『天才バカボン』レビュー

最終更新日: 2004/01/11

 子供のときに見た記憶だと、バカボン親子がムチャクチャ馬鹿で非常識なナンセンスギャグアニメだったのですが、今見ると意外とまともです。 ピストルを撃つばかりのおまわりさん、レレレのおじさんといった特異なキャラクターが印象に残りますが、ストーリーは意外なほどちゃんとした構成になっています。

 キャラクターについても、特に、バカボンは結構まともな子供だったんですね。 もしかすると、あのパパとうまくやっているバカボンのママが一番変人かもしれないと思ってきます。 バカボンの友達のさくらちゃんの顔の崩れっぷりが、70年代だな〜と感じるところです。


第11話後半「きょうは だいじな日なのだ」(1971/12/04放映)

ストーリー: ママの誕生日がやってきた。しかし、パパは今日が何の日であるかわからない。 教えようとするバカボンとはじめを意地でも拒むバカボンのパパ。

感想: 教えられまいと意地を張るパパの様子が、とても面白い。結局、パパは何と「誕生日」という概念からしてわかっていなかったというのが、大爆笑である。

第17話前半「夜まわりは こわいのだ」(1972/01/15放映)

テレビの男が言う「西から登ったお日さまが東へ沈む。これでいいのだ」

ストーリー: バカボンの家に夜まわりの順番がやってきた。バカボンのパパはお化けが怖くて出たくない。ママに雷を落とされてしかたなく夜まわりに行く。 夜まわりの途中で酔っ払いに会い、パパは意気投合してお化けのふりをして通行人やお巡りさんを驚かす。 結局、泥棒を驚かせてつかまえて、夜まわりは大成功。これでいいのだ。

感想: 15分番組だけど、起承転結があるしっかりした内容。 むしろ雪室作品としては起承転結過ぎるかもしれないが、バカボンのパパが、絶対に普通の人はやらないことをやるところが面白いので、これはこれでいいのだろう。


第24話後半「ナポレオンは ぐっすり眠るのだ」(1972/03/04放映)

ストーリー: 深夜1時にバカボンの目覚まし時計が鳴る。バカボンはナポレオンの伝記に触発されて3時間しか眠らないことにしたのだ。 おまけにパパまでこれに付き合う始末。 そのせいで学校で居眠りばかりするバカボンを、凡田先生は誤解してしまう。

感想: 誤解に基づくストーリー展開は雪室さんの十八番ですが、ここでも短い時間の脚本ながらうまく構成されていると思います。


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