『あかねちゃん』レビュー

最終更新日: 2005/06/26


音符が飛び出てタイトルに北小路秀麿と犬のチビ
指人形のカンナちゃん妹のさくら
脚本はOPに出ますアイキャッチ

 原作はちばてつやの『みそっかす』。単行本(4冊)化にあたり『あかねちゃん』と改題されました。アニメも『あかねちゃん』です。 原作では、放浪画家の叔父に育てられたおてんばの主人公、上条茜が裕福な家に戻り、規律の厳しい白樺学園で問題を起こす…というストーリーになっている。 同じちばてつや原作の『ハリスの旋風』とともに、アニメに嫌気がさしていた雪室氏に衝撃を与え、アニメ脚本界に引き留める作品になった。

 脚本関係の雑誌のアンケート(1981年)の「ご自身のアニメ作品で、もっともお好きな作品は?」という問いに、雪室氏は『あかねちゃん』と答えている。 ファンとしてはぜひ見てみたい作品であるが、モノクロ時代ということもあり、再放送や全話メディア化は難しそうである。

主題歌

 「東映TVアニメ主題歌大全集1」(2002年6月、東映ビデオ、5800円)というDVDに本作のオープニング/エンディングが収録されていました。 主題歌は「ドカン ポンカン トンチンカン」で始まる60年代っぽい変な歌詞ですが、画面いっぱいに暴れまくる、おてんばなあかねちゃん、そして、上品な家や学校に溶けこめない様子がよくわかる、いい出来のオープニングだと思います。


ついに登場・傑作選

 「東映アニメモノクロ傑作選Vol.3」(2005年5月、ブエナ ビスタ、9800円)というDVDに『あかねちゃん』4本が収録されました。うち、第1話〜第3話が雪室さんの脚本で、メインライターであったことがわかります。

 最初の3話はほぼ原作の流れで、和歌山のおじさんとの別れと上条家での問題児ぶり、白樺学園への入学と退学、北小路秀麿に気に入られるといったストーリーです。 原作の雰囲気がそのままアニメになった感じで、コラムで「ちばてつや作品の虜になった」と書いているのがよくわかる気がします。

 意外だったのはモノクロアニメでありながら決して古くさい印象を受けないことで、ちゃんと人間の内面を書いているから時代に流されないのですね。 また、作画も結構しっかりしていて、見ているうちに古いモノクロ作品であることを忘れてしまいそうでした。 コラムで「黄金のモノクロアニメ」と書かれているのは、決して思い出が作り出した誇張ではなかったのです。


傑作選収録サブタイトル一覧
話数サブタイトル脚本演出作画監督
1みそっかすが やってきた雪室俊一永樹凡人小泉謙三
2あかれと ひでばろ雪室俊一山口康男高橋信也
3すすめ!! みそっかす雪室俊一白根徳重落合道正
4死んじゃいやチビ   
23あかねの ペナント安藤豊弘勝間田具治木村圭市郎
24秋空高く   

 ※ 4話、24話は予告編のみ収録です。


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