強盗、おじいさんが焼け死んだ、かわいい子供が車にひかれた、一家無理心中、楽しいことなんて一つも出てないだろ」 「それとも君は他人の不幸を喜びたいのかい?」と言って、逆にメグに手伝うように誘うのである。

感想: 本当に暗いニュースばかり。そんなものが満載の新聞を毎日、なんで読んでいるんだろう。こういう気持ちが元になっているのだろうか? 救いのないラストシーン。視聴者にこびた現代の魔法少女アニメでは絶対にできない話だと思います。


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