JRの列車種別

 急行について調べる前提として、JRの列車種別についておさらいしたい。(事実誤認があれば、やさしく教えて下さい。)JRの列車種別には、特急、急行、快速、普通の4種類がある。各種別について述べたい。

特急

 特急は乗車の際に乗車券の他に、特急券が必要。寝台特急、エル特急と呼ばれる物も含まれる。新幹線は全列車が特急列車である。「こだま」も「のぞみ」も「あさま」も全て特急。「こだま」もれっきとした特急である。なお、新幹線に直通する列車も全て特急。博多南線の列車も、全て特急ということになる。新幹線に乗車の際は新幹線特急券がいる。JR時刻表04年6月号の特急運転系統図を見ると、138列車存在する。

急行

 急行は乗車の際に急行券が必要。現在は、はまなす、能登、きたぐに、銀河、かすが、つやま、みよしの7列車が運行している。この他に、臨時列車が走る時もある。

快速

 快速は、特急券や急行券なしで乗れるが、ムーンライトえちごやムーンライトながらなどは全席指定席なので、乗るには指定券が必要となる。また、湘南ライナーなどのライナー類はライナー券や乗車整理券が必要。

普通

 普通は、特急券や急行券なしで、乗車券のみで乗れる。各駅停車という案内もよく目にする。常磐線では普通と各駅停車を違う意味で使い分けている。また、東北本線でも浦和・さいたま新都心を通過する物を普通、停まる物を各駅停車と呼び分ける場合があるが、全て普通のカテゴリーに入る。また、一部の小駅を通過する普通列車もあるが、飛ばすだけで速くないものは普通と呼ばれるようである。(逆に、2駅しか通過しないのに快速とされている列車もある)。過去において、夜行普通列車が多数運転されていた時代は、深夜帯に通過運転するものも普通列車だったそうである。ムーンライトながらになる前の大垣夜行も普通列車であったとのことである。

ライナー(快速の一種)

 さて、ややこしいのはライナーの扱いだが、特急用の車両を使ってはいるが、あくまで快速である。ただ、ライナー券等不要の狭義の(というか通常の)快速とまぎらわしいので、別個の列車種別のように案内しているようである。(特急、急行、ライナー、快速、普通と5個の種別のように表現する場合がある)。ただ、ライナー券は着席保証のための券であり、特急券や急行券とは性質が違う。あくまで快速なので、2時間遅延時の払戻などはない。
 ライナー券が必要な訳でもないのに、通常の快速に「ライナー」という列車名をつけている場合があり、磐越西線の「あいづライナー」や芸備線の「みよしライナー」などがある。

ワンマン

 「ワンマン」という列車種別があるわけではないが、JR東海では「ワンマン」という言葉を1つの列車種別のように使っている。飯田線などで、列車種別の区分として「特急」「普通」「ワンマン」と分類されているのを見ることができる。旅客案内上の区別であり、ワンマン列車ももちろん普通列車である。なお、16年3/13のダイヤ改正で、JR九州にワンマン運転の特急が登場した。

その他の分類法

 ここで「そもそも論」を持ち出すと、営業規則の条文上は、まず急行と普通に分かれ、急行の中で特別急行(いわゆる特急)と普通急行(いわゆる急行)に分類されている。それ以外は全て普通列車であり、条文上「快速」という文字はない(見落としていたらすみません)。つまり快速は(広い意味の)普通の一種である。この考え方に基づいて、列車種別を特急、急行、普通の3種に分類する場合もある。とくとくきっぷの案内などでの「エリア内の特急・急行・普通列車に乗り放題」といった表現はこれにあたる。この場合、もちろん快速にも乗車できる。

定期券との関係

 定期との関係で言うと、定期は「普通・快速の自由席」にだけ乗れるものである。だから、特急・急行は定期では乗れないのが原則。だが例外も多く、「この列車のこの区間は、定期に特急券・急行券を買い足せば乗車できます」と個別に決められている。(この場合はもちろん乗れるのは自由席のみ)。通勤用の特急は定期乗車を認めているものが多い。また、定期で乗れるはずの快速であっても、ムーンライトえちごなどは全席が指定席のため、指定券を別途買い足したとしても乗車できない。勘違いして(確信犯的に?)定期で乗車し、車掌に運賃を徴されているのを見かけることもある。ライナーは定員制ではあるが座席指定ではないため、定期にライナー券・乗車整理券を買い足せば乗れることになる。
 

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