富山-高山

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1/8(木)
 富山にムーンライトえちごで行くつもりだったが、当日の晩になり、急に思いついて急行能登で行くことにした。もちろん乗車券も急行券もない。秋葉原のみどりの窓口へ行くも、すでに22時で終了。やむなく上野まで移動。改札を出てみどりの窓口へ。秋葉原-上野の運賃損した。並ぶ客は多いが窓口は2つしか空いていない。前の客が手間取り、なかなか順番が回ってこない。やっと自分の番。急行能登の指定席を所望するも、「11時までしか出ないんで・・・」なんと今22時59分。「通路側希望」と伝える間もなく、窓口氏は大急ぎで窓側の指定券を発券。「9810円です」・・・ムーンライトえちごで行けば良かったか・・・少し後悔。
 上野駅ももうこの時間になると、店も閉まり、人々も家路に急ぐ。新宿や渋谷はまだまだこれからといった時間だが。23:33急行能登金沢行きは上野を出発。指定席車両には10人くらいしかいなかった。私の隣も空席。 


1/9(金)
 幸いよく眠れ、05:40富山着。いつの間に降りたのか、車内はガラガラだった。そのまま富山港線の始発に乗る。ここからは予定通り青春18きっぷでの旅路である。0600富山発0617岩瀬浜着。4両の電車で、車内はガラガラ。折り返し電車は0622岩瀬浜発0640富山着。富山へ通う人で、行きよりは混んだ。西日本は夜明けが遅く、車窓は全く見えず。宮脇俊三氏が先っぽの東岩瀬-岩瀬浜を乗り残し、後日わざわざ乗りに来たという話を思い出した。
 次に、富山から高岡に移動。通勤用の特急おはようエクスプレスが先に発車。富山-金沢といった短距離だが特急である。0706富山発。通勤、通学客で混んでいる。0723高岡着。
 高岡は藤子不二夫の「まんが道」で、東京へ上京するのに汽車に乗るシーンがあった。駅構内のマクドナルドで朝食を買い込み、氷見線へ。車内で食べるつもりだった。
 ところが、氷見線車内は超満員。高校生の通学客だった。ボックスシートの空席に座るが、目の前の女子高生が何か言いたそうにしている。「友達が来るの?」と聞くと頷く。しかたなく、運転席の後ろに立ち、景色を見ていくことにした。0746高岡発。盲腸線の通学生は、これまでの経験では途中の駅で大量に降りてガラガラになるものだが、この氷見線に関しては途中の駅からも次々と乗ってきて、ついに終点の氷見まで満員のままだった。この氷見に高校があるのだ。途中から富山湾の沿岸に出るが、荒々しい海が見え、とても景色はよい。0812氷見着。
 この氷見線で1つ大発見。車内放送で「次は中川、越中中川です」と言ったこと。関西私鉄では駅名に冠された旧国名を省略するのはよくやることだが、(近鉄が伊勢中川を中川と呼ぶなど)JRでこれをやるとは思わなかった。
 ようやく空いた折り返しの0827氷見発に乗る。冷めたマックを食べ、0856高岡着。
 次は城端線。0912高岡発。1両のディーゼル車は混んでいた。ワンマンなので車内放送はテープだが、これも珍しいことに、観光案内を流すのだ。JRでこんなことをするとは。。。景色は良かったようだが、ほとんど眠っていた。0959城端着。すぐに折り返し、1006城端発1054高岡着。
 さて、ここでもう一つ乗りたい路線が。万葉線である。珍しい第3セクター方式の路面電車。運賃表を見るも、ガラスが曇っており、全く見えない。途中の中新湊止まりと、終点の越ノ潟行きが交互に15分おきに発車する。つまり、越ノ潟まで行くのは30分に1回しかない。オンボロの路面電車で揺れが激しい。市内を走ると専用線に入ったり、川を専用の橋で渡ったり、港の地区を走ったり、車窓がバラエティに富んでいて飽きない。越ノ潟ではフェリーが出ていたが、それには乗らずに折り返し電車で帰ってきた。

