『あいつとの冒険』レビュー

最終更新日: 2011/05/03


タイトルバックは高校の校庭
モノクロ作品です
CS番宣用(こんなシーンは無い?)

『あいつとの冒険』(1965年日活作品、88分、監督: 堀池清)

ストーリー: 「学校にも家にも知られず、ふらりと旅に出る」−高校の同級生の葉山(太田博之)と安田(富松千代志)は仮病で修学旅行をサボって、二人だけの旅行に行こうと計画を立てていた。 その計画を探知した学級委員の宗方紀子(太田雅子、後の梶芽依子)は計画を止めさせようとしていたが、なぜかいっしょに旅行に行くと言いだし、三人で修学旅行をサボり伊豆に行くことになる。
だが、突如安田が旅行に来られなくなり、高校生の男女が二人だけで旅行をすることになってしまった。 旅は修善寺から湯ヶ島、天城峠を越え、石廊崎、松崎、堂ヶ島、下田と南伊豆を回る。 最初は男女別の国民宿舎に泊まる予定だったのが、様々なアクシデントでいろいろと危険な状況に。 二人の関係ははたして如何に。

感想: 高校生に婚前旅行をさせていいのでしょうか。 だんだん雰囲気がやばくなってくるにつれ、1965年にこの内容だと倫理上の批判があったのではないかと少々心配になりました。 後の「Theかぼちゃワイン」にも似た雰囲気がある作品です。
この映画は雪室さんのデビュー作とされる作品ですが、実在の土地を生かした、トラブル多発の旅行を書いたあたりや、独特のリズムは今とあまり違っていなく、元からこういう作風なんだというのがよくわかりました。 当時の国民宿舎・木太刀荘(湯ヶ島温泉)はまるでユースホステルのような男女別ベッドルームだったり、舗装もしていない天城峠を歩いて越えたり、この頃の旅行というのが今とは全く違ったものだったことも、あらためて驚かされました。
2011年にCSのチャンネルNECOで視聴。



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