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豹紋蜥蜴擬の性比


0.オス、メスの判定(1/4/2000)

体を持ってひっくり返すと尾に力がかかり自切するといやなので、蓋のある透明なプラスチックカップ(=店で運搬用にくれる奴の大きいものを保存しておく)に入れて、人間が仰向けになって下から観察する。必要に応じて、蛍光灯スタンド、虫メガネを用意。

成体になるととても簡単。オスだと、preanal pore(=なんて訳すんだろう、肛門前穴はたまた前肛孔・前肛穴、かな?)と言われる、後ろ足のつけ根の真ん中を起点とし正中線で交わるV字型の「構造物」がある。成体では何か分泌するらしく、分泌物に汚れが付着して穴が茶色に染まるのではっきり「前肛孔」が認められる。メスには、ない。これは、多くのGecko(=例えば、ヒルヤモリでもはっきり)の性的特徴らしい。

尾の付け根のヘミペニスの膨らみでは、個体により様々で、あてにならない気がする。発情不十分なら、ペニスの出来=膨らみが悪いとか?!(=いくつかの雑誌では、ヘミペニス=ペニスの先が2つだから・・睾丸みたいに書いてあるが・・大嘘・・温度調節する変温=外温=動物では・・とても危険な?!・・外側にぶら下げる必要ない!)

成体になる前、何か分泌する前は、分かりにくい。生まれて1ヶ月でも、拡大鏡で観察すれば分かるとある・・web-page、本、があるが・・・うーーーん。経験の足りない私には分からない。拡大すると、メスでも皮膚の「穴」はあるからなーー。同年代の個体数匹の中から、最もオスらしいやつ、最もメスらしいやつ・・・というのは、分かると思うが。幼体・亜成体、1匹だけ差し出されて、「おす?めす?」と聞かれるのは、very very difficult.


1.(11/25/99)

性比が1:1と仮定して、幼体を買ってきた場合、ペアが取れる確率を計算してみた。即ち、何個体購入するとペアである可能性は高くなるか。例えば、2個体買えば、50/50であるというのは自明、これを拡張してみた。

(購買)個体数 0ペアである% 1ペア得られる% 2ペア得られる% 3ペア得られる% 4ペア得られる% 少なくとも1ペア得られる%

1

100

0

0

0

0

0

2

50

50

0

0

0

50

3

25

75

0

0

0

75

4

13

38

50

0

0

88

5

6

31

63

0

0

94

6

3

19

47

31

0

97

7

2

11

33

55

0

98

8

1

6

21

44

27

99

5個体以上買わないと・・5%程度の誤差で番がいない計算になる。幼体は安いけど、ペア取りという点ではとてもリスキー。


2.  (1/17/00)

TSD=Temperature(-dependent) Sex Determination

=温度(依存性)性決定(て、訳すのかな?)という現象が爬虫類の仲間にはある。というのは、孵卵温度によって雄か雌かになり易さがあるというのである。ヒョウモントカゲモドキもその例だという。タマオヤモリにはそのような例はないという。Viets博士らは、500卵以上の合計でオスメス出現の頻度を実験した(=leopa_manual1998による)。以前とかなり変わっている気がする。それで、以下に抽出してみた。ヒョウモントカゲモドキでは、メスになるのが通常の発生過程で、ある特定の温度域でのみオスが発生するというのが自然界の摂理ともいえるかもしれない。

24C以下, 35C以上では、胚発生しないという。

26.0C:100%メス。

28.0C:98%以上メス。

29.0C:80%メス。

30.0C:70%メス。

30.5C:70%程度オス。

31.0C:82%程度オス。

32.0C:90%オス。

32.5C:73%程度オス。

34C:8%程度オス。

35C:5%程度オス。


3.(11/25/99)

USA産の CB幼体について。

米国産の幼体を飼育すると、殆どメスばかりになることは、1990年の時点で既によく知られていた。

その理由は、

a. 市場=ペット屋さん、で、メスは問題なく混育できるから。

b. プロのブリーダーは、生産効率をあげるために野生下と同じ「ハーレム」飼育をしているという。オス:メス比が、1:10くらいまであるらしい。9頭分の餌代が浮く!? 

c. 従って、あるページでは、(主としてメスが得られる=)83度華氏(28.3C)にして孵卵しているとはっきり書いてある。

d. だから、米国産では5匹程度購入しても、全てメスであることもざらであるだろう。

e. よって、オスははっきり分かった成体として買うべきと言うことになる。

f. または、最近漸く出回り始めた日本産の適正温度(!!)孵卵幼体を買うべし。


4. (1/19/00)

温度依存性性決定は、興味深いので、学術論文(=誰かが勝手に書いたものではなくて、投稿された文章をふつう複数人の審査員により掲載を決定する論文。主に研究機関で行われ、誰でも再現可能なように実験方法などが書かれ、最後に引用した文献の一覧をつける)を検討することにした。

a.Embryonic tempeature determines adult sexuality in a reptile. WHN Gutzke, D Crews. Nature 332(28): 832-834 (1988).
これが、「豹紋蜥蜴擬参考書」の項に示した1990年本の種らしい。
26, 29, 32、各、度摂氏、の孵卵温度で得られたメスを使って実験した。その結果、32度摂氏で生まれたメスは、オスのような行動(=オスを当てても、交尾させない)をして、おまけに実験した2年間に産卵しなかったという。
その原因は、高温での発生に異常があると考えて、組織検査したが、特にオスらしい組織形態は、得られなかった。しかし、高温メスは血流中のアンドロゲンがかなり増加し、エストラジオールがオス程度にまで低下していた。
ホルモン異常が、この行動と産卵しない原因と結論。

b.Temperature-dependent sex determination in the Leopard gecko, Eublepharis macularius. BE Viets, A Tousignant, MA Ewert, CE Nelson, D Crews. J. Exp. Zoology 265: 679-683 (1993).
a.の論文(この業界では、Natureという英国の雑誌が権威がある!)を否定する速報という短い論文。再実験・あるいは追試の結果。
32度摂氏でもオスは、94パーセント。おまけに、それをピークにまたメスが発生することを発見した。しかも、その35度摂氏孵卵で生まれたメスでも、繁殖することを発見。a.を完全に否定。紳士的に(=科学界の常識?)に、実験条件=ケージの違いかな?とやんわり。

c.Sex-determining mechanisms in squamate reptiles. BE Viets, MA Ewert, LG Talent, CE Nelson. J. Exp. Zoology 270: 45-56 (1994).
これは、原著論文ではなくて、総説=まとめ、という解説の類の論文。
b. のデータに付け加えて、表ができた。
これは、leopa_manual1998 に掲載されているものと全く同じ。
上記2.にまとめたものと一緒。

(1/22/00)

b.の論文のデータをグラフにしてみた。(著作権があると思うので独自に書いた。)

このデータは、上記2.の元のデータの筈であるが、ちょっと違う。この論文の時点では、28Cではオスが発生していないが、leopa_manual_1998には、オスが出現するように書かれている。