『ゲゲゲの鬼太郎』(第4作) レビュー

最終更新日: 2016/11/06

 第4作がCSで再放送されていたので(75話まで)通して見てみましたが、全体に怖くないし、鬼太郎が注意力散漫すぎるし、話がワンパターンだしで、個人的にちょっといまいちでした。 第3作よりは原点回帰というコンセプトだったそうなのですが、自分の基準が第2作なので、比べる相手が悪いだけなのかもしれませんが…。

 そんな中で雪室さんが書いているのは6本だけですが、どれも雪室さんらしい話になっていて楽しめました。 実は「あずきちゃん」、復帰した「サザエさん」と執筆時期が完全にかぶっているうえに、最初の方は「キテレツ大百科」とも重なっています。 脂ののった時期とはいえ、どうしてこんなに傑作を量産できるのか不思議です。 あと、島田満さんの脚本も異色作が多く面白かったのですが、こちらも本数が少なくて残念です。



第3話「ギターの戦慄! 夜叉」(1996/01/21放映)

ストーリー: ギターの旋律で魂を操り食べていた夜叉が、うかつにもネズミ男の魂を食べてしまう。 魂を抜かれたネズミ男は、意識を失い「たま…」とうわごとを言うばかりだったが、ついに絶命してしまう。 ネズミ男の魂で腹をこわし苦しむ夜叉は、口直しに?生きた子供の魂に手を出す。 跡を追いかける鬼太郎は、地下鉄の線路脇で魂をゆでようとしている夜叉を発見するが、ギターの音で自由を失い…。

感想: 第2作の「怖さ」がしっかり生きていて、これは本当に怖いです。 夜叉の立ち振る舞いやギターのアルペジオに、そして地下にうごめく謎の死霊に、子供が見たら震え上がるのではないでしょうか。 夜の墓場や、モンタージュ的に挟まれる電車の演出も、効果的です。
そして、ネズミ男の使い方がすごくうまいです。 ネズミ男と夜叉の話を並行させながら、最後はネコ娘も活躍して魂は取り戻しますが、余韻を残した結末も含めてすばらしいです。

★これは名作★



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