小野田線乗車記1

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 「70年前に作られた電車がある。日本で最古参。これが今一両だけ残っており、現役の定期列車として走っている。大変貴重な車両であるが、今年の3/14で引退することが決定した。引退前に是非行ってみると良い」という事を汽車旅に詳しい方に教えていただいた。場所は山口県のJR小野田線。遠いので躊躇したが、色々調べている内に70年という歴史の重みに敬意を表する意味も込め、訪問することにした。
 往復の交通に関し色々検討した。新幹線、高速バス、飛行機、夜行寝台特急。今回は周遊タイプの旅行ではなく、比較的目的がハッキリしている旅行のため、非常にオーソドックスに「往復の飛行機プラスホテル一泊」というパックツアーに申し込んだ。約28000円。
 詳細を書く前に、まずは大雑把に今回のルートをご紹介。
 初日は、羽田空港〜宇部山口空港(飛行機)
宇部山口空港〜下関(バス)
下関〜門司港(船)
門司港〜小野田(電車)
そして、今回のメインイベント・小野田線を体験。
宇部新川のホテルで宿泊。
 2日目も、小野田線を体験し、そのまま飛行機で帰宅というルートである。
 さて、初日2/1(土)。昨晩は例によって簿記講座の答案練習(略して答練)を受講し、自分の出来なさを痛感し疲れてフラフラになって帰って来た。メールチェック、旅行の準備等をしていると、あっという間に一時。そして、本日起きたのは4:20。「旅行は早く行って早く帰ってくるべし」という信条の(?)私は、朝一番の飛行機を申し込んだのだ。7:00羽田発。一応念のため余裕を見て40分前位には羽田空港駅に着く様に家を出た。折角高いお金を払って旅行の行くのだから多少の無理は覚悟の上だが、これが後々裏目に出る事になる。
 まだ暗い中家を出る。電車で居眠りをしつつ羽田空港駅に到着。空港でサンドイッチ&コーヒー900円という高い朝食を食べ、搭乗口に向かう。早朝というのに羽田空港は人でごった返していた。スキー客が大勢いたし、「一日乗り放題受付」という所にも大勢の乗客がいた。不景気とは言うが、お金は動くところでは動いている様だ。
 私は久々の飛行機である。大阪時代、空港勤務、空港のそばに居住という事もあり、帰省にはよく飛行機を使っていた。しかし、最近では一昨年韓国に行ったとき以来。ドキドキ。スチュワーデスさんは上品な物腰で何だかこちらまで落ち着いた気分になれるし、ただでドリンクは出てくるしで、なかなか快適であった。
 山口宇部空港に到着。駅前に、下関駅行きと、小郡駅行きと、宇部新川駅行きのバスが待機している。お客はそれぞれの目的地に乗っていく。空港の近くにJRの駅もあるのだが、接続が悪く、今回は利用しない。私は下関駅行きのバスに乗る。車窓と地図を見比べながら乗る。高速道路を通るので、速くて快適。時々山陽本線の上をまたぐ。地理関係が分かって面白い。この辺は、沼というのか池というのか、水たまりが多い。
 さて、終点下関駅まで乗っていくつもりであったが、このバスは途中で「唐戸」という場所を通る。カラトと読み、真ん中の「ラ」にアクセントが付くようだ。この唐戸は門司港行きの船が出る場所であり、観光スポットであるのでここで降りることにした。まず唐戸市場を見学。取れたての魚たちが売られている。一昨年、釜山のチャガルチ市場を歩いたことを思い出した。今11時。ガイドブックに載っていた市場内の回転寿司へ。人気店の様で、ものすごい行列。20分ほど待って入れた。調子に乗って色々頼んでいたら、会計したところ、なんと!「2488円」。とほほ・・・。1人で食事した中では最高記録ではなかろうか。でも、ガイドブックに載った人気店にも関わらず、接客は非常に良かった。その点が箱根と違う。
 満腹になった私はカモンワーフという商業施設を歩く。ここで、フグの形をしたハガキが売っていた。プラスチック製で、暑さは5ミリほど。当然定形外郵便であり、120円切手をお張り下さいとある。姪のミレ坊ちゃんともえちゃんに旅先からの手紙を出すことにした。11ヶ月のもえちゃんはまだ反応が無いかも知れないが、先日二歳になったミレ坊ちゃんは大喜びするはずだ。そこで、740円もするフグハガキを二枚購入。そうそう、ちなみに、現地ではフグの事を、フクというそうだ。
 下関の唐戸地区はレトロな建物が多い。旧下関英国領事館、旧秋田商会ビルは内部の見学も出来た。昔の建物が大事に保管されている。木造の古いビルなので、歩くと床が傾いていることが分かる。特に旧秋田商会ビルの方はボランティアだと思うが案内役のおじさんが色々親切に教えてくれた。03年のNHK大河ドラマが宮本武蔵であり、巌流島を擁する山口県としては観光の目玉としたい様で、町のあちこちに武蔵のポスターが貼られていた。ここ旧秋田商会ビルでも佐々木小次郎の銅像が飾ってあった。
 ここで船で対岸の九州に行くことにした。門司港駅が非常に由緒ある建物だそうだからである。船でたったの五分。降りるとそこは九州。私にとっては初上陸。さて、門司港駅だが、確かに凄い。駅自体が1つの観光資源。関門連絡船の乗換駅として大いに栄えた駅らしく、重厚な立派な作り。見所をまとめた駅マップも配布されている。漫画「ハイカラさんが通る」の時代にタイムトリップした様。
 門司港駅一帯は「門司港レトロ」と呼ばれ、観光スポットとなっている。「ブルーウィングもじ」という跳ね橋があった。

 これは昔の勝鬨橋みたいに橋が真ん中から持ち上がって船が通れるようになる。あとは旧門司税関、アインシュタイン博士も泊まったという旧門司三井倶楽部を見学。途中、名物の「瓦そば」という物を食べた。そばを、熱く焼いた瓦の上に載っけた物。最初は柔らかい麺。食べている内に下の方は焦げてきて、そのカリカリ感も楽しめる。石焼きビビンバみたいな発想だろう。「名物に旨い物無し」なんて言う。私は好き嫌いがない方で、なんでも残さず食べる。まずいと文句を言うことはあんまりない。しかし、この瓦そばは、本当にまずかった。こんなにまずい物をよく食べるな〜。うー、思い出したら吐き気がしてきた。うげ〜。
 

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