『ひみつのアッコちゃん』(第1作) レビュー

最終更新日: 1999/夏ころ


第24話「10000円で大冒険」(1969/06/16放映)

アッコちゃん、好き好き〜

ストーリー: アッコの貯金が1万円になった。泥棒に取られないかとか、通帳の置き場所をどうしようとか悩んでいる様子を番長に見られ、守銭奴だとばかにされる。 番長に「今日中に1万円使ったら泣いてあやまってやるぜ」と言われたアッコは、頭に来て貯金を全部おろし、銀座で1万円を使おうとする。 変身して物を買おうとしたり、1万円のフルコースを食べようとしたりしたが、結局使えないで残ってしまった。 しかたないので、貧乏そうな新聞売りの少年にあげちゃおうとするが、少年に「オレだって1万円くらい持ってるぜ」と売上げの硬貨の詰まった袋を見せられる。 お金の一銭一円の大切さに気づいたアッコは、硬貨1万円分と1万円札を交換してもらう。

感想: このストーリー、ものすごく省略しました。エピソードがむちゃくちゃ多いです。「あずきちゃん」で普通のアニメ2話分以上と言いましたが、この話もまさしくそうなっています。 リズミカルに次から次へと新たな展開が出てきて、それでも全く散漫にならない構成はさすがです。そして最後にはお金の大切さという教育的内容を、全く不自然さを感じさせることなく提示しています。(ちなみに当時の1万円は今の10万円くらいでしょうか?)
それに、アッコはお金を使うために変身はしますが、変身に頼って何かを解決しようという姿勢は全くありません。魔法少女ものでありながら、変身なしで十分にストーリーができているのです。 「あずきちゃん」のような変身も特技もない主人公であれだけの脚本が書ける才能は、この時代からすでに現れていたことがわかります。いやこれは名作でした。

★これは名作★



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