『あずきちゃん』ゆかりの地−阿佐ヶ谷

最終更新日: 2008/10/05

 62話、90話、106話に出てきた喫茶店「花の門」付近が阿佐ヶ谷であるということで、案内してもらいました。 案内人はりんすさんです。 なぜ「阿佐ヶ谷」なのかですが、これは『あずきちゃん』の制作会社であるマッドハウスが、当時阿佐ヶ谷にあったことと関係していると思います。



62話

 まどかちゃんの自宅で喫茶店の「花の門」です。 右の写真の阿佐ヶ谷駅南口ロータリーにある喫茶店「アコヒーダー」とほぼ完全に一致します。 ドアの作りや引っ込み方、窓ガラスの格子などは本当にそっくり。 ドアの上部にある飾り窓にいろいろな飾りが置いてあるあたりは、特に似ています。 マッドハウスのスタッフが来ていたかどうかはわかりませんが、ともかくこれがモデルであるのは間違いないと思われます。

 店内はアニメ作画とはあまり似ていませんでした。 もちろん、生意気な娘もおりません。 しかし、営業内容は純喫茶(死語?)で、ジダマが名前を読み間違った「キリマンジャロ」などの品揃えがあるのは、花の門と同じです。 コーヒーはおいしかったです。 「アコヒーダー」ってどういう意味かと思って調べてみたら、スペイン語のacogedorのようです。 西英翻訳してみるとcozy, welcoming, warm, friendlyという意味の形容詞でした。

 しかし、残念ながら2008年8月20日をもってアコヒーダーは閉店となりました。 再開発によるものとはいえ、ゆかりの地がまた一つ消えていってしまうのは、悲しいことです。


写真1: 喫茶店「アコヒーダー」

写真2: 惜しくも2008年8月閉店

106話

 106話にも花の門が出てきます。 この話で、かおるちゃんがお父さんを駅まで追いかけていった、この駅前の横断歩道は右の写真の阿佐ヶ谷駅南口駅前と思われます。 ロータリーになっていて横断歩道が手前と奥に二つに分かれていること、盲人用タイルの配置など、かなりよく似ています。


写真3: 阿佐ヶ谷駅南口

106話

 そして、ここが阿佐ヶ谷駅であることを決定的にしたのが、左の画面の左下にちょこっと描かれている時計です。 まさに、この位置に同じ時計が設置されているのです。 向きは90度回転していますが、これは間違いないです。 これを発見したりんすさん、おそるべし。

 アニメでは駅のキップ売り場の絵もありましたが、実際の駅とはかなり様子が違いました。 改装で駅のレイアウトが変わってしまったのかもしれません。


写真4: 阿佐ヶ谷駅南口の時計

106話

 106話の雪が降り出したシーンで、わずかに挟まれている線路脇の南方系植物(シュロ?)の絵。 これが何なのか、結構不思議でした。 106話の絵コンテは片渕さんなので、無意味なカットが入っているとは思えません。

 阿佐ヶ谷駅の近辺を探してみると、本当にありました。 アコヒーダーの裏あたり、「かわばた通り」という裏路地に、同じ植物が何本か高くそびえる家がありました。 普通の民家のようですが、古くて誰も住んでいないような感じもします。 ともかく、何かの店などではありません。 不思議な家です。

 ここは左のような線路脇ではなかったですが、電線の具合も何となく似ています。 これがモデルになったと見て間違いないと思います。

 一方で通りや商店街の作画は、実際の阿佐ヶ谷駅南口とはあまり似ていませんでした。


写真5: 謎の南方植物

 ついでに、当時マッドハウスが入っていた「芝萬ビル」も見てきました。 JR阿佐ヶ谷駅からは徒歩10分足らず、地下鉄南阿佐ヶ谷駅前です。 現在、1階には靴屋、コンビニ、パチンコ店、本屋などが入っています。 このビルの3階で『あずきちゃん』が制作されていたんですね。 ちょっと不思議な感じです。

 かおるちゃんが走って行った先が阿佐ヶ谷駅だったことを考えると、「みなみ町」はこのビルのあたりというイメージでしょうか。 単に近くて取材が楽だったということもあるでしょうが、マッドハウスの中の人たちは、『あずきちゃん』の世界を身近に感じていたのかもしれませんね。


写真6: 芝萬ビル

撮影日: 2008年6月、8月


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