一号三型電探
名称        一号三型電探電波探信儀
目的        陸上・艦船・潜水艦用小型可搬式対空見張電探
完成        昭和18年3月
波長        200cm
尖頭出力      10kw
測定法式      最大感度法
送信機発振回路   平行二線式
受信検波管     UN−954
送信真空管     T311
空中線形式 送受共用2×4 水平
最大有効距離:編隊 100km
最大有効距離:単機 50km
最小有効距離    5km
測距精度      2〜3km
測角精度      10度
重量        110kg
製造        東芝、安立
製造台数      約1000
備考

 日本海軍で最初に着手されたのは陸上用対空見張電探である一号一型および二型で、これを艦船用に設計し直したのが二号一型電探である。このように一号電探とは陸上設置型の電探を表す。だから艦船に一号三型が搭載されると言うのは、本来ならいささかおかしな事である。にもかかわらず本機が艦船に搭載されたのは、その可搬性による。一号三型電探はトラックや必要に応じて人力でも輸送できることを開発段階から要求されていた。航空機に対しては波長1.5メートルより2メートルの方が――これは電子部品の性能の関係ではないかと思うのだが――性能が良いとの判断の上に研究が続けられ、性能は実際良好であった。性能的には一号二型よりも上であったため、本機が中心的に量産されることとなる。ちなみに一号二型の生産数は三型の1000に対して50基である。戦争後半には対空見張に関する限り、一号三型の整備に全力が注がれるようになる。
 こうした状況で一号三型電探は艦船にも順次配備されるようになる。戦艦・空母・巡洋艦には二基、駆逐艦・海防艦などの小型艦艇には一基が搭載されることになっていた。潜水艦にも空中線(アンテナ)を改良して搭載されるようになった。この場合は既存の短波檣を改造して装備され、潜航しながら短波檣だけ海面に出して対空警戒を行うのが一般的だった。潜水艦には昭和19年春以降から装備され、少なくとも敵機に対しては非常に有効で被害の減少に貢献したと言う。