東成田と芝山千代田

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 近場ながら、非常に面白い体験をした。最近、未乗路線をつぶしつつ、ラーメンを開拓するのに凝っている。本日のターゲットは芝山鉄道である。先日購入した「国内旅行を安くする!」という本に、「現在日本一短い路線」として紹介させていたからだ。ついでに京成東成田線も乗ることになり、一気に2社全線完乗とできる。
 旅の始まりは京成八幡駅。京成では「京成」の付く駅名を「京成」を省略して「八幡」などと案内している。電車の行き先表示、ホームなど駅構内の駅名標、路線図、アナウンスなど。しかし、駅の外側、駅の入口の駅名は「京成」を付けている物が多い。例えば、京成小岩駅では、駅の入口は「京成小岩駅」、いったん駅の中に入ってしまえば看板も路線図も全て「小岩」となる。ただし、乗車券は運送契約書となるべきものだからか、「京成小岩からxx円区間」と正式名称で表示される。
 しかしこのルールも不統一で、京成八幡に関しては駅の入口には「京成電鉄 八幡駅」となっている。地元の人も、この駅が「八幡」だと思っている人も多い模様。しかし、駅に置いてある無料の小冊子にはちゃんと「京成八幡」と書いてあった。運輸部と広報部の連絡がよくないのだろう。おおらかではある。
また、京成津田沼も例外で、駅内の表示も京成津田沼となっている。新京成線の駅でもあるための配慮と思われるが、電車の行き先表示や車掌のアナウンスは津田沼である。
 面白いのは京成臼井で、これは平仮名で「うすい」としている。「しらい」と読まれやすいのだろうか。でも、駅のホームには「京成臼井」という看板と「うすい」という看板が両方ある(昔見たときの記憶。今はないかも)。京成西船も変な名前の駅だが、駅の看板には「西船」という看板と「京成西船」という看板の両方がある。ちなみに、昔は葛飾という駅だった。
 私は関西本線を大和路線とか、梅田をキタと呼びづらいのと同じ理由で、ここでは正式名称で呼ぶ。
 京成八幡から特急で京成成田まで40分。京成船橋のあたりで高架工事をしていた。芝山千代田への直通はこの時間帯はなく、京成成田で乗り換え。芝山千代田-京成成田の折り返し運転。行き先表示は、なんと「(東成田)芝山」となっている。なんといういい加減な行き先表示だ。素直に芝山千代田と書けば良いものを。
 いよいよ発車。京成線内唯一の未乗区間。しばらくは本線上を走る。前方にトンネルが二本あり、本線と別れて右側に入る。いよいよだ。しばらく走り、地下駅の東成田着。
 ・・・なんだ?この気持ち悪い駅は?2面4線、島式ホームが2つあるよくあるタイプの駅だが、片方のホームは電気が付いておらず真っ暗だ。今は使っていないらしい。東成田で降りるつもりはなかったのだが、これは降りてみたくなってしまった。後で来よう。地元の高校生が1人降りていった。なぜか警察官が2人乗ってきた。
 発車。ここから先は芝山鉄道である。が、乗務員も交代せず、アナウンスも「次は芝山千代田、終点です」というだけで「本日も芝山鉄道をご利用いただきましてありがとうございます」といったセリフはない。京成線の延長の様な感じがする。
 地下トンネルを出て、地上に出た。
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 うっ、飛行機だ。そう、成田空港の敷地に隣接しており、飛行機が見える。複雑な気分。飛行機を見るとどうしても大阪時代を思い出す。楽しいことばかりではなかったので、胸にずしっと何かが覆い被さる。芝山千代田着。さきほどの警官と地元の女子高生、私みたいにただ乗りに来たらしきおじさんが下車。駅名票や路線図は京成と同じデザイン。わずかに色が違うだけ。ホームから飛行機が見える。こんな駅は珍しいのではないか。羽田空港駅も成田空港駅、空港第2ビル駅、関西空港駅とも地下駅で飛行機は見えない。関空は、駅手前の線路上では飛行機が見えるけど。モノレールの大阪空港駅からだったら見えるかも知れないが、未乗なので分からない。いずれにせよ面白い。海が見える海芝浦駅(実際に見えるのは運河だが)と共に有名になる日も近い?
 この電車は折り返し京成成田行き。15分ほど時間がある。ちょうど良くてありがたい。短すぎると外を見れないし、1時間とかだともてあます。近鉄北勢線の阿下喜の時がそうだった。改札を出ようとパスネットを通すが、閉められた。芝山鉄道はパスネット非対応なのだった。駅員が東成田までパスネットを減額し、芝山鉄道分として190円を現金で徴収。「東成田から空港駅まで歩けますか?」と尋ねる。どこかでそのような事を読んだ覚えがあったからだ。「空港第2ビル駅までの地下通路がある」とのこと。このような質問が多いらしく、手慣れた受け答えだった。
 駅の外を見る。「早期延伸を!」という看板が見える。埴輪の里ということが強調されている。古代人の絵があり、顔に穴が空いており、そこから顔を出して写真撮影するものがある。先ほどの女子高生が本を読みながらバスを待っている。
 駅のホームから先はこうなっている。