高岡駅に停車中の万葉線電車。他にも色んなデザインの電車があった。


 北陸本線で富山に戻り、駅前のファミレスで昼食。ついついファミレスやファーストフードに入ってしまう。せっかくの旅先なのにと思うが、手軽なのでつい利用してしまう。
 富山地鉄の路面電車に乗ろうと、一日乗車券600円を買う。おばさんに「乗り場はどこですか?」と尋ねると「どこへ行くの?」と尋ねられた。想定外の質問で(案内所としてはもっともな質問だが)、とっさに「富山大学へ」と答えた。「xx番のバス乗り場」とのこと。バスで行くのが普通なのだろう。
 路面電車で大学前へ。そのまま折り返し南富山駅前へ。さらに折り返し富山駅へ。駅前よりも、やや離れたところの方が中心地のようであった。
 ビジネスホテルにチェックイン。今晩友人とアポがあるが、まだ時間がある。そこで、けさ全く車窓が見えなかった富山港線に再度乗ることにした。ばからしいが、青春18きっぷがあるので追加出費はない。
 面食らった。朝は4両の電車だったのに、今度は1両のワンマンディーゼル車。しかも、朝はガラガラだったのに帰宅の高校生で超満員。なぜ混んでいるのに1両なのだ・・・?ただ、芸備線もそうだったが、混んでいるのは入り口付近だけで、車両の中程に行けば空いている。もちろん座れないが。各駅で乗降に時間がかかるが、終点の岩瀬浜には定時に着いた。折り返し列車で富山に戻る途中、下り列車と行き違う。この行き違い列車は4両の電車で、車内はガラガラだった。同じ時間帯に走らすのに、この差はなんだ?
 夜は魚津で大学時代の友人と会ったのであった。


1/10(土)
 早起きして0608の高山本線の始発に乗る。富山駅は深夜の夜行列車の停車もあり、早朝から活気づいている。駅弁や立ち食いそばの営業も早く、6時からもうやっている。名物の「ますのすし弁当」を買い込んで乗り込む。普通猪谷行き。トイレ無しセミクロスシート。JR西日本お得意のローカル待遇である。が、月に一度の運休日がないだけマシというべきか。雪景色だが、外は暗くてよく見えない。ウトウトしつつ、猪谷には0655着。降りて神岡鉄道に乗換だが、半端じゃなく笑っちゃうくらい寒い。カメラを構えた手が感覚を失う。雪を突風が舞い上げる。
 0710猪谷発の神岡鉄道。一両のディーゼル車だが、座席の配置が変わっている。囲炉裏みたいなのがある。さて、この神岡鉄道、行程に組み込むのに苦労する。猪谷発は、全て終点の奥飛騨温泉口まで行く。ところが、奥飛騨温泉口を出た列車のうちの一部は、途中の神岡鉱山前止まり。その列車はどうするかというと、再び奥飛騨温泉口に戻ってしまう。こんな説明より時刻表を見ていただいた方が話は早いが、要はよく調べないで飛び乗ってしまった場合、猪谷に帰ってこられないという事態が生ずる(もちろんいつかは帰ってこられるが)。
 車内で「ますのすし」を食べる。おいしいが、途中で飽きる。しかし、苦労して組み入れただけあり、車窓はよい。壮絶な雪景色。トンネルだらけ。トンネルを抜けると山肌を走り、眼下には川が見える。すると、またトンネルに入る・・・というのを繰り返す。終点奥飛騨温泉口は0741着。駅名は観光地のようだが、駅舎は建て替えたばかりのようできれいなものの、観光地ではない。いちおう温泉に行くバスは出ているようだが、このルートで奥飛騨温泉に行く人は1人もいないだろう。あくまで地元の人の為の駅である。駅が地元の市民会館を兼ねている。同じ列車に乗ってきたおじさんが話しかけてくる。「寒いね。トンネルばかりだったね。どこか行くの?」と聞かれ、「いえ、このまま戻ります」と答えると、おじさんも同じであった。
 0810奥飛騨温泉口発の折り返しに乗る。この列車はそこそこ混んだ。途中から地元の人が乗り込んできた。0840猪谷着。

ボックスシートを改造し、テーブルを囲むような配置。

囲炉裏のオブジェ(?)。火を焚いているわけではない。

件のおじさんは富山行きに乗っていった。私は高山本線をさらに進む。0856猪谷発の高山行き。0943に途中の飛騨古川で降りた。川を鯉が泳いでいるということだったが、真冬のためか、鯉は見えず。雪祭りでもあるのか、町のあちこちに雪の柱をたてていた。寒さに耐えられず喫茶店に飛び込む。コーヒーを頼むと、なんとコーヒーの他に、チョコレート一切れと、輪切りのバナナが出てきた。こんなおまけが付くとは、びっくり。

氷柱の設置作業中。


 1046飛騨古川発の高山行きに乗る。これは飛騨古川始発なので確実に座れる。この列車があるために飛騨古川で下車したのである。青春18きっぷの旅行は座席確保作戦も重要なのだ。1106高山着。
 寒いし雪で道路は凍っていて危ないが、とにかく歩き、宮川朝市を見学。ここでG14氏と遭遇(もちろん待ち合わせていた)。彼はこれから飛騨古川に行くという。私は一人で昼食を食べる。朴葉(ほうば)味噌ステーキ定食。1800円もしたが、実にうまかった。飛騨古川から戻ったG14氏と合流し、本日の宿である「ひだ高山天照寺ユースホステル」へ。駅からは徒歩20分ほどだが、なかなか行きやすい場所ではあった。チェックインして料金は前払い。私はユースホステルの会員なので3300円(素泊まり2800円+朝食500円)。G14氏は非会員なので400円アップの3700円を払う。本当は非会員は会員の1000円増しのはずなのだが。
 さて、このユースホステル、なんといっても激烈に(!)寒い。宿を表現する言葉として適当かどうかは分からないが、第一印象は「寒い!」。名前の通り、お寺に一角に宿泊部屋があるというユースなので、寒いのも修行のうちなのかもしれないが、廊下や談話室に全く暖房がない。さすがに部屋には暖房が効いていたが。先客はいない。G14氏はユースホステルは初めてなので面食らっている様子である。
 荷物を置き、再度市内へ。このユースは夕食を出さないので、外で食べてこないといけないのだ。有名な陣屋を見学。ボランティアガイドによる無料説明があり、聞きながら歩いた。やはり、説明がないと何がどう良くて珍しいものなのか分からない。ガイドはいた方がいい。夕食に飛騨牛ステーキの店でビーフストロガノフ2500円。その後で高山ラーメンを食べる。正直言って、そんなにうまいものでもない。おつまみを買い込んでユースホステルに戻る。部屋に戻るとお客がいた。一人はおっさん、一人はなんと外国人の青年である。普通、ユースホステルで同室になったものどおし、何かしら話したりするものだが、このメンバーでは誰に何を話して良いものか分からず、全員が黙々と本を読んだりテレビを見るという、異様な雰囲気であった。私とG14氏はたまらず、極寒の談話室でビールを飲む。私はコートとマフラーと手袋とタイツという屋外と同じ装備で酒を飲む。暫くすると、また別の中年の外人さんか来て、話に加わった。彼は個室をリクエストしたらしく、(このユースは追加料金1000円を払えば個室にできる。どうせ部屋なんていくらでも余っているのだ)我々とは別の部屋から出てきた。オーストラリアで学校の先生をしている方。親日家のようで、あちこち二本を旅しているという。向こうは日本語が達者なのに甘えて、こちらはほとんど英語を喋らず。消灯の22時になり、寝ることにした。
1/11(日)
 目が覚めると、同部屋のおじさんはいなかった。早朝に出ていったらしい。朝食を食べる。私とG14氏と同室の外人の成年と、昨晩の外人の先生の4人。なんとも妙な食卓である。外人どおし、英語で会話をしていた。メニューはご飯、みそ汁、のり、魚など。決して悪くはないが、この世の中、これで500円とは相対的には割高である。ユースホステルは旅人どおしの交流を楽しむところと考えればユースで食事をする方が楽しいが、純粋に安さを求めるのであれば、ユースの朝食は取らない方が良いかもしれない。

高山を流れる宮川。無茶苦茶寒い。


 ユースを辞し、陣屋前朝市などを見て、高山発1036の美濃太田行きに乗る。この車窓は川と、川をせき止めたダムが見え、とても景色はよいが、またしても眠ってしまった。1145下呂で下車。
 下呂では有名な噴泉池というのがあった。市内のど真ん中の川沿いに露天風呂があり、おっさんたちが入浴しているのが丸見えになっている。ここで昼食。朴葉味噌定食を食べる。これまたうまい。ご飯が進み、おかわりした。立ち寄り湯に入る。ここの100円式コインロッカーは、なんと100円が返却されない。喫茶店がコーヒーを飲むと、今度は煎餅のおまけが付いた。
 1408下呂始発の列車に乗る。この下呂始発の列車があるので下呂で降りたのだった。途中の白川口と言う駅で20分ほど停車。美濃太田には1542着。
 ここで乗換が発生するが、さっきまで4両だったのにここからは2両。立つ人が発生。しかも、トイレ無し。普通列車で乗り通す人は、特急との差を付けるということなのだろうか。随分待遇が落ちる。1601美濃太田発1638岐阜着。岐阜からは東海道本線で名古屋へ。
 新幹線の発車まで2時間ほどあるので、名古屋駅内の駅麺通りで「名古屋ラーメン」を食べた。現在名古屋には御当地ラーメンと呼ばれる物はないが(台湾ラーメンという辛口ラーメンはあるが)、名古屋コーチンで出汁を取ったなかなかのお味。新しい御当地ラーメンとして定着するか。居酒屋で酒を飲み、G14氏と別れ、新幹線にのりこんだのだった。
 旅行記はここで終わりそうだが、今回はここから先がまた長かった。今回はぷらっとこだまエコノミープランを使った。名古屋-東京がたったの7900円。しかし、名古屋から東京が3時間もかかる。こだまとはいえ、スピードは速い。しかし、途中のほとんど全ての駅で通過待ちをするのだ。いちいち4,5分停まる。この3時間の行程で、実に12本もの電車に抜かれるのである。自由席はガラガラだが、ぶらっとこだまの所為か、指定席の方が混んでいた。名古屋-静岡の移動をする人が多いようで、こだまで名古屋-東京を乗り通す人は、それほど多くはなかった。

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