ほんの少しだが右にカープしており、この先も延長するつもりであることがわかる。一方、これを駅の外から、裏側を見るとこう。


こんなところに駅名看板を出すのが面白い。
 さて、京成成田行き折り返し電車に乗る。東成田で下車。3人ほど降りたが、すぐに改札に行ってしまう。私はしばらくホームを探検。電車が行ってしまい、ゴーッという轟音が残る。1人取り残される。ひんやりとした空気と薄暗い構内、昨年行った土合駅を思い出す。2面4線の片側しか使われていないが、使われていない方のホームは暗く、廃墟の様。駅名の看板は「成田空港」となっている。昔はこの駅が成田空港駅だったのだ。暗くてよく見えないが、広告の看板が撤去されずに残っている。その中に、なぜか東武特急スペーシアの看板が。。。見づらいが、分かります?真ん中の大きい看板の右側に「SPACIA」と書いてあります。


どこからスペーシアに乗れというのだ。京成関屋で牛田と、押上で業平橋と、東武線とは乗換ができるが、いずれも特急は止まらない。意図がよくわからん。
 誰もいないホームにいると不気味。階段を上がり、改札に向かう。使われていないホームには行けないように壁が立ちはだかっている。昔は売店もあったようで、看板だけ残っている。壁も薄汚れており、主要駅から一気に降格した事を物語り、もの悲しい。改札を出ると、なかなか立派な作り。ほとんど人はいないのにだだっ広い構内。空港第2ビル駅への地下通路があったが、もうしばらく探索したいので、やり過ごす。地上に出てみた。エスカレーターがあるが運転休止中。「検問にご協力下さい」という表示。駅の外に出ると何もなく、道路があるだけ。昔は大勢スーツケースを転がした旅行客が行列したのだろう、と想像。
 いったん階段を降り、もう一つの出口に行く。「バス乗り場」と書いてある。階段を上がるとガードマンがいて検問をしている。ここから先は空港関係者しか入れないようだ。進むのをあきらめ、空港第2ビル駅への通路を行くことにした。漫画やゲーム、小説に出てきそうな地下通路。


何も装飾もなく、監視カメラが所々ある。何故か空港第2ビル駅の方からこちらに歩いて来る人とすれちがった。こんな所に何の様だろう。私も人の事はいえないが。それ以外は誰もいない。ひたすら進む。ここで暴漢に襲われたら逃げられないな、と空想しながら歩くうち、ようやく空港第2ビル駅に着く。ようやく人のいる所についた。。。安心。
 この日の行程は終わり。津田沼駅南口の必勝軒というラーメン屋に行った。京成津田沼から歩いた。が、売り切れ。やむなくJRの津田沼まで出て、西千葉のパーコーラーメン風というラーメン屋に行った。千葉大生御用達の店。おいしい。
 とにかくこの両駅、都心から近すぎて秘境駅とはいえないかも知れないが、両方とも非常に面白い。近くても、見知らぬ場所でドキドキ感が味わえれば旅行と読んでもいい気がしたので、このページにアップした。時間があれば、是非行ってみて下さい。

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